価値共創マーケティングの成否を左右する:企業姿勢の重要性

更新日:2026/01/19
企業姿勢が“共創の品質”を決める

企業姿勢が“共創の品質”を決める:顧客の声を受け止め、やり切る覚悟

共創は「手法」だけでは成功しません。最後に結果を分けるのは、顧客の声を受け止め、やり切る覚悟。 その覚悟は、現場の空気を変え、顧客の信頼を積み上げ、ブランドの芯になります。

共創マーケティングの本質に触れた瞬間

私たち「こらぼたうん」では、日々さまざまな企業とともに価値共創マーケティングの実践を支援しています。 共創のプロセスは決して平坦ではありません。むしろ、うまくいかない瞬間こそが、 企業の姿勢(そして本気度)を浮かび上がらせ、未来を大きく変えるきっかけになります。

あるメーカーとの取り組みで、私たちはコンセプトを基にプロトタイプをつくり、生活者を交えた検討会を実施しました。 準備を重ね、自信を持って臨んだものの、結果は芳しいものではありませんでした。 参加者からは厳しい声が相次ぎ、企画チーム全体に重い空気が流れました。

企業担当者と生活者がセッションで意見を交わしている様子
▲ 社長が直接、生活者の声に耳を傾けるセッションの様子

“きついフィードバック”が並ぶ場面は、誰にとっても心が揺れます。 でも共創では、ここが分岐点です。
「守る(言い訳する)」のか、「受け止めて磨く」のか。

企業姿勢が導く成功:リーダーの覚悟が共創の真価になる

そんな折に届いたメーカーの社長からのメールが、忘れられない一文になりました。

📩 社長からのメールより

「今回の結果につきまして、安易で甘い自分の判断で持参した試作品が残念でならず、自身に腹立たしく、 この商品への執念の希薄さに反省しきりです。

造り手側の妥協が無く、本当に消費者に満足して頂ける仕上がりに再度チャレンジに取り組む所存です。」

この言葉には、単なる謝罪や言い訳ではなく、顧客に真摯に向き合う「覚悟」が宿っていました。 トップ自らが判断の甘さを認め、執念を燃やし直す姿勢は、まさに共創の根幹です。

✅ 覚悟がある企業の特徴

厳しい声を「否定」ではなく“素材”として扱い、次の改善のエネルギーに変えられる。 そして何より、その姿勢が組織に伝播する

なぜ「姿勢」が成果を左右するのか:共創の現場で起きていること

共創マーケティングは、企業と顧客が双方向で価値を生み出していく取り組みです。 ですが、成功のカギは戦略や手法だけではありません。最後に物を言うのは、企業トップの姿勢—— 顧客の声を受け止める覚悟があるかどうかです。

顧客の声が「真実」に近づく

姿勢が伝わると、生活者は遠慮なく本音を出してくれます。
逆に「都合のいい答え」を求める空気があると、表面的な反応しか返ってきません。

現場が「守り」から「挑戦」に変わる

トップが受け止める姿勢を示すと、現場は言い訳ではなく改善に向かいます。
失敗の共有が“責め”ではなく“学び”になるからです。

つまり、姿勢は“精神論”ではありません。情報の質も、改善の速度も、組織の空気も変えてしまう、 共創の中核要素なのです。

失敗から学び、改善へつなげる:成長のサイクル

共創のプロセスでは、必ずしもすべてがうまくいくわけではありません。 むしろ、最初から顧客の期待を完璧に超えることは難しく、挑戦の中で「失敗」を経験するのが常です。

大切なのは、そこで立ち止まらず、失敗を糧に成長のサイクルを回すこと。 今回の社長のように、自らの甘さを認めつつも、次の挑戦への決意を示す姿は、 共創に生きる企業の理想像でした。

失敗を“資産”に変える

失敗は消すものではなく、次の勝ち筋のヒント。
「何が刺さらなかったか」を言語化できるほど、改善は加速します。

“良い方向の執念”が残る

妥協しない姿勢は、製品の質だけでなく組織の誇りになります。
その誇りが、顧客との信頼にもつながります。

信頼と挑戦:顧客とのパートナーシップの礎

共創は、一方的な「商品提供」ではなく、顧客とのパートナーシップに近い関係性を築くことです。 信頼を得るには、企業が課題に対して誠実に向き合い、改善への姿勢を見せることが不可欠です。

顧客も「この企業なら信じられる」と感じることで、共創の輪に参加してくれます。 挑戦を恐れず、顧客とともに歩む姿勢こそが、共創マーケティングを 「一時的な施策」から「持続的なブランドの力」へと育てていくのです。

実務で体現するための“3つの姿勢”

🧭 ここからが実務|姿勢を「行動」に変える3つ

姿勢は、言葉だけでは伝わりません。現場が「そう動ける」仕組みまで落ちると強くなります。

  • ① 受け止める:厳しい声を“反論”ではなく“材料”として扱う(まず記録し、整理する)
  • ② やり切る:改善を「次回までにここまで」と期限・責任者・判断基準で固定する
  • ③ 共有する:学びを社内に循環させる(成功も失敗も、再現できる形に残す)
💡 ワンポイント

「トップが腹をくくる」だけで終わらせず、現場が動きやすい型(会議の運び、評価の仕方、意思決定のルール) まで整うと、共創は文化として根づきます。

価値共創に生きる:喜びを感じた瞬間

今回のエピソードを通じて改めて感じたのは、共創マーケティングの真価は 「顧客とともに歩もうとする姿勢」にあるということです。

その姿勢がある企業は、たとえ一度つまずいても、何度でも立ち上がります。 そしてその姿を見た顧客は、単なる消費者ではなく「共にブランドを育てる仲間」へと変わっていきます。

私たちにとっても、その変化の瞬間に立ち会えることは大きな喜びであり、この仕事を続ける意味そのものです。 共創は、単なるマーケティング手法ではなく、人と人が信頼を築き、新しい価値を共に生み出していく“生き方”なのだと実感します。

要点まとめ(3行)

共創の成否を分けるのは、手法ではなく企業姿勢(覚悟)
姿勢は“本音の質”と“改善の速度”を上げ、信頼を積み上げる。
受け止める/やり切る/共有する——姿勢を行動に落とすと、共創は文化になる。

🧭

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