はじめてでもわかる!顧客共創のプロセスを5つのステップで徹底解説

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「お客様の声は集めているのに、ヒット商品につながらない…」
「アンケート結果どおりに改善しても、なぜか喜ばれない…」

そんなモヤモヤを感じている担当者の方にこそ、顧客共創は大きなヒントになります。

今は、企業が一方的に「商品を用意して売る」時代から、お客様と一緒に価値をつくる時代へと確実にシフトしています。

この記事では、はじめて顧客共創に取り組む方でもイメージしやすいように、
顧客共創の基本から、実践で使える5つのステップ、成功させるためのコツや得られる効果まで、流れで分かるように解説します。

🔍 この記事でわかること

  • 「顧客共創」とは何か? 従来の調査との違い
  • なぜ今、共創が中小企業・サービス業でも重要になっているのか
  • 顧客共創を進めるための5つのステップと具体的なイメージ
  • うまくいくプロジェクトに共通する“場づくり”と社内巻き込みのコツ
  • 共創が商品だけでなく、ファンづくり・組織づくりにも効く理由

1. 顧客共創とは?

顧客共創とは、企業とお客様が一緒になって新しい商品・サービス・体験をつくることを指します。

従来のマーケティングでは、企業が「調べる側」、顧客が「答える側」として分かれていました。
アンケートやグループインタビューで意見を集め、その結果をもとに企業が「決める」のが一般的でした。

一方、顧客共創では、お客様は「回答者」ではなく「共に考えるパートナー」です。例えば…

  • 商品コンセプトづくりの段階から、「こんな商品があったらいいね」を一緒に話し合う
  • 試作品を触ってもらい、「ここは好き」「ここは使いにくい」と率直なフィードバックをもらう
  • 利用シーンを一緒に想像しながら、「こんな使い方もある」と新しい価値を見つける

こうしたプロセスを通じて、企業だけでは思いつかなかった切り口や、生活者のリアルな視点が取り込まれていきます。

2. なぜ今、顧客共創が必要なのか?

多くの商品・サービスが世の中に溢れている今、「機能」や「価格」だけでの差別化はますます難しくなっています。
どれだけスペックを良くしても、「なんとなく同じに見える」商品が増えてしまうのです。

そこで多くの企業が「お客様の声を聞こう」と動き出しましたが、よくあるのは次のような状態です。

  • アンケートを取ったが、「価格を下げてほしい」など表面的な要望だけが集まる
  • 満足度は悪くないのに、「ぜひ買いたい」「誰かに勧めたい」までは至らない

本当に必要なのは、「何がほしいですか?」と聞くことではなく、生活者と一緒に「何があったらうれしいか」を探ることです。
そのプロセスが、顧客共創です。

共創を通して得られるのは、単なるアイデアではありません。

  • 「この会社は自分たちの声を本気で聞いてくれている」という信頼感
  • 「応援したい」「誰かに話したくなる」というブランドへの愛着
  • 生活者と向き合うことで変わっていく、社内の意識やモチベーション

これらはすべて、価格競争から抜け出し、選ばれ続けるための大切な土台になります。

3. 顧客共創の5つのステップ

では、具体的に顧客共創はどのようなステップで進めればよいのでしょうか。
ここでは、こらぼたうんがご支援する際にもよく使う5つのステップを、 実務で迷わない形に整理してご紹介します。

顧客共創の5つのステップ(信頼関係を築く→本音を聞き出す→アイデアを一緒に出す→試作品や仕組みに反映する→改善しながら育てる)を示した図解
図: 顧客共創は「信頼→本音→共創→反映→改善」の流れで、関係性ごと育てていきます。

以降はこの流れに沿って、ステップ1→5を順番に解説します(各ステップで「目的」「確認ポイント」「やること」をセットで見てください)。

STEP 1

信頼関係を築く

共創のスタートは、顧客が安心して話せる場づくりからです。
いきなり欠点や要望を聞くのではなく、「ここはより良くするための場」だと感じてもらうことが先です。

✅ 目的
  • 本音が出る前提となる「安心」をつくる
  • 顧客を「回答者」ではなく「パートナー」にする
🔎 確認ポイント
  • 否定・批判が起きないルールが共有されている
  • 企業側も課題を開示し、対等な空気がある
  • 数名でも“声が出始める”雰囲気になっている
🛠 やること(最小3つ)
  • 冒頭5分:雑談+自己紹介で“場温め”
  • 最初に宣言:否定しない/正解探しにしない
  • 企業側からも「うまくいっていない点」を共有
  • 発言は必ず受け止め、要約して返す(ファシリ)
一言でいうと:共創は“場の空気づくり”から始まる。
STEP 2

本音を聞き出す

ここで扱うのは「要望」ではなく、背景・感情・文脈(インサイト)です。
具体的なシーンに入り込み、「そのとき何が起きていたか」を一緒に掘ります。

✅ 目的
  • “声”の奥にある理由・感情・前後関係(文脈)をつかむ
  • 後工程(アイデア)に効く“材料”を集める
🔎 確認ポイント
  • 具体的な場面(いつ/どこで/誰と)が語られている
  • 感情語(不安・面倒・うれしい等)が出ている
  • 一問一答で終わらず、対話が続いている
🛠 やること(最小3つ)
  • 質問を変える:「何がほしい?」→「どんな場面で困った?」
  • 深掘り:「その時どんな気持ち?」/「理想はどんな状態?」
  • 沈黙を待つ(急いで結論を出さない)
  • “原文”でメモし、言い換え過ぎない
一言でいうと:質問は“情報を取る”より、“一緒に気づく”ためにある。
STEP 3

