Field Stories|CASE 010
商品を棚に戻した、
その瞬間に理由を聞きました。
買い物同行の途中、生活者がある商品を手に取りました。 パッケージを見て、少し考え、購入するか迷っているようでした。 しかし、最後には商品を棚へ戻しました。 その様子を見ていた企業担当者は、 なぜ買わなかったのかを、その場で確かめました。 そこには、会議室では見つけられなかった大切なヒントがありました。
Prologue
選ばれた理由だけを聞いていても、見つからないことがあります。
商品について生活者へ尋ねると、 購入した理由や、気に入っている点を聞くことができます。
それらは、商品を理解するうえで大切な情報です。
しかし、売り場では、 商品を見た人のすべてが購入するわけではありません。
一度手に取ったのに買わなかった人。 興味を示したのに、最後には棚へ戻した人。
買い物同行では、 その瞬間の行動を目の前で見ることができます。
Scene 01
売り場では、言葉より先に行動が現れます。
生活者と企業担当者が、 一緒に売り場を歩いていました。
何を探しているのかを細かく質問するのではなく、 普段の買い物に近い状態で商品を見てもらいます。
生活者は棚を眺め、 気になる商品があると足を止めました。
パッケージを見たり、 商品を手に取ったり、 隣の商品と比べたりします。
その行動の中には、 本人もまだ言葉にしていない判断が現れています。
Scene 02
ある商品を手に取り、少し迷っているように見えました。
売り場を歩いている途中、 生活者が一つの商品に目を留めました。
商品を棚から取り、 正面を見て、 裏面の説明も確認しました。
すぐには戻さず、 しばらく手に持ったまま考えていました。
興味がないわけではありません。 購入候補には入っているように見えました。
少し気になります。
良さそうだとは思うのですが。
買うかどうか、少し迷います。
しかし、生活者は最後に、 その商品を棚へ戻しました。
Scene 03
企業担当者は、その行動を見逃しませんでした。
商品が棚へ戻された直後、 企業担当者は生活者へ尋ねました。
時間がたってから、 「なぜ買わなかったのですか」と尋ねたのではありません。
迷いが生まれた直後だからこそ、 そのとき考えていたことを具体的に振り返ることができました。
生活者は、商品に興味を持った理由と、 最後に購入をやめた理由を話しました。
それは、単に「欲しくなかった」ということではありませんでした。
商品の良さは感じていたものの、 購入を決めるために必要な何かが、 最後まで十分には伝わっていなかったのです。
Scene 04
「買わなかった理由」は、後から整理された答えとは違いました。
後日のアンケートで、 買わなかった理由を尋ねることもできます。
しかし、時間がたつと、 生活者自身も判断の細かな流れを忘れてしまいます。
その結果、 「価格が少し高かった」 「今回は必要なかった」 「何となく買わなかった」 といった答えに整理されることがあります。
今回は、商品を棚へ戻した直後に確認しました。
そのため、どこまでは魅力を感じ、 どの時点で迷いが強くなり、 最後に何が購入を止めたのかを、 より具体的に聞くことができました。
興味を持たれなかったのではなく、最後の一歩を越えられなかった。
商品を手に取ったということは、 何らかの関心や期待が生まれていたということです。 それでも購入に至らなかった背景には、 商品の価値が伝わる途中で生まれた迷いや、 判断を止める要因がありました。
Scene 05
その一言が、企業にとって大きな改善のヒントになりました。
生活者が話した内容を聞き、 企業担当者は、 商品の見え方について新しい視点を得ました。
企業側が伝えているつもりだったことと、 売り場で生活者が理解できていることには、 差がありました。
商品の特徴を増やすことが必要なのではなく、 購入を迷ったときに、 生活者が何を確認したいのか。
その情報が、 どこに、どのような言葉で示されているべきなのか。
改善すべき点を、 商品を棚へ戻した瞬間の理由から考えられるようになりました。
買わなかった人は、商品に関心がなかった
購入されなかったという結果だけを見て、 商品への関心や必要性が低かったと考えていました。
興味はあったが、購入を止める理由があった
手に取るまでに生まれた期待と、 棚へ戻すまでに生まれた迷いを分けて考えるようになりました。
Scene 06
売り場には、答えではなく、判断の途中があります。
会議室で商品について尋ねると、 生活者は考えを言葉で説明してくれます。
一方、実際の売り場では、 言葉になる前の迷いや判断が、 手の動きや視線、立ち止まる時間に現れます。
商品を手に取る。 説明を見る。 隣の商品と比べる。 少し迷う。 そして棚へ戻す。
その一連の行動を見ながら、 適切なタイミングで理由を確かめることで、 購入に至らなかった背景を具体的に理解できます。
それが、 今回の買い物同行から得られた大きな気づきでした。
What We Found
商品を棚へ戻した数秒間に、選ばれるためのヒントがありました。
購入されなかったとしても、 一度手に取られた商品には、 生活者の興味や期待を生んだ要素がありました。
判断した直後に確認することで、 後から整理された答えではなく、 購入を止めた瞬間の理由を聞くことができました。
商品への関心がなかったのではなく、 最後の一歩を止める要因があったと捉えることで、 改善の方向が見えてきました。
企業担当者は、購入されなかったという結果だけではなく、 生活者が商品を手に取り、迷い、棚へ戻すまでの過程に 注目するようになりました。 その瞬間に理由を確認したことで、 商品の改善や伝え方を考えるうえでの 大切なヒントを得ることができました。
Free Consultation
お客様が購入をやめた瞬間を、見たことがありますか。
選ばれた理由だけを聞いていても、 商品を手に取った人が最後に購入しなかった理由は見えてきません。 こらぼたうんでは、生活者との買い物同行を通じて、 売り場で生まれる迷いや判断の変化を一緒に確かめます。