生活者との対話の場に企業の担当者や意思決定者が参加し、同じテーブルで話を聞いている様子

Field Stories|CASE 027

会議室では決まらなかったことが、
現場では決まりました。

生活者の声を集めても、企画が社内で前に進まないことがあります。 そんなときは、反対している人や、最終的に判断する人にも セッションへ参加してもらいます。 同じ言葉を聞き、同じ反応を見たあとで話し合うと、 報告や説明を繰り返さなくても、その日のうちに方向性が決まることがあります。

テーマ:生活者との対話による意思決定 形式:生活者セッション+企業内ミーティング 企業名・商品名は非公開

Prologue

生活者の声を集めても、企画が前に進まないことがあります。

担当者は、生活者との対話から得た気づきを社内へ持ち帰ります。

発言を整理し、資料をつくり、 なぜ企画を進めたいのかを会議で説明します。

それでも、判断する立場の人から、 こんな問いが返ってくることがあります。

本当に、その意見を重く受け止める必要があるのでしょうか。

一部の人だけの反応ではありませんか。

今の企画を変えるほどの根拠になるのでしょうか。

判断する人が慎重になること自体は、 決して悪いことではありません。

ただ、その場にいなかった人へ、 生活者の表情や迷い、発言の背景まで 資料だけで伝えることには限界があります。

生活者の声が届いていないのではなく、 判断する人が、まだその現場を体験していないことがあります。

Scene 01

「反対している部長にも、来てもらってはどうでしょうか」

企画が社内で止まっているとき、 私たちは担当者へ、少し率直な提案をすることがあります。

その企画に反対している部長にも、生活者とのセッションへ参加してもらってはどうでしょうか。

担当者だけが生活者の話を聞き、 あとから社内で報告する形ではありません。

企画に慎重な人や、最終的に方向性を決める人にも、 同じ場へ来てもらいます。

実際に生活者の話を聞くと、 資料の中にあった「顧客の声」が、 判断できる実感のある情報へ変わっていきます。

どの言葉に力があったのか。 どこで表情が変わったのか。 何に迷い、なぜそう感じたのか。

その場にいた人同士であれば、 発言の文字だけでは伝わらない部分まで共有できます。

Scene 02

中小企業では、社長にも参加してもらうことがあります。

特に中小企業では、 最終的な意思決定をする社長にも、 生活者とのセッションへ参加してもらうことがあります。

社長自身が生活者の言葉を聞き、 商品やサービスに対する反応を目の前で見ているため、 担当者が後日、最初から説明し直す必要がありません。

あの部分は、直したほうがよさそうですね。

この方向で、もう少し具体化してみましょう。

こちらの案は、一度見送ったほうがよいかもしれません。

社長だけが一方的に決めるわけではありません。

担当者、開発担当者、営業担当者、そして社長が、 同じ生活者の言葉を聞き、同じ反応を見ています。

判断の前提がそろっているため、 誰の意見が正しいかを会議室で繰り返し争うのではなく、 次に何をするかを考えられるようになります。

Scene 03

セッションのあとに、企業の皆さんだけで話し合います。

こらぼたうんでは、 生活者とのセッションを行って終わりにはしません。

そのあとに、参加した企業の皆さんだけで 振り返りのミーティングを行います。

このミーティングにも、 生活者とのセッションと同じくらいの時間をかけることがあります。

何が一番印象に残ったのか。

これまでの想定と、何が違っていたのか。

今の企画で残すものと、変えるものは何か。

次に、何を確かめる必要があるのか。

全員が同じ場にいたため、 「生活者が本当にそう言ったのですか」 というところから説明し直す必要はありません。

「あの人が話していた場面ですね」 「私も、あの反応が気になりました」 と、共通の体験から話し合いを始められます。

生活者の言葉を報告材料にするのではなく、 その日のうちに判断材料へ変えていきます。
生活者とのセッション後に企業の担当者と意思決定者が、気づきを整理しながら方向性を話し合っている様子

