オンラインと対面を、目的に合わせて使い分ける
生活者と一緒に商品・サービスを考えるとき、オンラインと対面のどちらがよいのでしょうか。 オンラインには参加のしやすさや継続的なやり取りの利点があり、対面には商品を手に取り、同じ場で反応を確かめられる利点があります。
大切なのは優劣を決めることではなく、何を明らかにし、何を一緒に進めたいのかに合わせて場を設計することです。 この記事では両者の違いと、こらぼたうんが現場で感じている対面の価値を整理します。
オンライン共創と対面共創、それぞれの強み
オンライン共創の強み
- 遠方や多忙な方にも参加してもらいやすい
- 継続的な意見交換や資料共有がしやすい
- テキストや共有資料を記録として残しやすい
対面共創の強み
- 商品を一緒に使い、動きや迷いを観察できる
- 何気ない発言をきっかけにその場で確かめられる
- 企業担当者と生活者が同じ体験を共有できる
こらぼたうんでもオンラインは積極的に活用しています。 ただし、試作品を使いながら考えたり、暮らしの現場を一緒に見たりする取り組みでは、対面だからこそ得られる発見があると感じています。
対面の場で生まれやすい、5つの気づき
1. 言葉になる前の迷いに気づく
商品の持ち方、手が止まる場面、使い直す動作などは、言葉だけでは見落としやすい情報です。気づいたことは推測で決めつけず、本人に理由を確かめます。
2. 安心して話せる関係をつくる
本音は、対面だから自動的に出るわけではありません。相手の話を受け止め、否定せず、話しやすい空気をつくることが前提です。
3. 言葉の意味のずれを確かめる
同じ「使いやすい」でも理由は人によって違います。実際に使う場面を見ながら、何が便利なのかを一緒に確認できます。
4. 企業担当者自身が体験する
生活者の反応を報告書で読むことと、すぐ隣で見聞きすることは同じではありません。担当者が自分の目で確かめることで、企画の見方が変わることがあります。
5. 暮らしの現場に近づける
買い物同行や自宅訪問、試作品の使用確認などでは、生活者が置かれた状況と行動を、具体的な文脈で理解できます。
※ これらは対面で必ず起きる効果ではありません。参加者との関係づくりや進行方法によって結果は変わります。オンラインでも適切な設計によって深い対話は可能です。
対話の深さを左右するのは、方法だけではありません
共創の場では、相手に向き合う姿勢、言葉や背景についての前提の共有、安心して話せる関係が欠かせません。 対面では、同じものを見たり使ったりすることで前提をそろえやすい場面があります。 しかし、これらの要素はオンラインでも大切です。
姿勢
話を最後まで聞く。相手の考えをすぐに評価しない。
前提の共有
「便利」「安心」などの言葉が何を意味するのか確かめる。
安心感
正解探しではなく、迷いや違和感も話せる場にする。
実際に使い、一緒に考え、もう一度試す
例えば、試作品について「使いやすいですか」と質問するだけでは、十分にわからないことがあります。 実際に使ってもらうと、手が止まる場所や、作り手が想定していなかった使い方が見えてきます。
そこで企業担当者も一緒に確認し、何が起きたのか、なぜそうしたのかを対話で確かめます。 気づきを持ち帰って改善し、次の機会にもう一度試す。 商品・サービスだけでなく、担当者の見方や判断が変わることも、こうした共創の価値です。
オンラインと対面を、どう使い分けるか
どちらか一方に決める前に、取り組みの目的と参加者の状況を整理します。
| 確かめたいこと | オンラインの活かし方 | 対面の活かし方 |
|---|---|---|
| 幅広い意見や継続的な声 | 遠方の参加者と定期的に対話 | 少人数で背景を深掘り |
| 試作品の使い勝手 | 画面共有・動画・事前使用の感想 | その場で使ってもらい動作を観察 |
| 言葉の意味や違和感 | 丁寧な聞き返しや個別対話 | 同じ現物・場面を見て確認 |
| 企業担当者の気づき | 記録を共有し継続的に検討 | 生活者の反応を同じ場で体験 |
| 改善後の再確認 | 短い間隔で確認を重ねやすい | 実際の使用場面で再検証 |
例えば、最初の情報収集はオンライン、試作品を一緒に扱う場面は対面、その後の改善確認は再びオンラインという組み合わせも考えられます。 方法を選ぶことより、何を発見し、次に何を変えるかを明確にすることが重要です。
対面で確かめる価値が高い3つの場面
こんな課題があるときは、対面も検討してみてください
- 感想は集まるのに、理由がわからない:実物を使う様子を観察し、その場で確かめる。
- 企業と生活者の認識がかみ合わない:同じ現物や利用場面を共有して話し合う。
- 企画はまとまったのに、社内で動き出せない:担当者も現場に参加し、何を変えるべきかを自分の言葉で考える。
まとめ|大切なのは、場を通じて何が変わるか
オンラインには、参加のしやすさや継続性という強みがあります。 対面には、同じものを使い、反応を共有しながら考えられる強みがあります。
こらぼたうんが大切にしているのは、どちらかの方法そのものではありません。 生活者とのやり取りから企業側にも気づきが生まれ、商品・サービスやその後の判断が少しずつ変わっていくことです。 目的に合った場を選び、対話と検証を重ねていきたいと考えています。
生活者との対話を、商品・サービスづくりに活かしてみませんか?
「生活者の声を聞いているけれど、企画や改善につながらない」 「オンラインと対面、どんな進め方が自社に合うのかわからない」 そんな段階からでも、一緒に考えることができます。
現状の課題や目的を伺い、無理のない取り組み方を整理します。
🗒️ コラム・運営視点 一覧へ