Field Stories|CASE 005

買うのは親。でも、選んでいたのは子どもでした。

子ども向けの商品を購入するのは、多くの場合、親です。 しかし、子どもに自我が芽生えると、 実際の商品選びには子どもの好みや一言が大きく影響します。 親子で参加してもらい、イラストや色、デザインについて話してもらうと、 企業への回答だけでは見えなかった選択の理由が、 親子の自然な会話から見えてきました。

テーマ:購入者と選択者の違い 形式:親子参加型の共創セッション 企業名・商品名は非公開

Prologue

子ども向け商品だからといって、親だけを見ればよいわけではありません。

子どもが小さいうちは、親が選び、親が購入したものを子どもが使います。 企業も、購入者である親に向けて、 安全性や使いやすさ、価格などを説明します。

ところが、子どもが成長し、自分の好みを持ち始めると、 商品が選ばれる過程は少しずつ変わります。

お金を払うのは親でも、 「これが欲しい」「これは嫌」と意思を示すのは子どもです。

購入する人と、選んでいる人は、同じとは限りません。

その違いを知るために、 親だけではなく、子どもにも一緒に参加してもらいました。

Scene 01

企業が見ていたのは、購入する親でした。

子ども向けの商品を考えるとき、 企業はどうしても購入者である親を中心に見ます。

親が納得できる価格か。 安全に使えるか。 手入れがしやすいか。 長く使えるか。

どれも大切な視点です。 しかし、親が納得していても、 子どもが気に入らなければ選ばれないことがあります。

反対に、子どもが強く欲しがることで、 親の購入判断が動くこともあります。

Scene 02

親子で、同じテーブルについてもらいました。

セッションには、親と子どもが一緒に参加します。 企業担当者も、同じテーブルに座ります。

テーブルの上には、商品のイラストや色、 デザイン案、形、名前などを並べました。

親だけに質問するのではありません。 子どもにも自由に見てもらい、 気になったものや好きなものについて話してもらいます。

すると、企業からの質問に答える時間とは違う、 親子の自然な会話が始まりました。

親子が商品の色やイラスト、デザイン案を見比べながら話している様子

Scene 03

子どもの一言で、親の表情も変わりました。

最初は、親が商品の良いところや気になる点を説明します。

ところが、横に座っていた子どもが、 遠慮なく自分の好みを口にします。

これ、イヤ。

こっちがいい。

だって、こっちの方がかわいいから。

その瞬間、企業担当者だけでなく、 親も少し驚くことがあります。

そうだったんだ。私はこっちが好きだと思っていた。

子どもの本当の好みを、 親も初めて知ることがあるのです。

Scene 04

ヒントは、企業への回答ではなく、親子の会話にありました。

子どもの発言をきっかけに、 親子の間で自然なやり取りが始まります。

なんで、こっちがいいの?

この色が好きだから。

こっちは、ちょっと恥ずかしい。

お友達も、こういうのを持っているよ。

企業へ向けて説明しているのではありません。 普段の暮らしの中で交わされるような、 親子同士の会話です。

その会話から、 イラストの受け取られ方、 色への好み、 友達との関係、 子ども自身が感じる恥ずかしさや憧れなど、 商品選びを左右する多くの要素が見えてきます。

Scene 05

誰が買うかではなく、誰が選んでいるか。

企業がそれまで見ていたのは、 商品を購入する親でした。

しかし実際には、 子どもの好みや発言が、 商品の選択に大きな影響を与えていました。

Before

購入者である親を中心に考える

安全性、価格、使いやすさなど、 親が納得するための価値を中心に見ていました。

After

親子の関係の中で選択を見る

親が納得できることに加え、 子ども自身が選びたくなる理由も考えるようになりました。

商品を買う人。 商品を使う人。 欲しいと言う人。 最後に選ぶ人。

家族の中では、それぞれが同じ人とは限りません。

一人ずつに意見を聞くだけでなく、 親子を一緒に見て、会話を聞くことで、 家族の中で商品が選ばれていく過程まで見えてきました。

企業担当者が親子の自然な会話を聞きながら、商品選びの理由を観察している様子

What We Found

商品を選んでいるのは、レジでお金を払う人だけではありませんでした。

購入者と選択者は違うことがある

親がお金を払っていても、 子どもの好みや一言が、 最終的な商品選択を大きく左右していました。

本音は親子の会話の中にある

企業への回答よりも、 親子同士の自然な問いかけや反応の中に、 選択の理由が表れていました。

個人ではなく、関係を見る

親と子どもを別々に見るのではなく、 家族の関係の中で商品選びを見ることで、 新しい開発のヒントが生まれました。

企業は、お母さんに話を聞いていました。
答えは、その隣に座っていた子どもが持っていました。

Free Consultation

商品を選ぶ人は、本当に一人でしょうか。

購入者だけに話を聞いても、 実際の選択に影響している人や、 家族の中で交わされている会話までは見えないことがあります。 こらぼたうんでは、生活者同士の関係や自然な対話から、 商品・サービスが選ばれる理由を一緒に探します。