実務で活用したい方へ:
ヒーロージャーニーは、意味を知るだけでなく、顧客体験やブランドストーリーの整理にも使えるフレームです。
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ヒーロージャーニー(Hero’s Journey)
定義
ヒーロージャーニーとは、神話学者ジョーゼフ・キャンベルが『千の顔を持つ英雄』で体系化した物語の普遍的構造です。 主人公が冒険に出て試練を克服し、成長して帰還する流れを、一般的には12の段階で表現します。
映画・小説・ゲームなどの物語づくりだけでなく、広告、ブランドストーリー、顧客体験設計、カスタマーサクセス、共創ワークショップなどにも応用されています。 マーケティングにおいては、企業や商品を主役にするのではなく、顧客を主人公として捉えるためのフレームとして活用されます。
12段階の構造
ヒーロージャーニーでは、主人公が日常から一歩踏み出し、試練や出会いを通じて成長し、最後に新しい力や気づきを持って戻ってくる流れを描きます。 代表的には、次のような12段階で整理されます。
- 1. 日常世界
- 2. 冒険への呼びかけ
- 3. 拒否
- 4. メンターとの出会い
- 5. 第一関門の突破
- 6. 試練・仲間・敵
- 7. 最も危険な場所への接近
- 8. 最大の試練
- 9. 報酬の獲得
- 10. 帰路
- 11. 復活・再生
- 12. 宝を持っての帰還
マーケティングでの活用
ヒーロージャーニーは、ブランドや商品を主人公に置くのではなく、顧客を主人公に見立ててストーリーを描くことで効果を発揮します。 企業や商品は、主人公を助ける「メンター」や「支援者」として登場します。
たとえば、顧客が抱えている悩みや不安を「日常世界」として捉え、商品やサービスとの出会いを「冒険への呼びかけ」として整理します。 その後、導入時の不安、使い始めの試行錯誤、成功体験、周囲への共有といった流れを描くことで、顧客体験を物語として捉えやすくなります。
- 広告コピーやブランド動画のストーリーテリング設計
- 顧客体験を「旅の段階」に分けて整理するカスタマージャーニー設計
- 共創ワークショップで、顧客の悩み・試練・変化を可視化する
- 顧客の成功ストーリーや導入事例を、共感されやすい構造に整える
価値共創マーケティングとの関係
ヒーロージャーニーは、価値共創マーケティングとも非常に相性が良いフレームです。 なぜなら、価値共創マーケティングでは、企業が一方的に価値を届けるのではなく、生活者や顧客と対話しながら、価値を一緒に見つけ、育てていくからです。
このとき、主人公は企業ではありません。 主人公は、悩みや違和感を抱えながら日々の暮らしや仕事をしている生活者・顧客です。 企業はその人の旅に寄り添い、問いを投げかけ、選択肢を示し、ときには一緒に試しながら、変化を支える存在になります。
つまり、共創マーケティングにおけるヒーロージャーニーは、 「顧客を説得する物語」ではなく、「顧客の変化を一緒に描くための視点」として活用できます。
📌 意味がわかったら、次は「顧客の旅」として整理してみませんか?
顧客を主人公にして、「悩み・試練・支援・変化」を整理すると、商品やサービスの伝え方が見えやすくなります。 15分で「主人公×試練×支援×体験」を1枚に整理できるテンプレを用意しています。
注意点
ヒーロージャーニーは便利なフレームですが、すべての物語や顧客体験を無理に12段階へ当てはめる必要はありません。 重要なのは、型どおりに整理することではなく、顧客がどのような不安や試練を抱え、何をきっかけに変化していくのかを丁寧に見ることです。
また、企業側が都合よく「顧客はこう変わるはず」と決めつけてしまうと、かえって不自然なストーリーになります。 共創マーケティングで活用する場合は、実際の生活者や顧客の声を聞きながら、リアルな悩みや感情、使われる場面を捉えることが大切です。
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