Field Stories|CASE 022
試食の途中から、
味の話ではなくなりました。
共創セッションでは、メンバーと丸テーブルを囲み、 試食や試飲を行うことがあります。 最初は甘さや香り、飲みやすさの話をしていても、 やがて会話は、食べる時間、家族、仕事、容器、量、 贈り物や昔の記憶へと広がっていきます。 一見すると本題から外れたような会話の中に、 味だけでは見つけられない商品の価値が隠れていました。
Prologue
味を確かめる時間のはずが、暮らしを聞く時間になっていました。
食品や飲料の商品づくりでは、 試食や試飲を行うことがあります。
甘さはどうか。 香りは強すぎないか。 飲みやすいか。 どちらの案が好まれるか。
確認したいことは、企業側にもあります。
しかし、継続する共創セッションで いつものメンバーと丸テーブルを囲むと、 会話は予定どおりには進みません。
その広がりの中に、 商品を育てるための新しいヒントがありました。
Scene 01
最初は、予定していた味の評価から始まりました。
テーブルには、 複数の試作品が並んでいました。
参加者は一つずつ口にしながら、 感じたことを話します。
こちらの方が、すっきりしています。
もう少し甘さが弱くてもよさそうです。
香りは好きですが、少し後に残ります。
私は、こちらの方が飲みやすいです。
ここまでは、 企業側が想定していた試食や試飲の流れでした。
担当者も、 一つずつ言葉をメモしていました。
Scene 02
一人の何気ない一言から、話が横へ広がりました。
味についての感想が続く中で、 一人の参加者が何気なく言いました。
すると、別の参加者が言葉を重ねました。
私は家ではなくて、仕事の途中に少し飲みたいです。
家族と一緒というより、自分のために選ぶ感じがします。
この量なら一度で飲めますが、大きいと残してしまいそうです。
贈り物にするなら、もう少し見た目が違う方がよさそうです。
会話は、 味の評価から少しずつ離れていきました。
しかし、そこには商品が使われる場面が 次々と現れていました。
Scene 03
話がそれたのではなく、商品の周りへ広がっていました。
調査であれば、 確認したい目的や質問項目があります。
もちろん、 目的に沿って答えを集めることも大切です。
ただ、継続する共創セッションでは、 予定していなかった会話を急いで本題へ戻しません。
甘さ、香り、濃さ、食感など、 商品そのものの評価を確かめようとしていました。
食べる人、時間、場所、気分、量など、 商品が暮らしの中で持つ役割が見え始めました。
Scene 04
メンバー同士の会話が、商品の見え方を変えていきました。
誰かの一言に、 別の人が自分の経験を重ねます。
企業から質問されて答えるだけではなく、 参加者同士の会話が続いていきます。
朝食、間食、仕事の合間、夜のくつろぎなど、 同じ味でもふさわしい時間は異なりました。
自分用、家族用、子ども向け、来客用など、 誰と食べるかで選び方が変わりました。
味が好まれていても、 一度に食べ切れる量や保管しやすさが選択に影響しました。
香りや食感から、 過去の体験や気持ちの切り替えまで話が広がりました。
Scene 05
関係性があるから、正解を探さない会話が生まれました。
継続して参加しているメンバーは、 企業が何を聞きたいかだけを考えて話しているわけではありません。
思い出したことや、 他の人の話を聞いて気づいたことを、 その場で自由に話します。
一つの答えを出そうとするよりも、 それぞれの暮らしの違いがテーブルの上に並んでいきます。
予定していなかった会話だからこそ、企業の中にまだなかった問いが生まれました。
味の好みを確認するだけでは、 「どんなときに選ばれるのか」までは見えません。 メンバー同士の会話が広がることで、 商品そのものから、商品がある暮らしへと視点が移っていきました。
Scene 06
味の調整だけではなく、商品全体を考え直すヒントになりました。
会話から見えてきたのは、 味の優劣だけではありませんでした。
誰が、いつ、どこで、 どんな気持ちで口にするのか。
それが見えると、 企業側が検討する範囲も広がります。
一度に食べ切れる量になっているか。
その場面に合う容器やパッケージになっているか。
商品の役割が伝わる名前や言葉になっているか。
その人が出会いやすい売り場や届け方になっているか。
味を変えるべきなのか。 量や容器を変えるべきなのか。 それとも、伝える場面を変えるべきなのか。
新しい問いが生まれ、 次に確かめることが見えてきました。
Scene 07
一度の感想で終わらず、次の試作品でもう一度確かめました。
共創セッションは、 その日の感想を集めて終わりではありません。
会話から得たヒントを企業へ持ち帰り、 商品や量、容器、言葉の表現を検討します。
そして次のセッションで、 同じメンバーにもう一度見てもらいます。
前回出た食べる場面に、この量は合っているか。
容器を変えると、使い方の印象も変わるか。
企業が考えた言葉は、暮らしの実感と合っているか。
前回の会話が次の試作品につながり、 次の反応がまた新しい修正につながります。
そこで生まれた仮説を、次の現場でもう一度確かめました。
What We Found
味だけを見ていては、商品の価値を見落とすことがありました。
本題から外れたように見える会話の中に、 商品が使われる場面や選ばれる理由が隠れていました。
一人の意見を集めるだけでなく、 誰かの一言に別の人が重ねることで新しい仮説が生まれました。
その日の気づきを次の試作品や伝え方へ反映し、 同じメンバーと再び確認できました。
試食や試飲で確認できるのは、 味の好みだけではありません。 丸テーブルで会話が自由に広がると、 食べる時間、相手、場所、量、気分など、 商品が暮らしの中で持つ意味が見え始めます。 こらぼたうんは、その会話をヒントで終わらせず、 商品や伝え方へ反映し、次の対話で確かめ直します。
Free Consultation
商品の味だけではなく、選ばれる場面まで確かめてみませんか。
試食や試飲で感想を集めるだけでは、 暮らしの中で商品がどのように選ばれるのかまで見えないことがあります。 継続する共創セッションを通じて、 生活者同士の会話から新しい価値のヒントを見つけ、 商品、量、容器、伝え方を一緒に育てていきます。