従来のSTPではもう限界?/共創マーケティングが選ばれる理由

実務の位置づけは 価値共創マーケの基本と導入ガイド をご参照ください。

■ はじめに:なぜ今「STPの限界」が語られるのか?

STP戦略(Segmentation・Targeting・Positioning)は、マーケティングの土台として広く使われてきました。 しかし、生活者が情報発信者・選択者・共創者として主導権を持つようになった今、この古典的なモデルだけでは通用しない場面が増えています。

本記事では、STPの限界点を整理しながら、なぜ「共創マーケティング」が選ばれるのかを解説していきます。

■ STPの限界①:「セグメント」に生活者が収まらなくなった

STP戦略では、「30代女性」や「高校生男子」などの属性で顧客を分類します。 しかし現代は、同じ属性でも価値観やライフスタイルが多様化しており、単純なセグメントでは顧客像を捉えきれません。

「30代女性」でも、自然派志向の人もいれば、ガジェット好きな人もいます。
このように、属性ベースの区分けでは顧客の“文脈”や“動機”を読み取れない時代になっています。

■ STPの限界②:「ターゲット設定」が“排除”を生む

STPのT(ターゲティング)は本来「誰に届けるか」を明確にするための設計です。 しかし現実には、「誰に届けないか」の選別=排除の構造になりがちです。

たとえば「若者向け」と言えば、高齢者層は除外され、「富裕層向け」と言えば庶民感覚と距離ができます。
ターゲティングは共感ではなく、“区別と線引き”を前提としたアプローチなのです。

■ STPの限界③:「ポジショニング」だけでは心に届かない

差別化のためのP(ポジショニング)では、「競合より安い」「性能が高い」といった比較軸が重視されます。 しかし今の生活者は、スペックや価格だけでは動かないという実態があります。

生活者が求めているのは「このブランドを選ぶ意味」や「共感できる価値観」といった、文脈的で情緒的な要素です。 STPでは、その“意味”を十分に伝えることが難しいのです。

■ 共創マーケティングとは? “共感と関係性”で選ばれる時代へ

共創マーケティング(Co-Creation Marketing)とは、顧客を“ターゲット”ではなく“共創パートナー”と捉え、 一緒に価値を創り、育てていくマーケティング手法です。

  • 対話:アンケートではなく対話から本音を引き出す
  • 共感:属性でなく価値観でつながる
  • 関係性:売って終わりでなく、一緒に育てる

これにより、STPでは拾えなかった“意味”や“つながり”をマーケティングに取り込むことが可能になります。

■ STPと共創マーケティングの違いを表で比較

STPマーケティングは「分けて、狙って、差別化する」という一方向的な設計で顧客にアプローチする考え方です。一方、共創マーケティングは、「一緒に考え、一緒につくり、一緒に育てていく」という関係性を軸にしたアプローチです。

以下の表では、両者の視点の根本的な違いを比較しています。それぞれが前提としている「顧客との関わり方」がいかに異なるかをご覧ください。

STPマーケティング 共創マーケティング
属性で区分け(年齢・性別など) 価値観・共感でつながる関係性
顧客はターゲット 顧客は共創パートナー
差別化=競合との比較 共鳴・共感=文脈の創出
企業が一方的に届ける 生活者と一緒に育てる

このように、STPでは「効率よく届けること」に重きが置かれていますが、共創マーケティングでは「意味を共有しながら価値を共につくること」が主眼です。

今後ますます重要になるのは、短期的な反応を引き出すことではなく、中長期的に選ばれ続ける関係性の構築です。顧客を「狙う対象」ではなく「共に未来を築く存在」として捉えることが、これからのマーケティングの鍵となるでしょう。

■ なぜ共創が「選ばれるマーケティング」になるのか?

  • 生活者が情報の主体者になった
    SNSやレビューサイトの普及により、企業が情報をコントロールする時代は終わりました。 「一緒につくる」姿勢が信頼と支持を生みます。
  • 差別化の軸が「意味」に移ってきた
    商品力や価格ではなく、「誰と、どんな想いで創ったか」が競争力の源になります。
  • 社内のエンゲージメントも高まる
    部門横断で共創に関わることで、社員のモチベーションと創造性が向上します。

■ 具体的な共創マーケティングの実践例

  • 共創ワークショップ:顧客や社内メンバーと商品アイデアを共創
  • インサイトボード:顧客の声を“気づきの種”として社内に掲示
  • 共創型レビュー:体験を共有・改善に活かすサイクルの設計

■ まとめ:マーケティングは「関係性の時代」へ

顧客は「ターゲット」ではなく、「共に創るパートナー」です。
一方的に“届ける”のではなく、一緒に“育てる”マーケティングへ──。
それが、共創マーケティングが選ばれる最大の理由です。

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