オンライン共創は便利。でも対面が効く場面が多い理由|本音・腹落ち・実行力

オンラインも活用しつつ、対面の“深さ”を取りにいく
結論 オンライン共創は「参加しやすさ」「意見を集めやすい」点が大きな強みです。 その一方で、対面は本音が出る解釈が揃う腹落ちして動ける——この3つが起きやすく、 成果が実行まで落ちる確率が上がります。
この記事では、オンラインと対面の得意領域使い分けを、できるだけわかりやすく整理します。

オンライン共創は「便利」で、使いどころもたくさんあります

ネット上のプラットフォームを使えば、遠方の方や忙しい方にも参加してもらいやすく、 意見やアイデアを集めるハードルが下がります。

こらぼたうんでもオンラインはフル活用します。 そのうえで、成果が“実行”まで落ちる場面では、対面が強く働くことが多いと感じています。

オンラインの良さ: ①参加のしやすさ(距離・時間の壁が低い)/②幅広い意見が集まる(母集団を広げやすい)/③ログが残る(あとで整理しやすい)

チャットや資料共有、グラフのやり取りでアイデアをまとめていくオンライン共創のイメージ
オンライン共創の強み: テキストとデータのやり取りが“そのままログ”になるため、後から整理・共有しやすい。

ここからが本題:なぜ「対面」が効く場面があるのか

ただ、ここ数年はデジタル化が進んだ一方で、「重要な話は対面で」と戻る動きも続いています。 それは、対面の場で自然に生まれていた安心感微妙なニュアンス、そして腹落ちが、 オンラインだけでは再現しきれない場面があるからだと思います。

こんなとき、対面が効きやすいです:
・オンラインでは意見は出るのに「当たり障りない結論」になってしまう
・部署や立場で言葉の意味がズレていて、議論が噛み合わない
・結論は出たのに、社内が動かず実行が進まない

1オンラインが特に向いているケース
  • 幅広く意見やアイデアを集めたい(母集団を広げたい)
  • 遠方の人や忙しい人にも参加してもらいたい
  • テキストログを残して、後で整理・分類したい
  • 継続的なコミュニティとして「小さく回し続けたい」

つまり、オンラインは「集めやすさ・整理しやすさ」が強み。 一方で、対面が特に力を発揮するのは、本音の深掘り認識のズレ修正、 そして腹落ちによる実行まで“落とし込みたい”場面です。

コミュニケーションは「単なる会話」ではなく“価値を生むもの”

コミュニケーションを「情報のやり取り」や「認識合わせ」だけで捉えるのではなく、 価値共創(価値を一緒につくる)を促すための“サービス”として捉える視点が大切だと述べられています。

2対面が強くなりやすい理由は「3つの要素」にある

価値共創に効くコミュニケーションを、次の3要素で整理できます。

基本(姿勢)

相手に「聞く気がある」「ちゃんと向き合っている」と伝わる状態。 視線・表情・うなずきなど、“会話の土台”が整っているか。

対面はここが強い:姿勢や空気感が伝わりやすく、会話が成立しやすい。
知識(前提の共有)

同じ言葉でも、人によって意味が違うことがあります。 会話が噛み合うには、前提のすり合わせが必要です。

対面はここが強い:違和感に気づきやすく、その場で修正できる。
感情(話す気持ち)

本音は「正しい質問」だけでは出ません。 「ここなら話していい」と感じる安心感・信頼が必要です。

対面はここが強い:安心感の立ち上がりが早く、本音が出やすい。

そしてこの3つは、一度整えれば終わりではなく、会話の途中で何度も揺れます。 だからこそ、場を整え、ズレを直し、安心感を保ちながら進められる対面は、 共創の「深さ」に効きやすい——というロジックになります。

対面で効果が大きくなりやすい、5つの理由

3理由①「言葉になる前の情報」が拾える

人の本音は、質問に対する回答だけで出てくるとは限りません。 対面だと、表情声の揺れ沈黙言い直しのような“言葉の外側”も含めて理解できます。 これがあると、インサイトの精度が変わります。

  • 「困ってないです」と言いながら、ふと目線が逸れる
  • 「まあ、どっちでも」と言いつつ、声が小さくなる
  • 雑談で急に、具体的な困りごとがポロッと出る
4理由②「安心できる空気」が立ち上がるのが早い

本音が出る条件は、質問のうまさだけではありません。 「ここなら話しても大丈夫」という安心感が先に必要です。 対面は、うなずき・相づち・距離感・笑いなどで、場の温度を調整できるので、 本音が出る状態をつくりやすくなります。

5理由③「ズレ」をその場で直せる

共創で怖いのは「聞いたつもり」「わかったつもり」です。 対面だと、ちょっとした違和感を感じた瞬間に、 解釈を揃える質問を挟めます。

  • 「“便利”って言いましたが、どの瞬間にそう感じました?」
  • 「いま言い方に迷いました?その“迷い”が大事かもしれません」
  • 「それは“価格”の話ですか?それとも“安心”の話ですか?」
6理由④「体験として残る」から、社内が動く

対面の共創は「その場に居た」という体験が、参加者の記憶に残ります。 体験が残ると、社内で語られ、共有され、次のアクションにつながります。 つまり、対面は実装(やること)に変わる確率が上がりやすいのです。

