Field Stories|CASE 009
当たり前に続けていたことが、
選ばれる理由になりました。
生活者に製造工場を見学してもらいました。 企業側にとって、衛生管理や整理整頓は、 製造業として当然に続けてきたことでした。 しかし、工場長の説明を聞いた生活者は、 その徹底ぶりや、ものづくりへの姿勢に強く反応しました。 製品を変えたのではありません。 これまで伝えていなかった価値を、伝えるようにした事例です。
Prologue
企業の中では当たり前すぎて、価値として見えていないことがあります。
商品の価値を考えるとき、 企業は機能、品質、価格、デザインなど、 製品そのものの特徴に目を向けます。
どうすれば使いやすくなるか。 競合商品と何が違うのか。 どのような言葉で伝えればよいのか。
もちろん、どれも大切なことです。
しかし、生活者が商品を選ぶ理由は、 製品そのものだけにあるとは限りません。
企業にとっては日常の一部でも、 生活者には大きな安心や信頼として受け取られることがあります。
Scene 01
生活者に、実際の製造現場を見てもらいました。
ある製造業の企業で、 生活者を工場見学へ案内しました。
見学の目的は、 製品の機能を評価してもらうことだけではありません。
商品がどのような環境でつくられているのか。 製造現場では、どのようなことを大切にしているのか。
普段は見ることのできない企業の内側を、 実際に見てもらう機会でした。
工場内は清潔に保たれ、 道具や資材は決められた場所へ整理されていました。
製造工程ごとの管理や確認も、 日々の業務として丁寧に行われていました。
Scene 02
企業にとっては、特別なことではありませんでした。
衛生管理や整理整頓について尋ねると、 企業側からは、 それほど特別な反応はありませんでした。
製品を安全につくるために、 工場を清潔に保つ。
作業しやすく、間違いが起きにくいように、 道具や部品を整理しておく。
製造業として、 当たり前に行うべきことだと考えていたからです。
これは、毎日行っていることです。
安全に製造するためには、当然必要な管理です。
特別な取り組みという意識はありませんでした。
企業の中では日常になっているため、 あえて外部へ伝える価値があるとは考えていませんでした。
Scene 03
工場長の説明を聞いた生活者は、良い意味で驚いていました。
工場長は、見学する生活者に、 日々行っている管理について説明しました。
なぜこの場所に道具を置いているのか。 なぜ作業の前後に確認を行うのか。 どのように衛生状態を保っているのか。
企業側には当たり前の説明でしたが、 生活者の反応は想像以上に大きなものでした。
ここまで細かく管理しているとは知りませんでした。
商品だけを見ていても、この安心感は分かりません。
こういう場所でつくられているなら、信頼できます。
このことを、もっと伝えた方がよいのではないでしょうか。
生活者が評価したのは、 新しく始めた取り組みではありません。
企業が以前から続けていた、 日常の管理やものづくりへの姿勢でした。
Scene 04
伝えていなかったのは、価値がなかったからではありません。
企業が衛生管理や整理整頓を 外部へ強く伝えてこなかったのは、 重要ではないと考えていたからではありません。
あまりにも日常的で、 どの製造業でも行っていることだと思っていたからです。
企業の中では、 続けることが当然になっていました。
そのため、 ホームページや商品説明でも、 製品の特徴や機能を中心に紹介していました。
むしろ、長く当たり前に続けてきたからこそ、 企業の姿勢や文化として伝えられる価値があります。
Scene 05
製品を変えるのではなく、伝える内容と伝える場所を変えました。
今回の工場見学をきっかけに、 企業は製品そのものを変更したわけではありません。
衛生管理の方法を新しくしたわけでも、 工場を見学用につくり替えたわけでもありません。
変えたのは、 企業が何を価値として伝えるかという視点でした。
製品の機能や特徴を中心に伝える
ホームページや製品リーフレットでは、 商品が持つ性能や使いやすさ、品質などを中心に紹介していました。
つくる現場や姿勢も価値として伝える
衛生管理や整理整頓、工場で働く人の考え方を、 安心や信頼につながる情報として、 ホームページや製品リーフレットなどで紹介するようになりました。
「当たり前だから伝えない」から、「当たり前に続けているから伝える」へ。
生活者の反応を通じて、 企業は製造現場の日常そのものが、 商品を選ぶ理由になり得ると気づきました。 その後は、ホームページだけでなく、 製品リーフレットをはじめとする各種の情報発信でも、 製品情報に加えて、 どのような環境と考え方でつくられているのかを 以前よりも強く伝えるようになりました。
Scene 06
製品づくりとは違う場所にも、共創の成果がありました。
この工場見学は、 新しい製品の仕様を決めた事例ではありません。
試作品が改善されたわけでも、 パッケージのデザインが変わったわけでもありません。
それでも、 企業にとって大きな発見がありました。
社内では当たり前になっていたことを、 生活者が外から見て価値として言葉にしてくれたことです。
生活者との対話は、 製品の改善点を見つけるためだけにあるわけではありません。
企業自身がまだ気づいていない強みを、 発見する機会にもなります。
What We Found
企業の日常の中に、まだ伝えていない選ばれる理由がありました。
毎日続けている衛生管理や整理整頓は、 企業側には特別なことではなく、 あえて外部へ伝える対象になっていませんでした。
工場長の説明や現場の徹底ぶりは、 生活者にとって安心や信頼につながる、 大きな選択理由になりました。
製品そのものを変えなくても、 企業がすでに持っている価値を発見し、 ホームページや製品リーフレットなど、 さまざまな接点での伝え方を変えることができました。
企業は、衛生管理や整理整頓を新たに始めたわけではありません。 以前から当たり前に続けていたことを、 生活者の反応によって価値として認識できるようになりました。 その後は、ホームページだけでなく、 製品リーフレットをはじめとする各種の情報発信でも、 製品の特徴に加えて、 製造環境やものづくりへの姿勢を強く伝えるようになりました。
Free Consultation
社内では当たり前のことに、選ばれる理由が隠れていませんか。
企業が長く続けている取り組みや、 現場で大切にしている姿勢は、 社内にいるだけでは価値として見えにくいことがあります。 こらぼたうんでは、生活者との対話や現場体験を通じて、 まだ言葉になっていない企業の強みを一緒に見つけます。