Field Stories|CASE 011
「不満はない」と言いながら、
別のケースに入れ替えていました。
あるキッチン消耗品のパッケージについて尋ねると、 生活者は「特に不満はありません」と答えました。 ところが実際の使い方を見せてもらうと、 商品は元のパッケージから取り出され、 市販のシンプルな専用ケースへ入れ替えられていました。 言葉では出てこなかった使いにくさが、 暮らしの中の工夫として現れていました。
Prologue
「不満はありません」という言葉だけでは、見えないことがあります。
商品について生活者へ尋ねると、 多くの場合、使いやすさや不便に感じている点を言葉で答えてくれます。
しかし、生活者が何も不満を口にしなかったからといって、 商品がそのままの状態で使われているとは限りません。
本人なりの工夫を加え、 使いやすい形へ変えていることがあります。
生活者にとっては、 すでに工夫することが習慣になっていたため、 不便だとは感じていなかったのです。
Scene 01
パッケージについて尋ねても、不満は出てきませんでした。
あるキッチン消耗品について、 生活者へ普段の使い方を尋ねました。
商品の品質や使い勝手だけでなく、 パッケージの大きさや開け方、 保管方法についても確認しました。
しかし、生活者から特別な不満は出てきませんでした。
特に困っていることはありません。
普通に使えています。
パッケージも、特に気になりません。
言葉だけを聞けば、 大きな改善点はないように見えました。
Scene 02
ところが、商品は元のパッケージのまま使われていませんでした。
実際にキッチンでの使い方を見せてもらうと、 企業担当者はあることに気づきました。
商品は、購入時のパッケージから取り出され、 市販の専用ケースへ入れ替えられていました。
そのケースは、 雑貨店などで販売されている、 シンプルで生活空間になじみやすいものでした。
さらに、調理中にすぐ手を伸ばせるよう、 冷蔵庫の側面へ磁石で取り付けられていました。
買ってきたら、いつもこちらのケースへ入れ替えます。
ここにあると、料理中にすぐ使えるので便利です。
この方が見た目もすっきりするんです。
本人は不満を訴えていませんでしたが、 実際には、元のパッケージを使わない方法を選んでいました。
Scene 03
「不便だから変えた」という意識はありませんでした。
なぜ別のケースへ入れ替えているのかを尋ねても、 生活者は強い不満を口にしませんでした。
入れ替えることが、 すでに日常の習慣になっていたからです。
元のパッケージでは使いにくいと考えるよりも、 市販のケースを使えば問題なく使えると捉えていました。
しかし企業側から見ると、 そこにはパッケージや保管方法についての 重要なヒントがありました。
Scene 04
生活者が変えていたのは、見た目だけではありませんでした。
市販のケースへ入れ替える理由を整理すると、 複数の価値が重なっていました。
キッチンの見た目をすっきりさせたい。 調理中に、必要なときすぐ手に取りたい。 引き出しを開けて探す手間を減らしたい。
購入時のパッケージを丈夫に保ちたいということだけではなく、 暮らしの中でどこに置き、 どのように使うかまで含めて、 自分に合う形へ変えていました。
求められていたのは、商品を包む箱だけではありませんでした。
生活者が必要としていたのは、 購入時に商品を保護するパッケージだけではなく、 調理中の取り出しやすさ、置き場所、 キッチンになじむ見た目まで含めた使い方でした。
Scene 05
企業担当者は、言葉よりも行動を見る必要があると気づきました。
パッケージに不満があるかと尋ねるだけでは、 今回の使い方は見えてきませんでした。
生活者本人も、 別のケースへ入れ替えることを 商品の問題とは考えていなかったからです。
しかし、実際の生活現場を見ることで、 商品が購入後にどのように扱われているかを確認できました。
不満がないなら、大きな問題はない
生活者の言葉を中心に判断し、 パッケージは問題なく使われていると考えていました。
工夫している行動に、改善のヒントがある
本人が不満と感じていなくても、 入れ替えや置き方の工夫には、 まだ満たされていない価値があると考えるようになりました。
Scene 06
生活者の工夫は、商品の不足を補っていることがあります。
生活者は、商品が少し使いにくくても、 自分なりの方法で解決することがあります。
別のケースへ入れ替える。 置き場所を変える。 道具を付け足す。 使いやすい向きへ置き直す。
こうした行動は、 必ずしも不満として語られるわけではありません。
むしろ、長く続けている工夫ほど、 本人にとっては当たり前になっています。
言葉だけではなく、 実際の使い方を見ることの大切さが、 この現場から見えてきました。
What We Found
「困っていない」という言葉の奥に、生活者自身の工夫がありました。
生活者は不満を口にしていませんでしたが、 実際には元のパッケージから取り出し、 別のケースへ入れ替えていました。
入れ替えることが日常の習慣になっていたため、 生活者自身は不便を解決しているという意識を持っていませんでした。
取り出しやすさ、置き場所、見た目など、 質問だけでは見えなかった改善の方向が、 暮らしの中の行動から見えてきました。
企業担当者は、生活者が口にする不満だけではなく、 実際にどのような工夫を加えて使っているかにも 注目するようになりました。 商品をそのまま使わず、別の道具やケースで補っている行動は、 次の改善や提案を考えるための大切な情報になりました。
Free Consultation
お客様は、本当に商品をそのまま使っているでしょうか。
「特に不満はない」という回答だけでは、 生活者が日常の中で加えている工夫までは見えてきません。 こらぼたうんでは、生活現場の観察と対話を通じて、 言葉になっていない使いにくさや、 商品改善につながる行動を一緒に見つけます。