7理由⑤「暮らしの現場」とつながりやすい

生活者との共創は、最後は“生活の文脈”に戻らないと意味がありません。 対面だと、買い物・使い方・迷い方・家族の会話など、行動のリアルに接続できます。 これは、言葉だけのやり取りでは掴みにくい情報です。

対面セッションの空気感が、本音を引き出します

企業と生活者が同じテーブルで対話している共創セッションの様子
企業と生活者が同じ目線で語り合う共創セッション──安心感のある空気が、本音と“つぶやき”を引き出す

比較すると分かりやすい:オンラインと対面の“得意領域”

観点
オンライン
対面
参加のしやすさ
◎ 強い
○ 工夫次第
本音の深さ
○ 設計次第
◎ 強い
解釈の一致(ズレ修正)
○ できる
◎ 早い
ログが残る/整理しやすい
◎ 強い
△ 工夫必要
社内が動く(実行力)
○ 仕掛け次第
◎ 腹落ちしやすい

つまり、オンラインは「量と継続」に強く、 対面は「深さと腹落ち」に強い。 ここを押さえるだけで、共創の設計がブレにくくなります。

「対面が向いている」代表的な3つの場面

8場面①:本音が見えず、企画が当たり障りなくなるとき

「いいと思います」「別に困ってないです」だけが並ぶと、意思決定が進まなくなります。 この状態を崩すには、対面で“言葉の外側”も含めて丁寧に拾うのが近道です。

9場面②:社内で言葉の意味がズレて、噛み合わないとき

企画・営業・デザイン・マーケが同じ言葉を使っているのに、結論が噛み合わない。 こういうときは、対面で「同じ言葉の“中身”」を揃えると、前に進みやすくなります。

10場面③:結論は出たのに、現場が動かないとき

実装が止まる原因は、能力不足ではなく納得感の不足であることが多いです。 対面の共創は、体験として残るので、推進力(腹落ち)をつくりやすくなります。

今日のまとめ

  • オンライン共創は「量と継続」に強い(集めやすい・ログが残る)
  • 対面共創は「深さと腹落ち」に強い(本音・解釈一致・実行力)
  • 価値共創に効くコミュニケーションは基本(姿勢)/知識(前提)/感情(安心)の3要素で整理でき、対面は特に強く働きやすい

もし「オンラインだけでやってみたが、結論が薄い/社内が動かない」と感じているなら、 次は対面で“深さ”を取りにいく設計を試す価値があります。

価値共創を、「噛み合う型」に整えたい方へ

会議を増やすより先に、生活者との対話から“ズレの正体”を見える化し、 企画・発信・売り方へ落とし込む流れを一緒に設計します。

※「まず何を決めればいい?」からでも大丈夫です。現状の課題を伺い、合う進め方をご提案します。

🗒️ コラム・運営視点 一覧へ

人気の記事
おすすめ記事
最近の記事
  1. 共創アイデア出しワクショップ10選──社員・顧客と価値を生み出す実践手法

  2. 「ゴリラの鼻くそ」はなぜ売れたのか?|ネーミング×文脈で価格競争を超える方法

  3. 共創マーケティングとは何か|分断の時代を乗り越える鍵──AI×対話×顧客参加で価値を育てる

  4. 顧客が欲しいのは商品じゃない?成功体験から考える価値共創

  5. 今こそ挑戦!グローバルサウス犬猫のオーラルケア文化をASEANへ(マインドアップ)

  6. マスを見ずに深く刺さる!N=1発想で世の中に広がるヒットを生み出す方法

  1. オンライン共創は便利。でも対面が効く場面が多い理由|本音・腹落ち・実行力

  2. 雑談はムダじゃない。本音・学び・アイデアが生まれる「非公式な対話」の力

  3. 価値共創やってて良かったな──現場で心が動いた瞬間

  4. 営業を巻き込むと共創は加速する──現場発のアイデアで売れるチームに変える

  5. 中小企業が大手に勝つ共創戦略|「企画」に資源を集中して選ばれる理由をつくる

  6. 共創マーケティングとは何か|分断の時代を乗り越える鍵──AI×対話×顧客参加で価値を育てる

  1. オンライン共創は便利。でも対面が効く場面が多い理由|本音・腹落ち・実行力

  2. 雑談はムダじゃない。本音・学び・アイデアが生まれる「非公式な対話」の力

  3. 企画×デザイン×営業が噛み合うと、価値は一気に跳ねる

  4. 美味しい”だけでは選ばれない。食品のキャッチは「気分」で決まる

  5. 地吹雪の夜、テールランプが“道しるべ”だった話

  6. リピートは“満足度”だけでは増えない:心理ロイヤルティという答え

よく読まれている記事
  1. 1

    共創アイデア出しワクショップ10選──社員・顧客と価値を生み出す実践手法

  2. 2

    「ゴリラの鼻くそ」はなぜ売れたのか?|ネーミング×文脈で価格競争を超える方法

  3. 3

    共創マーケティングとは何か|分断の時代を乗り越える鍵──AI×対話×顧客参加で価値を育てる

  4. 4

    顧客が欲しいのは商品じゃない?成功体験から考える価値共創

  5. 5

    今こそ挑戦!グローバルサウス犬猫のオーラルケア文化をASEANへ(マインドアップ)

よろしければこちらも