Scene 04

堂々巡りの会議ではなく、次の行動を決める時間になりました。

判断する人が生活者との対話に参加していない場合、 担当者は社内で、当日の出来事を再現しなければなりません。

資料をつくり、発言を説明し、質問に答え、 ときには追加の確認や調査を求められます。

その過程で、生活者の表情や言葉の温度は 少しずつ失われていきます。

一方、判断する人も同じ現場にいれば、 セッション後の話し合いは、 「本当にそうだったのか」を確かめる会議ではなくなります。

何を残し、何を変え、次に何をするか。

前へ進むための話し合いに、 最初から時間を使うことができます。

Before

担当者が持ち帰り、何度も説明する

生活者の反応を資料にまとめ、 会議や稟議で説明します。 判断の前提がそろっていないため、 同じ論点を繰り返すこともありました。

After

同じ現場を見た人たちで、その日に決める

生活者との対話と、その後の企業内ミーティングを 一続きの場として設計し、 共通体験をもとに方向性を整理しました。

What Changed

「生活者の声を社内へ報告する」から、「判断する人も一緒に聞く」へ。

調査結果を持ち帰って合意を得るのではなく、 意思決定をする人にも生活者との対話へ参加してもらうことで、 セッション後のミーティングから、次の行動を決められるようになりました。

Scene 05

外資系企業では、マネージャーがその場で方向性を決めることがあります。

外資系企業のプロジェクトでは、 意思決定の権限を持つマネージャーが 生活者とのセッションに参加することがあります。

生活者の反応を直接確認し、 その後のミーティングにも続けて参加する。

そのため、その日のうちに プロジェクトの方向性が決まることもあります。

一方、日本企業では、 担当者が一度社内へ持ち帰り、 会議を開き、さらに稟議を通すという流れになることがあります。

もちろん、企業の規模や組織の仕組みによって、 必要な手続きは異なります。

また、外資系企業であれば必ず速く、 日本企業であれば必ず遅いということでもありません。

違いを生むのは、決める人が、判断するための現場にいたかどうかです。

日本企業でも、社長や部長が同席し、 同じ生活者の言葉を聞いた案件では、 その場で方向性が決まることがあります。

Scene 06

生活者との対話は、顧客理解のためだけではありません。

生活者とのセッションというと、 ニーズや不満、アイデアを集める場だと思われるかもしれません。

しかし、生活者から意見を集めることだけが 目的ではありません。

担当者、開発者、営業担当者、 そして意思決定をする人が、 同じ生活者の言葉を聞く。

同じ反応を見て、 同じ違和感や驚きを共有する。

その共通体験が、 社内の判断を前へ進めます。

生活者との対話は、 顧客を理解するための場であると同時に、 企業が次の行動を決めるための場でもあります。

What We Found

判断する人が現場にいると、社内の議論は前へ進みました。

資料だけでは、生活者の反応をすべて伝えられない

発言の文字だけでなく、 表情、迷い、間の取り方まで見て初めて、 判断材料として受け止められることがあります。

共通体験があると、議論の出発点をそろえられる

担当者と意思決定者が同じ場を体験することで、 事実確認を繰り返すのではなく、 次の行動について話し合えるようになります。

生活者との対話は、意思決定を速くすることもある

顧客理解だけでなく、 企画を進めるか、修正するか、見送るかを 判断する場としても機能しました。

After the Session

生活者とのセッション後、 参加した企業メンバーだけで同じくらいの時間をかけて振り返りました。 全員が同じ言葉と反応を共有していたため、 報告や事実確認から始める必要はありませんでした。 その場で気づきを整理し、企画の方向性と次に行うことを決めることができました。

生活者の声を持ち帰ったのではありません。
決める人にも、その現場へ来てもらいました。

Free Consultation

会議を重ねても決まらない企画を、生活者との対話から整理してみませんか。

こらぼたうんでは、生活者の意見を集めて報告するだけではなく、 担当者や意思決定者が同じ場で反応を確かめ、 セッション後のミーティングで次の方向性を整理するところまで伴走します。 社内で止まっている企画や、判断材料が足りずに進められないテーマもご相談ください。