素材へのこだわりを説明している。 製法や技術についても、きちんと伝えている。 品質の高さにも自信がある。
それでも生活者から、 「ほかの商品と何が違うのですか」 「自分にはどれが合うのか分かりません」 と言われてしまう。
そんなとき、 説明が足りないと考えて、 情報をさらに増やすことがあります。
しかし、伝わらない原因は、 情報量の不足とは限りません。
企業が伝えたい価値と、 生活者が商品を選ぶときに知りたい価値。 その焦点がずれている可能性があります。
価値がないのではなく、見ている場所が違うのかもしれません
企業は、自社商品について 多くの価値を知っています。
素材、製法、技術、機能、実績、 作り手の姿勢、品質管理。
どれも商品を支えている大切な価値です。
しかし生活者は、 それらの情報を知ること自体を 目的にしているわけではありません。
生活者が判断したいのは、 その商品が自分にとって どのような意味を持つのかということです。
- 自分の悩みに合っているか
- 今使っている商品と何が違うか
- 使うことで何が楽になるか
- 失敗せずに使えそうか
- 価格に見合う価値があるか
- 自分や家族の暮らしに合うか
企業が「ここを見てほしい」と考えている場所と、 生活者が「ここを知りたい」と考えている場所が違えば、 丁寧に説明しても伝わりません。
企業の説明を、決まった言葉へ置き換えればよいわけではありません
「素材へのこだわり」を 「安心」に置き換える。
「多機能」を 「毎日の不便を減らす」に置き換える。
このように企業の言葉を 生活者向けの言葉へ変えることは、 一見すると分かりやすく見えます。
しかし、素材へのこだわりが、 すべての生活者にとって 安心につながるとは限りません。
人によっては、 長く使えることが価値になるかもしれません。
家族に使わせやすいことや、 人に贈りやすいこと、 気分よく使えることに 価値を感じる場合もあります。
企業側だけで翻訳を決めてしまうと、 別のずれを生む可能性があります。
生活者が実際にどのような意味として 受け取っているかを確かめることです。
伝わらないとき、商品を変えるべきなのでしょうか
商品の違いが伝わらないとき、 新しい機能を追加したり、 パッケージを大きく変えたりすることがあります。
それが必要な場合もあります。
しかし、商品自体には問題がなく、 見せている価値の順番や焦点だけが ずれている場合もあります。
たとえば、 技術的な新しさを一番に伝えていても、 生活者が知りたいのは、 その技術によって自分の暮らしが どう変わるかということかもしれません。
多くの機能を並べていても、 生活者は、 自分が必要としている一つの用途を 見つけられずにいるかもしれません。
技術や機能の新しさ
独自技術、世界初、多機能、 高性能などを強みとして伝えます。
自分の暮らしに何が起きるか
何が楽になるか、 どんな不安が減るか、 どの場面で役立つかを知りたいと考えます。
素材や製法へのこだわり
原材料、工程、品質管理、 作り手の技術を詳しく説明します。
自分にとって選ぶ意味があるか
安心、使いやすさ、贈りやすさ、 気分の良さなど、 自分との関係を判断します。
どちらが正しいという話ではありません。
企業が持っている価値と、 生活者が判断に使っている価値を つなげることが必要です。
社内だけでは、焦点のずれに気づきにくいことがあります
商品を作った企業は、 開発の背景や技術、 一つひとつの工夫をよく知っています。
そのため、 自分たちにとって重要なことを、 生活者にとっても重要だと 考えやすくなります。
また、商品をよく知っている人には、 説明を省略しても意味が分かります。
しかし、初めて商品を見る人には、 企業内では当然になっている前提がありません。
その結果、 分かりやすいと思っていた説明が伝わらない。 強く打ち出した言葉が響かない。 本当に必要な情報が後ろに隠れてしまう。
こうしたずれは、 社内で説明文を読み返すだけでは 見つけにくいものです。
価値の焦点を確認するときの問い
- 生活者は、この商品を どのような商品だと理解しているか
- 最初に目に入った言葉や情報は何か
- どこで意味が分からなくなったか
- 他の商品と何を比べているか
- 企業が強みだと思っていることに、 実際に反応しているか
- どの説明を聞いたときに、 自分との関係が見えたか
- 商品を選ばなかった場合、 何が不足していたと感じたか
売り場や利用場面では、説明より先に反応が表れます
