セグメンテーション(STP分析)とは?意味・進め方・共創マーケティングとの違いを解説
セグメンテーションとは、市場や顧客を共通点によって分ける考え方です。 STP分析では、Segmentation(市場細分化)→ Targeting(狙う市場の選定)→ Positioning(自社の立ち位置づくり)の流れで、 「誰に、どんな価値を、どのような位置づけで届けるか」を整理します。
🔍 深掘り記事(STPの限界と共創の視点)
STP戦略の基本を押さえたうえで、なぜ今、生活者との対話や共創による価値づくりが重要になっているのかを整理した記事です。
深掘り記事を読むセグメンテーションの定義
セグメンテーション(Segmentation)とは、市場や顧客を共通する特徴によって区分するプロセスです。 年齢、性別、地域、所得、購買行動、価値観、利用シーン、課題などをもとに、市場をいくつかのまとまりに分けます。
たとえば、同じ飲料市場でも、「スポーツ時に飲む人」「リラックス時に飲む人」「美容や健康を意識して選ぶ人」では、 求める価値や反応する言葉が異なります。 セグメンテーションは、こうした違いを整理し、マーケティングの方向性を決めるために使われます。
簡単に言えば、セグメンテーションとは「市場を意味のあるまとまりに分けること」です。
ただし、分けること自体が目的ではありません。 どの顧客層に、どんな価値を届けるかを考えるための出発点です。
STP分析とは
STP分析とは、マーケティング戦略を考えるための基本的な枠組みです。 STPは、Segmentation、Targeting、Positioningの頭文字を取ったものです。
Segmentation:市場を分ける
顧客の属性、行動、価値観、利用シーン、課題などをもとに、市場をいくつかのセグメントに分けます。
Targeting:狙う顧客層を決める
分けた市場の中から、自社が最も価値を届けやすく、事業として成立しやすい顧客層を選びます。
Positioning:選ばれる立ち位置をつくる
競合と比較したときに、自社の商品やサービスがどのような価値で選ばれるのかを明確にします。
STP分析の本質は、市場を分けることではなく、「誰に、どんな価値で選ばれるか」を決めることです。
セグメンテーションの主な切り口
セグメンテーションでは、目的に応じてさまざまな切り口を使います。 よく使われるのは次のような分類です。
属性による分類
年齢、性別、家族構成、所得、職業、居住地などで分ける方法です。 分かりやすい一方で、属性だけでは選ぶ理由まで見えにくいことがあります。
行動による分類
購買頻度、利用状況、購入場所、情報収集方法、リピート状況などで分ける方法です。 実際の行動に基づくため、施策に落とし込みやすくなります。
心理・価値観による分類
こだわり、重視点、不安、理想の暮らし、ブランドへの共感などで分ける方法です。 メッセージや商品コンセプトを考えるうえで重要です。
利用シーンによる分類
いつ、どこで、誰と、どんな目的で使うかによって分ける方法です。 生活者視点の商品開発や売り場づくりに役立ちます。
STP分析の実務での活用例
STP分析は、商品開発、広告、販促、営業戦略、ブランドづくりなど幅広い場面で活用されます。
- 化粧品市場:年齢層、肌質、価格帯、悩み別に市場を分け、狙う顧客層と訴求を明確にする。
- 飲料市場:健康志向、リラックス、スポーツ、美容目的などの利用シーンで分け、広告やパッケージを変える。
- BtoBサービス:業種、企業規模、課題、導入意欲、決裁プロセスで分け、提案内容を変える。
- 地域商品:観光客、地元客、ギフト需要、日常利用などで分け、売り場や伝え方を変える。
例:清涼飲料水の場合
市場を「スポーツ時」「リラックス時」「美容目的」「健康維持」などで分けます。 そのうえで、「スポーツ時に飲みたいが、糖分は控えたい」というセグメントを狙う場合、 商品設計やパッケージ、広告コピーは「水分補給」「軽さ」「糖分控えめ」といった方向に絞りやすくなります。
STP分析でよくある失敗
STP分析は便利な枠組みですが、使い方を間違えると、机上の整理で終わってしまうことがあります。
- 属性だけで分けてしまう:「30代女性」などで止まり、なぜ選ぶのかが見えない。
- 細分化しすぎる:セグメントを細かくしすぎて、市場規模や実行可能性が不足する。
- ターゲットを広く取りすぎる:誰にでも向けようとして、結局誰にも刺さらない。
- ポジショニングが競合比較だけになる:生活者にとっての意味や選ぶ理由が弱くなる。
- 一度決めたSTPを更新しない:顧客の意識や市場環境の変化に合わなくなる。
STP分析は、きれいな表を作ることが目的ではありません。
顧客の選ぶ理由を理解し、商品・売り場・伝え方へ落とし込むために使うことが重要です。
STP分析と共創マーケティングの関係
STP分析は、マーケティング戦略を整理するうえで今も有効な考え方です。 一方で、生活者の価値観や購買行動が複雑になっている現在では、 企業側だけで市場を分け、狙いを定め、ポジションを決めるだけでは不十分なことも増えています。
特に、商品やサービスが同質化している市場では、 既存の属性や競合比較だけでは「なぜ選ばれるのか」が見えにくくなります。 そこで重要になるのが、生活者との対話や観察を通じて、実際の使用文脈や感情を捉える共創マーケティングの視点です。
STPで市場を整理し、共創で選ばれる理由を深める。 この組み合わせによって、戦略の整理と生活者理解をつなげやすくなります。
こらぼたうんでは、STP分析を否定するのではなく、 その上に生活者との対話や共創を重ねることで、 机上のターゲット設定では見えない「選ばれる理由」を育てていくことを重視しています。
FAQ
- Q. セグメンテーションは細かいほど良いですか?
- A. いいえ。細かく分けすぎると市場規模が小さくなり、事業として成立しにくくなることがあります。 実行可能性や収益性とのバランスが重要です。
- Q. STP分析とマーケティングミックス(4P)はどう違いますか?
- A. STP分析は「誰に、どんな価値を、どのような立ち位置で届けるか」を決める戦略設計です。 4Pは、Product、Price、Place、Promotionの視点で「どう提供するか」を設計する実行施策です。
- Q. STP分析はもう古い考え方ですか?
- A. STP分析は今でも有効です。 ただし、企業側だけで顧客を分類し、決めつけるとズレが生まれやすくなります。 生活者との対話や観察を組み合わせて、実際の選ばれる理由を確認することが重要です。
- Q. 共創マーケティングとはどう組み合わせればよいですか?
- A. STPで市場や顧客層を整理し、共創マーケティングで生活者の本音や使用文脈を深めます。 その結果、単なるターゲット設定ではなく、商品・売り場・伝え方に活かせる「選ばれる理由」が見えやすくなります。
📌 次に読むなら(STPの限界と共創の視点)
STP分析だけでは見えにくい、生活者の本音や選ばれる理由を、共創マーケティングでどう補うかを詳しく解説しています。
深掘り記事を読む👉 他の用語も調べたい方はこちら