主婦を中心とした生活者が商品を見ながら、自宅の棚や収納場所に入るかを企業担当者と話し合っている様子

Field Stories|CASE 020

買う前に、
家の置き場所を探していました。

商品について生活者と話していると、 機能や価格より先に、置き場所の話が何度も出てきました。 「あの棚に入るかな」「出しっぱなしになるなら困る」 「今あるものを動かさないと置けない」。 売り場や対話の場にいながら、 生活者は頭の中で自宅の棚や引き出しを思い浮かべていました。 商品を欲しいと思うことと、実際に買うことの間には、 暮らしの中に居場所をつくれるかという条件がありました。

テーマ:購入前の収納判断 形式:生活者との対話セッション 企業名・商品名は非公開

Prologue

企業は商品の魅力を見ていました。生活者は、家に置けるかを見ていました。

商品を選ぶ理由として、 企業は機能、価格、デザイン、使いやすさを考えていました。

もちろん生活者も、 それらを見ています。

しかし、対話を重ねる中で、 それとは別の判断基準が何度も出てきました。

これ、家のどこに置けばいいでしょう。

商品を使う前に、 すでに収納できるかどうかを考えていたのです。

Scene 01

商品を見た瞬間、自宅の棚の話が始まりました。

参加者に商品を見てもらい、 どのような場面で使いたいかを尋ねました。

すると、使い方の前に、 置き場所の話が出てきました。

これ、あの棚に入るかしら。

高さがあるから、今の場所には置けないかもしれません。

出しっぱなしにするなら、もう少し見た目が気になります。

今あるものを一つ動かさないと、置く場所がありません。

商品への関心が低いわけではありません。

むしろ興味があるからこそ、 自宅に持ち帰った後を具体的に考えていました。

Scene 02

売り場にいながら、生活者は頭の中で家へ帰っていました。

参加者の目の前にあるのは、 商品と、その説明です。

しかし頭の中では、 自宅のキッチンや洗面所、 棚や引き出しを思い浮かべていました。

棚の高さ、 引き出しの奥行き、 すでに置かれている物、 家族が使う場所。

下の段なら入りそうですが、毎回かがむことになります。

家族が戻してくれないと、結局出しっぱなしになります。

あの引き出しには入るけれど、ほかの物が入らなくなります。

収納場所が決まらない物は、あとで困るので買いません。

商品単体ではなく、 家の中にある他の物や、 家族の行動との関係まで考えていました。

Scene 03

「欲しい」と「買う」の間に、置き場所がありました。

商品そのものには魅力を感じていても、 置く場所が決まらなければ購入をためらいます。

大きさが少し違うだけで、 いつもの収納場所に入らないことがあります。

出しっぱなしにすれば使いやすくても、 見た目や生活空間への影響が気になることもあります。

Company 商品の大きさは、仕様の一つ

高さ、幅、容量などを、 商品性能や使いやすさの条件として見ていました。

Consumer 商品の大きさは、暮らしに入るための条件

いつもの棚に収まるか、 出しっぱなしにならないかを購入前から考えていました。

Scene 04

主婦の方々は、商品の周りにある暮らしまで見ていました。

特に家の中の物を管理することが多い方からは、 収納について具体的な話が何度も出ました。

ただ商品が入るかどうかだけではありません。

取り出しやすいか、 家族が元に戻せるか、 掃除の邪魔にならないか、 見える場所に置いても気にならないか。

Factor 01 棚や引き出しに入るか

高さや奥行きが少し違うだけで、 いつもの収納場所を使えないことがあります。

Factor 02 取り出しやすく戻しやすいか

入るだけでなく、 毎日の動作に無理がないことも大切でした。

Factor 03 家族も同じ場所へ戻せるか

本人だけが分かる収納では、 家族が使った後に出しっぱなしになることがあります。

Factor 04 見える場所に置けるか

収納できない場合は、 出したままでも暮らしになじむ見た目が求められます。

主婦の参加者が商品の高さや幅を手で示しながら、自宅の棚や引き出しに収納できるかを企業担当者へ説明している様子

Scene 05

便利でも、暮らしの中に居場所がなければ選ばれません。

商品が便利であることと、 暮らしに取り入れられることは、 必ずしも同じではありません。

使用する時間よりも、 収納されている時間の方が長い商品もあります。

その場合、 使っていない時間にどこへ置かれるかが、 商品の評価を大きく左右します。

A Place in Everyday Life

商品が選ばれるには、使う場面だけでなく、しまわれる場面も必要でした。

使いやすさを考えるだけでは、 購入をためらう理由を十分に説明できません。 生活者は購入する前から、 商品を使っていない時間まで想像していました。

Scene 06

商品サイズの伝え方も、変える必要がありました。

サイズを数字だけで示しても、 生活者が自宅に置けるかどうかを判断しにくいことがあります。

幅や高さを伝えるだけでなく、 どのような場所へ収まりやすいのか、 使わないときにどう置けるのかまで伝える必要があります。

一般的な棚に入る高さなのか。

立てて置けるのか、横に寝かせられるのか。

使わないときに小さくできるのか。

出したままでも暮らしになじむのか。

商品の魅力だけでなく、 暮らしの中でどのように居場所をつくれるかも、 購入判断を助ける情報になります。

Scene 07

置き場所の話から、購入を止める理由が見えてきました。

「収納できるか」という会話は、 商品の周辺にある小さな問題に見えるかもしれません。

しかし実際には、 買うかどうかを左右する重要な条件でした。

商品が気に入らなかったから、 買わなかったのではありません。

欲しいと思った後に、 暮らしの中に置く場所が見つからなかったのです。

購入判断は、売り場だけでは完結していない。

生活者は、売り場にいながら自宅の収納を見ている。

商品の居場所が見つからなければ、購入には進まない。

生活者が探していたのは、商品の魅力だけではありません。
家の中で、その商品が収まる場所でした。

What We Found

購入前から、生活者の頭の中には自宅の収納がありました。

商品サイズは、購入判断の一部

大きさは単なる仕様ではなく、 自宅へ持ち帰れるかを判断する条件でした。

使わない時間まで想像している

使用場面だけでなく、 収納中や出しっぱなしの状態まで考えていました。

家族や他の物との関係も見ている

商品単体ではなく、 家族の行動や、すでにある収納との関係で判断していました。

Purchase Begins at Home

商品を見ているとき、 生活者はその場だけを見ているわけではありませんでした。 自宅の棚や引き出し、 すでに置かれている物や家族の行動を思い浮かべながら、 暮らしの中に居場所をつくれるかを確かめていました。

欲しいと思っても、置く場所がなければ買えません。
選ばれるためには、暮らしの中に居場所をつくれることも必要でした。

Free Consultation

商品が使われる場所だけでなく、しまわれる場所も見てみませんか。

生活者は、商品の機能や価格だけでなく、 自宅へ持ち帰った後の置き場所や家族との使い方まで考えています。 対話や暮らしの観察を通じて、 購入をためらう理由や、選ばれるために必要な条件を一緒に探します。