Field Stories|CASE 013
完成していないからこそ、
暮らしの中で試してもらいました。
企業が持ってきたのは、まだ形も使い方も固まっていない、 とてもラフな試作品でした。 その場で感想を聞いて終わるのではなく、 生活者に次回のセッションまで持ち帰ってもらい、 実際の暮らしの中で使ってもらうことにしました。 次に集まったとき、持ち寄られたのは意見だけではありません。 使った場面、使わなかった理由、置き場所、家族の反応まで含めた、 暮らしの中での体験でした。
Prologue
その場で触った感想だけでは、分からないことがありました。
企業が新しい商品やサービスを考えるとき、 試作品を生活者に見せて感想を聞くことがあります。
見た目はどうか。 使いやすそうか。 興味を持つか。
その場でも、さまざまな意見は出ます。
しかし、数分触っただけでは見えてこないこともあります。
そこで今回は、試作品をその場だけで評価するのではなく、 生活者の暮らしの中へ持ち帰ってもらうことにしました。
Scene 01
企業が持ってきたのは、まだ途中段階の試作品でした。
セッション当日、テーブルの上に置かれたのは、 完成品にはまだ遠い、ラフな試作品でした。
見た目も整っておらず、 素材や形状、使い方にも検討の余地が残っていました。
企業側も、すべてを決めていたわけではありません。
この形で、本当に使いやすいでしょうか。
暮らしの中では、どこに置かれるのでしょうか。
私たちが想定している使い方以外にも、何かあるでしょうか。
完成していないからこそ、 生活者の体験を受けて変えられる余地が残っていました。
Scene 02
「次回まで、普段の暮らしの中で使ってみてください」
セッションの終わりに、 参加者へ試作品を渡しました。
次のセッションまで、 自宅で実際に使ってもらうためです。
使った場面だけを記録する必要はありません。
使おうと思ったけれど使わなかったとき。 置き場所に迷ったとき。 家族が興味を示したとき。 何度か使ううちに印象が変わったとき。
そうした小さな出来事も、 次回の対話へ持ち寄ってもらうことにしました。
完成前のラフな試作品を、 生活者の自宅へ持ち帰ってもらいました。
日常生活の中で、 無理に条件を整えず普段どおりに使ってもらいました。
使用場面や使わなかった理由、 家族の反応などを次回共有しました。
暮らしの中で起きたことをもとに、 企業と生活者が改良点を検討しました。
Scene 03
想定していた使い方とは、少し違っていました。
次のセッションで、 参加者は試作品を使った体験を持ち寄りました。
企業側が想定していたのは、 ある決まった場面で使われることでした。
ところが、参加者の話を聞くと、 実際には別の場面で使われることが多くありました。
家族がいるときより、一人のときによく使いました。
最初に考えていた場所ではなく、別の場所へ置きました。
自分よりも、家族のほうが先に興味を持ちました。
その場で見ただけでは出てこなかった使われ方が、 日常生活の中からいくつも見つかりました。
Scene 04
「使わなかった場面」にも、改善のヒントがありました。
試作品を使った場面だけではなく、 使わなかった場面にも目を向けました。
目に入っていたのに手に取らなかった。 使おうと思ったけれど、準備が面倒に感じた。 家族がいたため、別の方法を選んだ。
使われなかった理由は、 商品への不満としては出てきません。
しかし、その行動の中には、 実際の暮らしに合っていない部分が表れていました。
使った感想だけではなく、使われなかった理由まで確かめる。
生活者が試作品を評価するのではなく、 実際の暮らしの中で何が起きたのかを一緒に振り返りました。 その結果、企業が想定していなかった障壁や使い方が見えてきました。
Scene 05
企業は、暮らしの中で起きたことを持ち帰りました。
セッションで出た意見は、 報告書にまとめて終わりにはしませんでした。
企業は、生活者が実際に使った場面や、 使わなかった理由、家族の反応を持ち帰りました。
そして、試作品の形状や使い方、 置き場所、説明の仕方をもう一度見直しました。
その場で触ってもらい、使いやすさを確かめる
短時間の使用感や第一印象を中心に、 試作品への評価を聞こうとしていました。
暮らしの中で起きたことから、次の形を考える
日常生活の中での使用場面や行動をもとに、 商品の形や伝え方を見直しました。
Scene 06
改良した試作品を、もう一度同じ人たちと確かめました。
企業は、持ち帰った体験をもとに試作品を改良しました。
次に確認したのは、 前回とは別の参加者ではありません。
最初の試作品を実際に使い、 暮らしの中で感じたことを話してくれた、 同じ生活者でした。
前回より、置き場所に迷わなくなりました。
使い始めるまでの手間が少なくなっています。
良くなりました。でも、ここはまだ少し気になります。
前回の体験を知っているからこそ、 何が変わり、何がまだ残っているのかを確かめられました。
使う、話す、改良する。その往復の中で育っていきました。
What We Found
暮らしの中で使った時間が、次の対話を深くしました。
日常生活の中へ持ち帰ったことで、 企業が想定していなかった場面や使い方が見えてきました。
手に取らなかった場面や途中でやめた行動から、 暮らしに合っていない部分を確かめられました。
前回の試作品を知る参加者が再び確認することで、 改良された点と残った課題を具体的に共有できました。
試作品を見せて感想を聞いたのではありません。 生活者が暮らしの中へ持ち帰り、実際に使った体験を次回へ持ち寄りました。 企業はその体験をもとに改良し、再び同じ参加者と確かめました。 商品の形だけではなく、使われる場面や届け方まで、 継続する対話の中で少しずつ見直されていきました。
Free Consultation
完成する前に、生活者と一緒に確かめてみませんか。
試作品や企画がまだラフな段階でも構いません。 生活者に実際の暮らしの中で使ってもらい、 その体験を次の企画や改善へつなげます。 単発で感想を聞くのではなく、継続的な対話の進め方もご相談いただけます。