共創マーケティングで社員仲間と仕事も楽しむ!

🔍 この記事でわかること

  • 共創マーケティングが「社内の空気」をどう変えるのか
  • 社員同士の距離が縮まり、信頼関係が深まるプロセス
  • 小さな共創プロジェクトから社内を元気にするコツ

「共創マーケティング」と聞くと、
「生活者と一緒に商品をつくる」「お客様の声を商品開発に活かす」といった “外向き”の取り組みをイメージされることが多いかもしれません。

ですが、実際に現場をお手伝いしていて強く感じるのは、共創マーケティングは同時に、 「社員同士の関係性と、仕事への愛着を育てる場」でもあるということです。

普段の会議ではなかなか見えない、同僚の意外な一面。部署や立場を越えて、 「あのプロジェクト、一緒にやりませんか?」と自然に声をかけ合える空気。 共創の場には、そんな“仕事がちょっと好きになる瞬間”がたくさん詰まっています。

共創マーケティングのセッションで社員同士が対話している様子
社員・生活者が同じテーブルを囲む共創セッションの一場面

1.肩書きを外して話すと、社員同士が急に近くなる

共創セッションでは、役職や部署に関係なく、生活者の声や写真、インタビュー動画などを前に、 「自分はこう感じる」「こういう使われ方もありそう」と自由に意見を出していきます。

そこには、ふだんの会議でありがちなこんな雰囲気は、ほとんどありません。

  • 上司の顔色をうかがいながら無難な意見だけ言う
  • 発言が得意なメンバーだけが話し続ける
  • “正解探し”になってしまい、本音を言いづらい

代わりに生まれるのは、 「そのアイデアおもしろいですね!」「営業から見ると、そこが引っかかっていたんですね」 「開発側はそこまで考えていたんですか」といった、役職より“人”が前に出る対話です。

肩書きをいったん横に置いて、同じ生活者の一人として、あるいは一人のユーザーとして話をする。 この“フラットな時間”が、社員同士の距離を一気に縮めてくれます。

2.「一緒に悩んだ仲間」は、仕事仲間としても信頼しやすい

共創マーケティングでは、「思いついたアイデアをその場で評価する」よりも、 「お客様の生活や気持ちを、チームで一緒に深掘りする」ことを大切にします。

例えば、こんな問いに向き合います。

  • なぜこの人は、この商品を選ばなかったのか
  • “便利”と言いながら、どこかモヤモヤしているのはなぜか
  • 言葉には出していないけれど、本当に叶えたいことは何か

こうした問いに向き合っていると、メンバー同士で自然と、 「そこまで考えてくれていたんですね」「それ、正直に言ってくれて助かりました」 「自分一人じゃ絶対気づけませんでした」といった会話が増えていきます。

同じ問いに向き合って一緒に悩んだ経験は、あとから効いてきます。 セッションが終わったあとも、 「あのとき一緒に考えてくれた人だから、今回も相談してみよう」 「この課題、前のプロジェクトのメンバーを巻き込んだ方が良さそうだ」と、 部署を越えて声を掛け合える“仲間意識”が生まれていきます。

3.お客様の一言が、社内の「合言葉」になる

共創マーケティングの現場では、生活者のインタビューの中に、 チームの心に残る“名言”が生まれることがあります。

「値段じゃなくて、“この企業が考えてくれている感じ”が好きなんです」
「私のことを本当にわかってくれていると感じると、多少不便でも選びたくなります」

こうした言葉は、企画書の片隅にメモされて終わり…ではなく、 チームの“合言葉”として、社内で何度も登場します。

💬 合言葉があると、判断がブレにくくなる

  • 企画会議で迷ったときに「お客様のこの一言」に立ち返れる
  • コスト削減の検討でブレそうになったときの「ものさし」になる
  • 営業資料や提案書でも、ストーリーに一貫性が出てくる

この「合言葉」を共有している仲間同士は、仕事の方向性が合わせやすくなり、 部署ごとの“バラバラな正義”ではなく、お客様の視点を軸にした一体感が生まれてきます。

4.小さな共創の成功体験が、「仕事って案外おもしろい」に変わる

共創マーケティングは、いきなり“大ヒット商品”を狙うためだけのものではありません。 むしろ現場で起きているのは、こんな小さな成功体験の積み重ねです。

📉 クレームが目に見えて減った

生活者の声をもとに表示や導線を見直したことで、問い合わせ件数やクレームが減少。 「やって良かった」が数字でも実感できます。

🗣 営業トークがぐっと分かりやすく

お客様の言葉をそのままコピーに反映したことで、営業トークが伝わりやすくなり、 「説明が楽になった」という声も。

✨ 現場からのアイデアが採用された

店舗スタッフやコールセンターなど、現場からの提案が正式に採用され、 「自分たちの意見もちゃんと届く」という実感につながります。

こうした出来事を通じて、「自分の意見やアイデアが、ちゃんと仕事の成果につながった」という実感を持てる人が、 少しずつ増えていきます。これは、社員にとっての“仕事が自分ごとになる瞬間”です。

5.共創マーケティングを「社内が元気になる仕組み」にするには

共創マーケティングを単発のイベントで終わらせず、 「社内を元気にする仕組み」として続けるポイントは、とてもシンプルです。

⚙ 共創を“仕組み”にする3つのコツ

  1. 少人数でもいいので、「まずは1プロジェクト」から始める
    いきなり全社でやろうとせず、関心の高いメンバー+お客様数名で、 小さく試すところからスタートします。
  2. プロセスをちゃんと“見える化”する
    どんな声が出て、何を話し合い、何を決めたのか。 社内に共有することで、関わっていないメンバーもイメージしやすくなります。
  3. 小さな成果でも「共創から生まれたこと」として伝える
    売上や新商品だけでなく、クレーム減少や部署横断チームの誕生も、 「共創から生まれた価値」として言葉にして発信します。

おわりに:共創は、社員への“ご褒美時間”にもなる

共創マーケティングは、単なるビジネス戦略や手法の名前ではありません。

・同じお客様のことを思いながら、部署を越えて話ができること
・普段は見えない同僚の良さや強みに気づけること
・自分たちの仕事が、誰かの生活の役に立っている実感を持てること

そんな「働く人の心が少し軽くなる時間」を、会社の中に意識してつくっていく取り組みでもあります。

✅ まずはここから一歩だけやってみる

  • 最近印象に残った「お客様の声」を3つだけピックアップする
  • その声をテーマに、部署横断で30分だけのミニ対話会を開いてみる
  • そこで出た気づきから、「すぐできる小さな改善」を1つ決めて実行する

もし、社内の空気がどこか重い、部署の壁が厚くてコミュニケーションがしづらいと感じているなら――。 共創マーケティングを「売上や新商品づくりのため」だけでなく、 社員仲間と仕事を楽しむための仕掛けとして取り入れてみてはいかがでしょうか。

その第一歩として、ほんの数人でいいので、お客様と社員が同じテーブルを囲む “小さな共創の場”から始めてみることをおすすめします。

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