Field Stories|CASE 025
商品の話をしていたはずが、
家族の話ばかりになりました。
味、香り、量、価格。 食品について尋ねていたはずなのに、 参加者から出てきたのは子どもや夫、親の話でした。 生活者は自分一人の好みではなく、 家族が食べるか、続けられるか、食卓になじむかまで考えて、 商品を選んでいました。
Prologue
「あなたはどう思いますか」と聞くたび、返ってきたのは家族の話でした。
食品の試食をしながら、 味や香り、食感、量について感想を聞いていました。
企業側が知りたかったのは、 その商品を生活者本人がどう評価するかということでした。
ところが、参加者から返ってきたのは、 自分自身の感想だけではありませんでした。
その一言をきっかけに、 商品の話は少しずつ家族の話へ変わっていきました。
Scene 01
企業は、目の前の参加者を一人の消費者として見ていました。
企業側では、 食品の味や品質に対する評価を確かめようとしていました。
この味は好まれるだろうか。
甘さや濃さは適切だろうか。
量や価格に納得してもらえるだろうか。
また買いたいと思ってもらえるだろうか。
どれも大切な問いです。
ただし、その場にいる参加者が、 自分一人のためだけに商品を選ぶとは限りませんでした。
Scene 02
主婦の参加者は、食べながら子どもの顔を思い浮かべていました。
食品に関するセッションでは、 特に子どもの話がよく出てきます。
この食感だと、子どもは苦手かもしれません。
朝は時間がないので、子どもが一人でも食べられる形がいいです。
私はこの味が好きですが、家族みんなで食べるには少し濃いですね。
子どもが食べてくれるなら、この価格でも買いたいです。
生活者は、 自分がおいしいと思うかだけで判断していませんでした。
子どもが食べるか。 残さないか。 毎日の食卓で出しやすいか。 家族の誰かだけ別のものを用意しなくてよいか。
目の前の商品を、 家族との暮らしの中へ置きながら考えていました。
Scene 03
購入者一人の評価だけでは、選ばれる理由は見えませんでした。
企業が見ていたのは、 目の前で試食している参加者の反応でした。
生活者が見ていたのは、 その食品が食卓に並んだ後の家族の反応でした。
味、香り、食感、量、価格など、 参加者本人がどう感じたかを中心に確かめていました。
子どもが食べるか、夫が好むか、 家族全員の食事として続けられるかまで考えていました。
商品を選ぶ会話に参加していました。
Scene 04
「子どもが食べるか」は、味だけの問題ではありませんでした。
子どもの話が出ると、 企業側は味の好みを想像しがちです。
しかし、対話を続けると、 判断の背景にはさまざまな要素がありました。
大きさ、硬さ、食感、こぼれやすさなど、 子どもが一人で扱えるかが見られていました。
朝や夕方の忙しい時間に、 手間をかけずに出せることが重視されていました。
一人だけ別の料理を用意せず、 同じ食卓で食べられることが購入理由になっていました。
一度食べるかではなく、 家族の習慣として無理なく続けられるかが考えられていました。
Scene 05
「私は好きです」は、購入の答えではありませんでした。
試食で高い評価が得られても、 それだけで購入につながるとは限りません。
参加者本人が気に入っていても、 家族が食べないと思えば、 買わないという判断になることがあります。
自分だけのためには買わないと思います。
家族が食べるなら、定期的に買いたいです。
子どもが残すと、結局もったいないので買わなくなります。
家族に説明しやすい特徴があると選びやすいです。
「おいしい」と「買う」の間には、 家族というもう一つの判断がありました。
Scene 06
商品の伝え方も、家族の食卓から考え直しました。
対話のあと、 企業側は商品の味や機能だけでなく、 家族の中でどのように使われるかを考えるようになりました。
一人に好かれる食品ではなく、家族の中で選びやすい食品へ。
子どもでも食べやすい形、 忙しい時間に出しやすい量や容器、 家族へ説明しやすい特徴、 食卓での具体的な利用場面まで見直しました。
すべての家族に合わせるということではありません。
どの家庭の、 どの時間に、 誰と一緒に食べてもらいたいのか。
企業側が考える対象が、 目の前の一人から暮らしの中の家族へ広がりました。
Scene 07
家族の話は、商品からそれた雑談ではありませんでした。
セッション中に家族の話が続くと、 商品の評価から話題が外れているように見えることがあります。
しかし実際には、 その話の中に購入や継続利用を決める条件がありました。
誰が食べるのか。
誰が用意するのか。
家族全員で同じものを食べられるのか。
忙しい日にも続けられるのか。
食べ残したとき、誰が気にするのか。
家族の暮らしを聞く時間になっていました。
What We Found
生活者は、自分の好みではなく、家族の食卓に置けるかで選んでいました。
購入する人が気に入っていても、 子どもや家族が食べなければ継続購入にはつながりません。
味や価格だけでなく、 誰と食べるか、誰が用意するかまで購入判断に含まれていました。
子どもの反応や食卓での使い方を聞くことで、 量、形、容器、伝え方の見直しにつながりました。
食品の共創セッションでは、 商品の味や特徴を尋ねているのに、 子ども、夫、親、家族の食卓の話へ広がることがよくあります。 それは話がそれたのではなく、 生活者が実際に商品を選ぶ条件を話しているからです。 こらぼたうんは、商品単体の評価だけでなく、 その商品が家族の暮らしへ入る場面まで対話から確かめます。
Free Consultation
食品が家族の食卓でどう選ばれるか、生活者と一緒に確かめてみませんか。
試食では評価が高いのに、継続購入につながらない。 子ども向け、家族向けの商品なのに、 誰のどの判断が購入を止めているのか分からない。 そのようなときは、味の評価だけでなく、 家族の食卓、準備する時間、子どもの反応までたどることで、 改善や伝え方の新しい手がかりが見つかることがあります。