Field Stories|CASE 007
売ってもらう前に、
営業にも同じテーブルに
座ってもらいました。
商品企画の段階では、企画開発担当者だけが参加し、 営業担当者には完成後に説明する。 そんな進め方は珍しくありません。 しかし今回は、生活者との共創セッションに、 営業担当者にも最初から参加してもらいました。 同じ反応を見て、同じ言葉を聞いたことで、 商品への理解だけでなく、社内の関係や販売への姿勢まで変わっていきました。
Prologue
商品をつくる人と、売る人は、同じ会社にいても見ているものが違います。
商品企画では、企画開発担当者が中心となって、 コンセプトや機能、デザイン、価格などを検討します。
商品の形がある程度決まり、 発売が近づいてから、 営業担当者へ説明することも少なくありません。
企画開発側は、 時間をかけてつくった商品の特徴や思いを伝えます。
一方、営業側が考えるのは、 実際に取引先へ持っていったときのことです。
企画開発と営業のどちらかが間違っているわけではありません。 立場が違うため、見ている課題も違うのです。
Scene 01
完成してから説明するだけでは、営業にとっては突然始まる商品です。
企画開発担当者にとって、その商品は、 長い時間をかけて考え、試行錯誤してきたものです。
しかし、完成後に初めて説明を受ける営業担当者にとっては、 その日から突然、販売を任される商品でもあります。
機能や特徴を説明されても、 なぜこの商品が必要なのか、 誰がどのような場面で選ぶのかまで、 すぐに理解できるとは限りません。
この商品は、どの売り場へ提案すればよいのでしょう。
似た商品と、どう違うと説明すればよいのでしょう。
バイヤーに聞かれたとき、何を一番に伝えればよいのでしょう。
こうした疑問が、企画開発側には 商品への否定や反対に聞こえてしまうこともあります。
反対に営業側には、 現場で売るために必要な情報が、 十分に渡されていないように感じられることがあります。
Scene 02
そこで、商品ができる前から営業にも参加してもらいました。
今回は、生活者や顧客との共創セッションに、 企画開発担当者だけでなく、 営業担当者にも参加してもらいました。
営業担当者は、後ろで見学するだけではありません。
生活者と同じテーブルに座り、 商品案や試作品を一緒に見ながら、 気になったことを尋ねます。
生活者がどこに興味を持つのか。 どの説明には反応しないのか。 どんな言葉で商品の価値を表現するのか。
企画資料だけでは分からない反応を、 営業担当者自身がその場で確かめていきました。
Scene 03
生活者の反応を見た営業から、具体的な質問が出始めました。
最初は少し様子を見ていた営業担当者も、 セッションが進むにつれて、 積極的に会話へ加わるようになりました。
普段、取引先や売り場を見ているからこそ、 企画開発担当者とは違う視点の質問が出てきます。
店頭でこの商品を見たら、最初にどこが気になりますか。
今使っている商品から、買い替えたいと思いますか。
この説明は、売り場でも分かりやすいでしょうか。
生活者から返ってくる答えを、 企画開発担当者と営業担当者が同時に聞きます。
どちらかが後から伝えるのではありません。 同じ表情を見て、同じ反応を受け取り、 その場で確認し合います。
Scene 04
部署同士の会話にも、生活者という共通の基準ができました。
企画開発と営業だけで話していると、 それぞれの経験や立場から意見を主張し合うことがあります。
企画開発側は、 商品の新しさや設計上の強みを大切にします。
営業側は、 売り場で説明しやすいか、 取引先が扱いやすいかを考えます。
そこへ生活者の反応が加わると、 会話の基準が変わります。
生活者は、この機能よりもこちらの使い方に反応していました。
この言葉なら、売り場でも伝わりやすいかもしれません。
この迷いは、商品説明の段階で解消した方がよさそうです。
誰の意見が正しいかではなく、 生活者がどう受け取ったかをもとに、 商品や伝え方を考えられるようになりました。
Scene 05
営業は、渡された商品を売る人ではなくなりました。
セッションに参加した営業担当者は、 商品の特徴を説明資料だけで理解したわけではありません。
生活者が何に迷い、 どの言葉に反応し、 何を魅力として受け取ったのかを、 自分自身で見聞きしています。
完成後に説明を受けて販売する
企画開発側がまとめた機能や特徴を理解し、 取引先やバイヤーへ説明する立場でした。
生活者の反応を知った上で、自分の言葉で伝える
商品の価値が生まれた過程を理解し、 生活者の具体的な言葉を使って提案できるようになりました。
営業担当者にとって、 その商品は誰かが企画したものではなくなります。
自分も生活者との対話に参加し、 商品の価値を一緒に見つけたという感覚が生まれます。
その当事者意識は、 販売への積極性にもつながりました。
Scene 06
バイヤーへの説明にも、生活者の言葉が加わりました。
バイヤーへ商品を提案するとき、 企業側の特徴や技術だけを説明しても、 売り場で選ばれる姿まで伝わらないことがあります。
共創セッションに参加した営業担当者は、 生活者が実際に話していた言葉や、 反応した場面を具体的に説明できます。
生活者の方は、この機能よりも、この使い方に強く反応していました。
最初はここに迷っていましたが、この説明をすると理解が深まりました。
このような生活場面で使いたいという声が複数出ています。
企業が自社商品の良さを一方的に語るのではなく、 生活者がどのように受け取ったかを伝えられます。
それによって、 バイヤーにとっても売り場や購入者の姿を 想像しやすい提案になりました。
What We Found
営業に必要だったのは、完成した商品説明ではなく、価値が生まれる現場への参加でした。
完成後に販売を任せるのではなく、 生活者の反応を一緒に見ることで、 商品への理解と当事者意識が生まれました。
企画開発と営業が立場の違いを主張し合うのではなく、 生活者がどう受け取ったかを基準に話せるようになりました。
営業担当者が生活者の言葉を直接聞くことで、 バイヤーへも具体的で説得力のある説明ができるようになりました。
営業担当者は、商品化前の共創セッションにも積極的に参加しました。 生活者の反応や言葉を自分自身で確かめたことで、 企画開発部門とのコミュニケーションが増え、 販売にもこれまで以上に前向きに取り組むようになりました。 バイヤーへの提案でも、企業側の説明だけでなく、 生活者が実際に話していた言葉を使えるようになり、 商品の価値をより具体的に伝えられるようになりました。
Free Consultation
商品をつくる人と売る人は、同じ現場を見ていますか。
商品が完成してから営業へ説明するだけでは、 生活者が感じた価値や、選ぶ理由まで十分に共有できないことがあります。 こらぼたうんでは、企画開発、営業、生活者が同じテーブルに座り、 商品の価値と伝え方を一緒に見つける場をつくります。