「調査では高評価だったのに売れない」「商品はできたが、使われ方が想定と違う」「新商品の企画が社内で進まない」。こうした悩みは、アイデアが足りないからとは限りません。
生活者視点・消費者視点の商品企画・開発では、商品の評価だけでなく、暮らしの中の使用場面、迷い、不安、選択の理由まで確かめます。その発見を企画・試作・検証・社内の判断につなげることが大切です。
この総合ガイドでは、考え方と進め方を整理し、より詳しい方法を4つの実践ガイドで紹介します。
1.生活者視点・消費者視点の商品企画・開発とは
企業が考える商品の強みと、生活者が実際に感じる価値は、必ずしも一致しません。「便利な機能」だと思っていても、使う準備が面倒で選ばれないことがあります。反対に、企業側が当たり前だと思っていた使いやすさが、生活者にとって大きな選択理由になっていることもあります。
生活者視点とは、単に要望や評価を集めることではありません。買う前・使うとき・使った後の行動や状況を理解し、商品・サービスの価値を捉え直すことです。
例えば、こんな違いがあります。
「この商品は使いやすいですか?」と評価を聞くだけでは、答えが「使いやすい」で終わるかもしれません。
一方、「いつ使うのか」「使う前に何を準備するのか」「使わなくなった日は何が起きたのか」を確かめると、改善すべき点が機能ではなく、準備や収納、伝え方にあると気づく場合があります。
ここでは、購入時の判断に注目する「消費者視点」も含め、日々の暮らしや仕事の文脈まで広く捉える意味で「生活者視点」という言葉を使っています。
2.商品企画・開発が進まなくなる4つのズレ
生活者の声を聞いているのに商品企画が前に進まないときは、次のどこに課題があるかを整理すると、取り組むべきことが見えやすくなります。
- 本音がつかめない:「良い」「欲しい」という評価は集まるが、実際の行動や迷いが見えていない。
- 検証が学びにならない:試作やテストをしても、結果が「好評・不評」で終わり、次の改善につながらない。
- 社内で判断が揃わない:企画・開発・営業・経営の視点が異なり、何を基準に進めるか決められない。
- 対話の場が機能しない:参加者が意見を出しても、価値仮説や次の行動に結びつかない。
重要なのは、すべてを一度に解決しようとしないことです。今どこで止まっているのかを見極め、必要な部分から取り組みます。
3.生活者視点の商品企画・開発を進める4つのステップ
次の4つは、商品企画や改善を考えるための基本的な流れです。必ずしも毎回この順番で進む必要はありません。課題に応じて行き来しながら、考え、試し、見直していきます。
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STEP 01
生活者の本音を、行動の背景から探る
「欲しいですか?」という評価だけでなく、どんな場面で困ったか、ほかに何を選んだか、何が不安だったかを聴きます。買い物同行や利用場面の観察が役立つこともあります。
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STEP 02
小さく試して、仮説を確かめる
見つけた気づきを仮説にし、試作品や説明方法、利用体験を小さく試します。反応の良し悪しだけでなく、「なぜそうなったか」「次に何を変えるか」を記録します。
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STEP 03
顧客の事実を共有し、社内の判断を揃える
新しい企画に意見の違いが出るのは自然なことです。生活者が何を感じ、どう行動したかを共有し、費用・リスク・判断基準・次の検証方法を具体化します。
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STEP 04
共に考える場を設計し、次の一歩につなげる
生活者と企業が一緒に考えるワークショップでは、自由に話すだけでなく、目的や問い、試してみることを共有します。参加者の見方が変わり、次の行動が生まれることも大切な成果です。
最初から全部取り組む必要はありません。 調査結果が企画につながらないならSTEP 01から、試作品の評価に迷っているならSTEP 02からというように、今の課題を入口にしてください。
4.生活者視点の商品企画・開発でよくある質問
Q.「生活者視点」と「消費者視点」は同じですか?
重なる部分は多いですが、このガイドでは、購入時の比較や選択だけでなく、使う・続ける・やめるといった生活全体の文脈まで含めて捉える意味で「生活者視点」を使っています。
Q.アンケート調査ではわからないのでしょうか?
アンケートは傾向や規模を把握するうえで有効です。ただし、回答の理由や実際の使用場面は、観察や対話を組み合わせることで理解が深まる場合があります。調査と対話は対立するものではありません。
Q.まず何から始めればよいですか?
一つの商品・サービスと一つの課題に絞り、生活者がどのような場面で選び、使っているかを確かめるところから始めるのがおすすめです。企画段階だけでなく、販売中の商品・サービスの改善にも役立ちます。
商品企画・開発の進め方に迷ったら
「生活者の声をどう企画に生かすか」「試作はしたが次に何を確かめるべきか」「社内で方向性がまとまらない」など、今の状況から一緒に整理できます。
こらぼたうんでは、生活者との対話や観察、共創セッションを通じて、商品・サービスづくりや売り方の見直しを支援しています。