カスタマージャーニーと価値共創の連携

更新日:2026/01/17

※顧客の行動だけでなく、「不安 → 試行 → 変化 → 定着」のような心理の変化(物語)まで設計したい場合は、 ヒーロージャーニー(用語解説)も参考にしてください。

コラム

カスタマージャーニー×価値共創で体験を“実装”する

カスタマージャーニーは「顧客が買うまでの道のり」を見える化するフレームワークです。 ただし本当に成果が出るのは、ジャーニーを“眺める地図”で終わらせず、価値共創(対話・観察・試行)で 各ステップの「迷い・不安・納得」を一緒に解消して、体験価値まで設計できたときです。

この記事では、5段階のジャーニーに「共創の打ち手」を重ねることで、購買・継続・推奨までつながる実務の型をまとめます。

カスタマージャーニーとは(5段階)

カスタマージャーニー(Customer Journey)は、顧客が商品・サービスを知り、興味を持ち、比較し、購入し、 購入後に評価・継続するまでの体験を、時間の流れで捉える考え方です。

カスタマージャーニーの5段階を示す図(認知→関心→比較検討→購入→購入後)
① 意識(Awareness)

存在を知る。広告、SNS、口コミ、展示会、検索など。

② 関心(Interest)

情報収集が始まる。価格・特徴・メリットを調べる。

③ 評価(Consideration)

比較検討。レビュー、競合比較、失敗回避が強くなる。

④ 購入(Purchase)

最終判断。申し込み/決済/契約など具体行動へ。

⑤ 購入後(Post-Purchase)

体験評価。継続、再購入、推奨(口コミ)に影響。

押さえたい視点:
  • 行動(何をしているか)だけでなく、感情(不安/期待/迷い)を同時に書く
  • 購入前よりも、実は購入後の体験がロイヤリティと口コミを左右する

カスタマージャーニーを検討する際の注意点

顧客中心に徹する

「企業が言いたいこと」ではなく、顧客の迷い・期待・不安を起点に設計します。 特に“初回購入”は心理的ハードルが高いので、感情の揺れを丁寧に拾うことが重要です。

チャネル/デバイス前提を揃える

顧客はオンライン・オフライン、スマホ・PC、SNS・検索など複数を行き来します。 どの接点で何を確かめるのかまで設計すると、迷子が減ります。

セグメントは「文脈」で分ける

“年齢・性別”だけでなく、利用場面(目的・タイミング・制約)で分けると、 打ち手がブレません。

フィードバックを「観察」で補う

アンケートは「説明できる回答」に寄りがちです。 実際の行動(離脱・迷い・ためらい)を観察し、言葉の裏を補完しましょう。

連続的に改善する

ジャーニーは固定ではありません。市場や顧客心理が変わるたびに見直し、 小さく試して更新する運用が成果に直結します。

競合比較は「体験」で見る

価格・機能の比較だけでなく、顧客が「安心する/迷わない」体験がどちらにあるか。 体験差が“選ばれる理由”になります。

価値共創と連携すると何が変わるのか

価値共創(Value Co-Creation)は、企業が答えを一方的に決めるのではなく、 顧客(生活者)と一緒に「本当に価値が立ち上がる条件」を探り、改善を回す考え方です。

連携の本質:
  • カスタマージャーニー=「体験を整理する地図」
  • 価値共創=「地図の空白(迷い/不安/不満)を埋める実験」
  • 両方を組み合わせると、“理解”が“実装”に変わる
① 機会発見が速くなる

どの段階で、何が詰まっているか(情報不足/比較不安/購入の躊躇など)を特定しやすくなります。

② 改善が“当たる”確率が上がる

生活者と一緒に仮説を確かめるため、「作ってから外す」よりも早く精度が上がります。

③ ロイヤリティが育つ

共創の経験は「関与感」を生み、結果として継続利用・推奨(口コミ)につながりやすくなります。

④ 市場変化に強くなる

大きく賭けるのではなく、小さな試行→学び→更新を回せる企業は環境変化に適応し続けます。

【実務の型】5段階×共創の打ち手マップ

ここからが実務パートです。 各段階で、顧客は「判断の理由」だけでなく不安・迷い・失敗回避を抱えています。 共創は、その“見えない心理”をすくい上げ、体験として設計し直すための手段です。

段階 顧客が抱えやすい心理 共創でやること(具体策)
① 意識 「自分に関係ある?」が分からない 生活者の言葉で“状況起点”の説明を作る(困りごと→解決イメージ)。SNS投稿・短い導入動画・店頭ひとことを共創で磨く。
② 関心 「何が違う?」が理解できない 質問が出る順番で情報を並べる(FAQ共創)。使う場面の写真・手順・選び方を生活者と一緒に整える。
③ 評価 失敗したくない/比較疲れ 比較軸を“機能”から“文脈”へ。迷いポイント(サイズ・味・続けやすさ等)を共創で洗い出し、判断材料(選び方チャート)を作る。
④ 購入 最後の一押しが足りない 購入導線の“詰まり”を観察(入力・送料・返品不安)。購入前の不安が消える順に表示を再設計し、A/Bで小さく検証。
⑤ 購入後 思ったより難しい/続かない オンボーディング共創(最初の3日・1週間・1か月のつまずき)。成功体験を作るガイド・レシピ・使い方提案を更新し続ける。
1

ジャーニーを「行動+感情」で書く

各段階に「不安/迷い/期待/納得」を1行で入れる(ここが抜けると机上になります)。

2

詰まりポイントを3つに絞る

離脱・問い合わせ・レビュー不満などの“兆候”から、最も影響が大きい3点に絞ります。

3

生活者と一緒に仮説を作る

「何が不安か/なぜ迷うか/どうなれば安心か」を対話・観察で言語化します。

4

小さく試す(プロトタイプ/表現/導線)

紙・LP・店頭POP・導入メッセージなど、低コストで検証できる形から始めます。

5

更新を前提に運用する

一度作ったジャーニーを正解にせず、学びが出るほど更新して“精度の高い型”にします。

すぐ使えるチェックリスト

✅ ジャーニー×共創が回っているか(10項目)

  • 各段階に「顧客の感情(不安・迷い・期待)」が書かれている
  • 比較検討の段階に「失敗回避の心理」が整理されている
  • 購入導線の“詰まり”(入力・送料・返品・支払い)を観察している
  • 購入後の「つまずき(続かない/分からない)」を収集している
  • アンケートだけでなく、観察・対話で言葉にならない理由を拾っている
  • 改善案は“社内の思いつき”ではなく、生活者と一緒に検証している
  • 表現(コピー・説明・FAQ)は、生活者の言葉で更新されている
  • 単発で終わらず、更新サイクル(頻度・担当・判断基準)がある
  • 成果指標が、購入だけでなく継続・推奨まで含まれている
  • 「入口(認知)」と「中身(体験価値)」の両方を改善している
ワンポイント: 「改善アイデアが出ない」のではなく、実は“顧客の迷いポイントが見えていない”ことが多いです。 迷いが見えれば、改善は自然に具体化します。

まとめ

結論:ジャーニーは“地図”、共創は“埋める作業”

  • カスタマージャーニーは顧客体験を整理する全体地図
  • 価値共創は、各段階の迷い・不安・違和感を対話と試行で埋める手段
  • 両者を連携すると、理解が実装に変わり、継続・推奨までつながりやすくなる
  • 最短ルートは「行動+感情で書く→詰まり3つ→小さく試す→更新」

“買うまで”だけでなく、“買ったあと”の体験まで整えることが、価格競争から抜けるための強い土台になります。

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