生活者に 「この商品の魅力は何だと思いますか」 と尋ねることも大切です。
ただし、言葉だけでは分からないことがあります。
売り場では、 どの商品で足を止めたか。 何を手に取ったか。 どこを見比べたか。 どの言葉を読まずに通り過ぎたか。
商品を使う場面では、 どの機能を実際に使ったか。 どこで迷ったか。 説明とは違う使い方をしていないか。
こうした行動を見ることで、 企業が伝えている価値と、 生活者が反応している価値の違いが 見えやすくなります。
「世界初」だけでは、自分との関係が分かりません
技術的な新しさは、 商品の大切な価値です。
しかし、それだけでは、 生活者が自分に必要な商品かどうかを 判断できないことがあります。
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「世界初」だけでは、伝わりませんでした。
ある商品では、 技術的な新しさを表す「世界初」という言葉を、 大きな価値として伝えていました。
しかし生活者との対話で見えてきたのは、 「世界初であることは分かるけれど、 自分にどんな良さがあるのか分からない」 という反応でした。
技術の価値がなかったのではありません。
技術によって、 どのような場面が変わり、 どのような不便や不安が減るのか。 生活者が判断したい価値との間に、 焦点のずれがありました。
焦点を合わせた後の判断は、一つではありません
価値のずれを確認したからといって、 必ず新しいコピーを作ればよいわけではありません。
どこでずれているかによって、 必要な判断は変わります。
確認後に考えられる判断
- 商品は変えず、 最初に見せる価値を一つに絞る
- 技術や機能の説明を、 利用場面と結びつける
- 説明の順番や見出しを変える
- 対象となる生活者や用途を絞る
- パッケージや売り場で使う言葉を見直す
- 試用や体験の機会を設ける
- 企業が強みだと思っていた部分を、 前面に出さない
- 生活者が反応している別の価値を、 選ばれる理由として整理する
- 現在の説明に大きな問題はないと判断し、 認知を広げる
- 商品そのものを改善する
大切なのは、 最初から「コピーを変える」 「パッケージを変える」 「商品を作り直す」 と決めないことです。
どの価値が伝わっていないのか。 生活者は何を判断したいのか。
そこを確認したうえで、 商品、見せ方、売り場、伝え方の どこを変えるかを決めます。
どの段階から相談できるのでしょうか
何がずれているのか、 まだ整理できていない段階から相談できます。
たとえば、次のような状況です。
- こだわりを説明しているのに、 競合との違いが伝わらない
- 機能や特徴が多く、 何を一番に伝えるべきか決められない
- 技術的な価値はあるが、 生活者にとっての意味を言葉にできない
- 商品は評価されているのに、 購入につながらない
- パッケージ、キャッチコピー、 商品説明のどこを直すべきか迷っている
- 商品を変えるべきか、 伝え方だけを変えるべきか判断できない
- 新しい訴求を決める前に、 生活者がどこに反応しているか確認したい
良さを増やす前に、価値の焦点を確かめる
良い商品なのに伝わらないとき、 商品の価値が不足しているとは限りません。
企業が伝えたい価値と、 生活者が商品を選ぶために知りたい価値が、 ずれていることがあります。
その状態で情報を増やしても、 商品の輪郭がさらにぼやける可能性があります。
まず確認したいのは、 生活者が何を見て、 何を理解し、 どこで自分との関係を感じたのかです。
そのうえで、 商品を変えるのか、 説明を変えるのか、 見せる順番を変えるのかを判断します。
すでにある価値のどこへ焦点を合わせるべきかを確かめる。
それが、良さをきちんと伝えるための出発点です。
自社商品の何を前面に出すべきか、一緒に整理しませんか
素材、製法、技術、機能、使いやすさ、 安心感、利用場面。 商品には、いくつもの価値があります。
株式会社こらぼたうんでは、 現在の商品や説明を整理し、 必要に応じて生活者との対話、 売り場での行動、 実際の利用場面を確認します。
コピーを変えることや、 商品を作り直すことを前提にはしません。
企業が伝えたい価値と、 生活者が判断に使っている価値の どこがずれているのか。
まだ何を変えるべきか 整理できていない段階からご相談いただけます。
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