Field Stories|CASE 026
「おいしい」は、
食べる場面で変わっていました。
試食では、多くの食品が「おいしい」と評価されます。 しかし、実際に選ばれるかどうかは、 朝なのか夜なのか、一人なのか家族となのか、 普段なのか特別な日なのかで変わっていました。 企業が見ていたのは味の評価。 生活者が見ていたのは、暮らしのどの時間に入る食品なのかということでした。
Prologue
「おいしいです」という言葉だけでは、選ばれる理由は分かりませんでした。
食品の試食では、 多くの参加者が最初に「おいしい」と答えます。
味に大きな問題があるわけではない。 香りも食感も、一定の評価を得ている。
それでも、 実際の購入や継続利用につながらないことがあります。
その一言から、 味とは別の判断が見え始めました。
Scene 01
企業は、食品そのものを評価してもらおうとしていました。
セッションでは、 味、香り、食感、量、価格について意見を聞いていました。
甘さはちょうどよいでしょうか。
この食感は好まれそうでしょうか。
また食べたいと思いますか。
この価格なら買いたいと思いますか。
どれも、食品開発では欠かせない問いです。
ただし、 食品を商品単体で評価してもらうだけでは、 実際の暮らしの中で選ばれる場面までは見えてきませんでした。
Scene 02
同じ人でも、食べる時間が変わると答えも変わりました。
「いつ食べたいですか」と尋ねると、 参加者の答えは少しずつ具体的になりました。
朝には少し重いですが、夜なら食べたいです。
仕事の合間には多いですが、休日のおやつならちょうどよいです。
一人では買わないけれど、家族で分けるならよいと思います。
普段使いには高いですが、来客時なら選びたいです。
商品への評価が変わったのではありません。
食べる場面との組み合わせによって、 「選ぶ」「選ばない」が変わっていたのです。
Scene 03
「おいしいか」ではなく、「どの時間に入るか」を考えました。
企業側は、 食品の品質や完成度を確かめようとしていました。
生活者は、 その食品を自分の一日のどこへ入れられるかを考えていました。
味、香り、食感、量、価格など、 食品単体の完成度を中心に確認していました。
朝食、間食、夕食、休日、来客時など、 どの時間なら選びやすいかを考えていました。
食べる場面の数だけありました。
Scene 04
場面が変わると、量も価格も意味が変わりました。
同じ食品でも、 利用場面によって評価される要素は変わります。
手早く食べられるか、 重すぎないか、 準備や片づけに時間がかからないかが重視されました。
少量でも満足できるか、 自分のために買いやすい価格かが判断されていました。
人数に合う量か、 子どもから大人まで一緒に食べられるかが見られていました。
普段より高くても、 見栄えや話題性、分けやすさが価値になっていました。
Scene 05
「また食べたい」は、いつ食べたいかまで聞いて初めて意味を持ちました。
参加者が「また食べたい」と言っても、 その言葉だけでは購入場面は分かりません。
どの時間に、 誰と、 どのような気分で食べたいのか。
そこまで聞くと、 生活者が商品を選ぶ具体的な条件が見えてきました。
仕事が終わった後のご褒美なら食べたいです。
友人が来たときに出せるなら買いたいです。
子どもが寝た後に、少しだけ食べたいです。
休日の朝に家族で食べるなら、この量でもよいと思います。
Scene 06
味を変える前に、届ける場面を見直しました。
対話のあと、 企業側は商品そのものだけではなく、 どの場面で提案するかを考えるようになりました。
食品の価値は、暮らしのどの時間に置くかで変わる。
朝食向けなのか、 一人のおやつなのか、 家族で分ける食品なのか、 来客や特別な日のための商品なのか。 利用場面を明確にすることで、 量、容器、売り場、コピーの見直しにつながりました。
味が悪かったわけではありません。
生活者が選びやすい場面が、 まだはっきり伝わっていなかったのです。
商品を変える前に、 その商品が活きる時間を考える。
企業側の問いが変わりました。
Scene 07
食べる場面が見えると、売り場や伝え方も変わりました。
利用場面が明確になると、 商品の提案方法も具体的になります。
朝の忙しい時間に選ばれるなら、準備の簡単さを伝える。
夜のご褒美なら、少量でも満足できる価値を伝える。
家族で分けるなら、人数や食卓での使いやすさを伝える。
来客時なら、見栄えや話題性を伝える。
商品の特徴を並べるだけではなく、 生活者が自分の暮らしを想像できる伝え方へ変わっていきました。
「この時間に食べたい食品」へ。
What We Found
食品は、味だけでなく、暮らしのどの時間に入れるかで選ばれていました。
高い味評価が得られても、 食べる場面が想像できなければ購入にはつながりません。
朝、夜、休日、来客時など、 時間と目的が変われば量や価格の受け止め方も変わりました。
利用場面を明確にすることで、 容量、容器、売り場、コピーの改善点が見えてきました。
食品の試食では、 「おいしい」という好意的な反応が多く得られます。 しかし、実際に選ばれるかどうかは、 その食品が生活者のどの時間に入るかによって変わります。 こらぼたうんは、味の評価だけでなく、 いつ、誰と、どのような気分で食べるのかまで対話から確かめ、 商品と暮らしがつながる場面を一緒に探します。
Free Consultation
食品が、生活者のどの時間に選ばれるのかを一緒に確かめてみませんか。
試食では評価が高いのに売れない。 味には自信があるのに、継続購入につながらない。 そのようなときは、味そのものだけでなく、 朝食、間食、家族の食卓、来客時など、 具体的な利用場面を生活者と一緒にたどることで、 商品開発や伝え方の新しい手がかりが見つかることがあります。