顧客が欲しいのは商品じゃない?成功体験から考える価値共創

価値共創マーケティングの視点
顧客が欲しいのは商品じゃない?
商品を通じて得たい成功体験から考える。

どれだけ丁寧に商品説明をしても「選ばれない」とき、見直したいのは“商品の特徴”ではなく、 その商品で叶えたい目的(成功体験)です。

① 商品=手段 ③ 成功体験=目的 共創=目的を共同編集する

例えば…「上履き」の場面で考えてみる

例えば、新学期や行事の前日。子どもの上履きを洗ってみたものの、汚れが思ったほど落ちない――。 ドラッグストアやホームセンターに行くと、洗剤・漂白剤・スプレーなどがずらっと並び、成分や用途の違いが細かく書かれています。 けれど正直なところ、「どれが自分の状況に合うのか」は分かりにくいものです。

スペック説明だけだと起きること

「酸素系」「塩素系」「除菌」「漂白」…言葉は並ぶのに、
いまの自分に最適な選択に結びつかない。

文脈(状況)の一言があると起きること

生活者が本当に欲しいもの(目的)が言語化され、
「これだ」と意思決定が進む。

📝 例えば、こんなPOPが付いていたら?

「明日の朝、“汚い”と言わせたくない方へ。
10分のつけ置きで、見た目が整う使い方をおすすめします。」

この一言が刺さるのは、生活者が欲しいのが「漂白成分」ではなく、
“明日の朝を安心して迎える”という目的(成功体験)だからです。

①と③の関係(目的から逆算)
③ 生活者が得たい成功体験(目的)
└ 例)「明日の朝、安心して子どもを送り出せる」
      「短時間で見た目が整う」

         ↑(この目的を叶える手段として)

① 商品・サービス(手段)
└ 例)漂白剤/洗剤/スプレー/つけ置き用品

企業が①を売ること自体を目的化すると、生活者の③とズレが生まれます。 逆に③が増えれば、結果として①も増えていきます。

「人にフォーカスする」とは、③を増やす設計をすること

ここで大事なのは、③(成功体験)を「想像で当てに行く」ことではありません。 生活者の現場(困りごと・迷い・ためらい)を丁寧に拾い上げ、言葉と導線に翻訳すること。 これが、価値共創の実務です。

実務に落とすと(共創の進め方)
  • 生活者の「状況」を観察・対話で言語化する
  • その言葉を、POP・商品設計・FAQ・導線に“実装”する
  • 反応を見て改善し、また反映する(循環)
企業側が陥りやすい罠
  • 成分や特徴(①)の説明を増やすほど伝わると誤解する
  • 生活者の目的(③)を“決めつけ”で語ってしまう
  • 「買うまでの不安」や「次の一歩」が置き去りになる

③を増やすための3つの要件

「生活者の目的を我が目的にする」ために、現場で必ず押さえたい作法です。

1)欲しい気持ちに火をつける

例えば上履きなら、「明日の朝、焦りたくない」「子どもに言わせたくない」という状況のリアルを言葉にする。 生活者が「それ、まさに私だ」と思えた瞬間、選ぶ理由が立ち上がります。

2)不安を取り除く

行動が止まる最大の要因は不安です。 「素材は傷まない?」「色柄に使える?」「手荒れは?」「失敗したら?」など、 生活者が抱く“ためらい”を先回りしてケアします。

素材への不安 効果への不安 失敗への不安 手間への不安

3)行動をエスコートする

「どう使えばいいの?」が残ると、行動は止まります。 10分つけ置き→すすぐ→干す、といった迷わない手順や、 「まずはここから」という次の一歩を具体化します。

要点まとめ(3行)

顧客が欲しいのは①(商品)ではなく③(成功体験)。
価値共創とは、生活者の状況と言葉を拾い、POP・FAQ・導線に翻訳して実装し続けること。
その実務の要が「火付け・不安解消・行動エスコート」の3要件です。

🧭

「成功体験」起点で、次の一手を整理しませんか?

この記事の考え方を自社に当てはめると、どこから改善すべきかが見えてきます。 目的(成功体験)の言語化、現場の不安ポイント整理、導線設計まで――まずは現状整理だけでもOKです。

こんな相談に向いています
「商品説明はしているのに選ばれない」
顧客の目的(成功体験)を言語化したい
不安を減らして行動につなげる導線を整えたい
相談のゴール例
成功体験(③)の仮説を一緒に整理
不安ポイントと打ち手の優先順位を決定
“次の一歩”が明確になる(やることが決まる)

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