共創ファシリテーション決定版 設計テンプレ・進行台本・準備チェック・事例・FAQ

共創ワークショップ・ファシリテーション|実務ガイド

共創の場は、人を集めて話し合うだけでは生まれません。 目的を共有し、立場の異なる人が安心して話せる関係をつくり、気づきを次の行動につなげることが大切です。

このガイドでは、生活者・企業・パートナーが参加する場を想定し、目的設定、設計、4時間の進行例、準備物、ワークシート、振り返りを紹介します。

このページの役割

「実践ガイド④」が社内で企画と検証計画を整理する90分の進行例を扱うのに対し、こちらは生活者を含む参加者が体験や気持ちを持ち寄る共創の場づくりに重点を置いています。時間配分や進め方は、目的と参加者に応じて調整してください。

参加者がテーブルを囲んで考える共創ワークショップの様子
共創の対話や場づくりを考えるためのイメージ

共創ファシリテーションとは

共創ファシリテーションとは、顧客・社員・パートナーなど、立場の異なる人たちが一緒に考える場を、 目的に合わせて設計し、安心して対話できるように進めること です。

ただ意見を集めるのではなく、対話を通じて 課題の見直し・顧客理解の深まり・具体的な次の一手 を引き出すことが重要です。

使いどころ

向いている場面

  • 新商品・新サービスの方向性を探りたいとき
  • 顧客体験の改善点を、現場感覚から見つけたいとき
  • 部署横断で認識をそろえながら、具体案をつくりたいとき
注意点

向いていない場面

  • 結論だけを短時間で決める承認会議
  • すでに方針が固まっていて説明だけしたい場
  • 参加者に安心して話せる空気がない状態のまま開く場

目的の決め方

共創の場が散漫になりやすい最大の理由は、 「今日は何を持ち帰る場なのか」が曖昧なまま始まること です。 まずは次の4点を決めるだけでも、進行の質がかなり変わります。

項目 考える内容
主目的 例:顧客インサイトの発見、新商品アイデアの整理、体験改善の方向出し
持ち帰りたい成果 例:アイデア3案、気づきの整理、次回までの小実験案
参加者 例:顧客、社員、営業、企画担当、支援者など
実施形態 対面/オンライン/ハイブリッド

基本設計の考え方

最初から完璧なワークショップを目指す必要はありません。むしろ、 少人数・短時間・次の一手が決まる設計 の方が、中小企業では回しやすいことが多いです。

基本

人数と時間

  • 3〜6人×1〜3グループ程度が扱いやすい
  • 初回は60〜120分でも十分
  • 長くやるより、次の実験が決まることが大切
進め方

基本の流れ

  • 目的共有
  • 体験や困りごとの共有
  • アイデアの発散
  • 絞り込み
  • 次の一手を決める

進行スケジュール例(4時間)

4時間の例を載せていますが、初回は一部だけ抜き出して短く行っても構いません。 重要なのは、 発散だけで終わらず、最後に何を試すかまで決めること です。

時間 内容 目的 補足
13:00〜13:15 オープニング・アイスブレイク 緊張をほぐす 自己紹介や簡単な一言共有
13:15〜13:30 目的・背景共有 今日のゴールをそろえる なぜ一緒に考えるのかを明確にする
13:30〜14:00 体験・困りごとの共有 現場感覚を出す 顧客の体験談や違和感を拾う
14:00〜14:45 アイデア発散 自由に案を広げる 付箋、連想、組み合わせなど
14:45〜15:00 休憩 リフレッシュ 雑談も大事な時間
15:00〜15:45 絞り込み・磨き込み 次の一手を決める 実現性と共感の両面で見る
15:45〜16:30 共有・発表 視点を広げる グループごとの発表と質疑
16:30〜17:00 振り返り・クロージング 次へつなぐ 感想と次回までのアクションを確認

準備物チェック

  • 会場またはオンライン環境(Zoom、マイク、画面共有など)
  • 付箋、模造紙、マーカー、タイマー
  • ワークシートや共有用のボード
  • 写真・音声・メモなどの記録手段
  • 終了後の共有方法(Google Drive、Notion など)

ワークシート例

ワークシートは凝りすぎるより、 何を見て、何を残したいのか がわかることが大切です。

ワークシート1:体験の共有

  • 感じたこと
  • 困ったこと
  • 嬉しかったこと
  • あったらいいなと思ったこと

ワークシート2:アイデアの広がり

  • キーワード
  • 解決したいこと
  • 試してみたい案

ワークシート3:選定マトリクス

実現しやすい 難しい
インパクト大 〇 △
インパクト小 △ ✕

振り返りと記録

共創の場は、終わった瞬間よりも、 その後どう残し、どう次につなげるか で価値が変わります。

  • 印象に残った発言
  • 見えてきた違和感や気づき
  • 次に試す小さなアクション
  • 場づくりや進行の改善点

FAQ

Q. 何人くらいが適切ですか?
4〜6名ほどの小グループが、発散と共有のバランスを取りやすくおすすめです。
Q. オンラインでもできますか?
可能です。進行役・記録役・時間管理役を分けると、オンラインでも進めやすくなります。
Q. 成果はどう持ち帰ればよいですか?
「次に何を試すか」を一文で明確にし、翌週までの小実験に落とすと定着しやすくなります。

共創の場づくりを、自社に合った形で考えたい方へ

「生活者とどのように対話を始めるか」「社内の担当者も参加できる場にしたい」「話し合いを商品・サービスの改善につなげたい」など、まだ進め方が決まっていない段階でもご相談いただけます。

商工会・商工会議所・金融機関など、中小企業支援機関の方からのご相談にも対応しています。 支援機関向けのご案内