最終更新日:2026/01/27
「共感して聞く」は、優しさだけの話ではありません。 相手の本音(迷い・不安・期待・違和感)に触れられるかどうかで、提案の精度も、関係性も、成果も変わります。 伝える前に“聞く設計”を入れるだけで、対話は驚くほど前に進みます。
🔍 この記事でわかること
- 本音が出る聞き方の原理(なぜ変わるのか)
- 明日から使える3ステップと質問テンプレ
- やりがちなNG習慣→OK行動の変換表
- 共創マーケティングで“聞く力”が成果につながる理由
なぜ「聞き方」で、本音の出方が変わるのか
私たちは誰かと話すとき、無意識に「ここは安全か?」を測っています。 相手が評価してくる、正解を押し付けてくる、急いで結論を取ろうとする――そう感じた瞬間に、本音は奥へ引っ込みます。
本音は「質問の上手さ」より先に「態度の安心感」で出ます。 だからこそ共感は才能ではなく、“態度”と“技術”として設計できます。
「正しい/間違い」を棚上げして、まず受け取る。評価の気配が消えると、相手は話を深めやすくなります。
事実だけでなく「その時どう感じたか」を丁寧に拾う。感情が言語化されると、課題の芯が見えます。
沈黙を急いで埋めない。余白があると、相手は自分の内面に触れ、言葉が深くなります。
共感的に聞くための3ステップ(すぐ実践できる)
① 評価せずに受けとめる(安全地帯をつくる)
「それは違う」「でも…」を言いたくなったら、まず一呼吸。 “受け取りの言葉”を挟むだけで、相手は安心して続きが話せます。
- 「なるほど、そう感じたんですね」
- 「そういう状況だったんですね」
- 「そこが引っかかったんですね」
② 感情に名前をつける(本音の扉を開く)
事実の奥には、たいてい感情があります。 「悔しい」「不安」「焦り」「期待」など、感情が見えると“なぜ”がつながるため、 施策も提案もズレにくくなります。
- 「それって、少し不安でしたか?」
- 「悔しさが残っている感じですか?」
- 「本当はこうしたかった、ってあります?」
③ 沈黙を恐れない(深い言葉が出る余白)
沈黙は失敗ではなく、相手が考えているサインです。 すぐに埋めるのではなく、うなずき・表情で「待ってるよ」を伝えると、 “自分でも気づいていなかった言葉”が出やすくなります。
やりがちなNG習慣 → 本音が出るOK行動
そのまま使える「質問テンプレ」
会議・商談・ヒアリングで使いやすいように、よく効く質問を「目的別」にまとめました。 すべてを使う必要はなく、1〜2個だけでも対話の深さが変わります。
- 「迷ったポイントは、どこでした?」
- 「AとB、最後に分かれた理由は何ですか?」
- 「決め手になりそうで、ならなかったのは?」
- 「本当はどうしたかった、ってあります?」
- 「もし制約がなければ、どうしたいですか?」
- 「一番守りたいものは何ですか?」
- 「どんな場面で必要になりますか?」
- 「その時、周りに誰がいますか?」
- 「使った直後、どうなっていたいですか?」
- 「それがあると、気分はどう変わります?」
- 「“うれしい”の中身って、どんな感覚ですか?」
- 「その良さを友人に言うなら、何て言います?」
共感はスキルであり、磨ける力
「共感力が高い人」は才能のように見えますが、実際は再現できる要素の集合です。 たとえば、言葉の返し(リフレクション)、感情の扱い、沈黙の使い方は習慣化できます。
| 傾聴 | うなずき・相づちで「聞いてる」を伝え、最後まで遮らない(結論を急がない) |
|---|---|
| リフレクション | 要約して返す:「つまり○○ということですね」。理解のズレが減り、相手が安心します |
| 感情の言語化 | 「不安でした?」「悔しかった?」と丁寧に扱う。感情が見えると課題の芯が出ます |
| 沈黙の活用 | すぐ埋めず、うなずきで待つ。深い言葉が出る“余白”を作ります |
デジタル時代の「聞く力」が難しくなる理由
チャットやメール、オンライン会議は便利ですが、表情や息づかいなどの非言語情報が減りやすく、 “察する”が効きにくくなります。だからこそ、質問の質とレスポンスの丁寧さがより重要になります。
「いま話してよかったです」「ここまでの理解、合っていますか?」の一言で、 相手は安心して“続き”を話しやすくなります。
聞く文化が、組織と顧客体験を変える
傾聴文化が根付くと、心理的安全性が高まり、提案や改善が出やすくなります。 その結果、顧客の声が社内に循環し、商品・販促・対応の精度も上がっていきます。
- 部下が萎縮せずに提案できる
- 顧客が素直な感想を言える
- “現場の学び”が共有され、改善が回る
共創マーケティングにおける「聞く力」の重要性
共創マーケティングは、顧客や生活者と一緒に価値を育てるアプローチです。 その起点はいつも「ちゃんと聞く」ことにあります。 本音(迷い・ためらい・期待)を拾えたとき、企画も言葉も、ズレが一気に減ります。
聞くことは情報収集ではなく、「共創の第一歩」です。
よくある質問(FAQ)
商談で、相手が本音を話してくれません。何から変えるべき?
まずは「評価しない空気」を作ることです。結論や提案を急がず、 「なるほど」「そう感じたんですね」の受け取りを入れてから、 「どこが一番引っかかりました?」のように“迷い”を聞くと深まりやすいです。
沈黙が怖くて、つい話してしまいます…
沈黙は相手が整理している時間です。うなずき・表情で「待ってます」を伝えましょう。 どうしても埋めたくなったら「いま考えてます?」と一言添えるだけで、沈黙が味方になります。
聞いた内容を、どうやって社内で共有すればいい?
重要なのは「一言メモ化」です。声をそのまま残すのではなく、 ①迷い(比較軸)②感情(本音)③文脈(場面)④示唆(次の打ち手)の4枠で整理すると、 企画・販促・EC・店頭まで一貫して使える学びになります。
まとめ:聞く力は、共創時代のリーダーシップ
「聞くこと」は受け身ではなく、相手と未来を共に創るための能動的なスキルです。 聞き方ひとつで、対話の質も、関係性も、ビジネスの成果も変わります。
まずは「受け取る一言」を入れてみてください。 「なるほど、そう感じたんですね」――それだけで本音が出やすい空気になります。
生活者の本音を、企画と売り方に“つながる形”で掘り起こしたい方へ
対話・観察で拾った声を「迷い(比較軸)」「感情(本音)」「文脈(場面)」に整理し、 企画・販促・EC・店頭までブレない“言葉の軸”へ落とし込みます。まずは現状と狙いを伺い、最短ルートを一緒に整えましょう。
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