アイデアを一緒に出す

本音(インサイト)が見えたら、次は顧客×社員でアイデアを広げる段階です。
“正しい答え”探しにしないことで、刺さる発想が出やすくなります。

✅ 目的
  • インサイトを起点に“解決の幅”を広げる
  • 生活者のリアルと社内の知見を掛け合わせる
🔎 確認ポイント
  • 「正解を言わなきゃ」空気になっていない
  • 量が出ている(数で広げてから絞る)
  • 顧客と社員の発言が混ざり合っている
🛠 やること(最小3つ)
  • ルール固定:批判しない/乗っかる/量を出す
  • 荒削りOKで並べる(付箋・カードで可視化)
  • 問いで広げる:「もし実現するとしたら?」
  • インサイト→価値仮説(誰の/どんな困りごとに/どう効く)
一言でいうと:共創の場は、“正しさ”より“面白さ”を大事にする。
STEP 4

試作品や仕組みに反映する

出てきたアイデアは、早めに小さく形にして試すのがコツです。
そして「反映して返す」ことで、共創は一気に信頼が深まります。

✅ 目的
  • “机上の案”を“検証できる形”にする
  • 顧客に「届いた感」を返して関係を強化する
🔎 確認ポイント
  • 小さく試せる状態になっている(作り込み過ぎていない)
  • 何を確かめるか(評価観点)が明確
  • 参加者へ「こう反映した」を報告できている
🛠 やること(最小3つ)
  • ラフ案/モック/簡易版など“たたき台”を作る
  • 一部の顧客・店舗で小さく試行する
  • 評価観点を決めてフィードバックを集める
  • 参加者へ共有:「こういう形で試してみました」
一言でいうと:共創は“聞きっぱなし”にせず、“カタチにして返す”までがワンセット。
STEP 5

改善しながら育てる

共創は1回きりのイベントではなく、「試す→振り返る→少し変える」を一緒に回す営みです。
継続接点があるほど、顧客は“モニター”から“仲間”へ変わっていきます。

✅ 目的
  • リリース後の学びを次の改善へ接続する
  • 関係性を“育てる資産”に変える
🔎 確認ポイント
  • 定期的に対話する場がある(単発で終わっていない)
  • 改善の履歴・理由が共有されている
  • 使い方/事例/口コミが集まり始めている
🛠 やること(最小3つ)
  • 定例の振り返り(例:月1/四半期)を設ける
  • 新しい使い方・活用事例を共有してもらう
  • 改善のたびに「こう変えました」を報告する
  • 共創メンバーの役割を“仲間”へ(紹介/試用/企画参加など)
一言でいうと:共創は、“つくって終わり”ではなく“育て続ける関係づくり”。

4. 共創をうまく進めるためのコツ

顧客共創をうまく進めるプロジェクトには、いくつか共通点があります。ここでは代表的なポイントを3つに絞って紹介します。

  • ① ファシリテーターを立てる
    誰が場を進行し、意見を拾い上げるのかを明確にしておくことで、 発言の偏りや沈黙への不安を和らげることができます。
  • ② 社内のキーパーソンを巻き込む
    共創を単発のイベントで終わらせないためには、 開発・営業・マーケティングなどのキーパーソンを早い段階から巻き込んでおくことが重要です。
  • ③ 「失敗してもいい場」であることを共有する
    お客様も社員も、「正解を言わなければ」と身構えてしまうと、本音が出にくくなります。 はじめに「ここは実験の場です」と宣言するだけでも、空気は変わります。

共創は、特別なテクニックよりも、安心して話せる場・一緒に考える姿勢が何よりの土台になります。

5. 顧客共創から生まれる効果とは?

顧客共創から生まれる価値は、「アイデアの数」だけではありません。むしろ、目に見えにくいけれど長く効いてくる効果がたくさんあります。

  • お客様との絆が深まり、ファンが増える
    共創に参加したお客様は、単なる購入者ではなく「一緒につくった仲間」です。 自然と応援したくなり、口コミや紹介も生まれやすくなります。
  • 社内の一体感やモチベーションが高まる
    生活者の声を直接聞くことで、「自分たちの仕事が誰の役に立っているのか」が実感しやすくなり、 社員の表情や会話が変わっていきます。
  • ブランドのストーリーが豊かになる
    「この商品は、こんな方々と一緒につくりました」という物語は、 カタログスペック以上に、選ばれる理由になります。

こうした効果は、短期的なキャンペーンでは得にくい“じわじわ効いてくる資産”と言えます。

6. まとめ:共創は「短期キャンペーン」ではなく“育てる投資”

顧客共創は、時間も手間もかかる取り組みです。
しかし、そのプロセスを通じて得られるのは、単なるアイデアや改善案だけではありません。

顧客との信頼関係、ブランドへの愛着、社内の変化──。
それらは、これからのビジネスにおいて価格や機能では代替できない「価値」になっていきます。

「まずは小さく試してみる」ことからで構いません。
自社にとって大切なお客様と一緒に、小さな共創の場をつくるところから、第一歩を始めてみてください。

共創は、一度のイベントで成果を測るものではなく、お客様と一緒に未来を育てていく“投資”です。
その一歩を踏み出す企業が増えることが、結果として社会全体の豊かさにもつながっていくと、こらぼたうんは考えています。

📚 深掘りガイド

次のワークで“そのまま使える型”を集めました

「やり方は分かった。でも、実務で回すと詰まる」——その“詰まりどころ”を解消するための型を、テーマ別にまとめています。
台本・チェック・声かけ例まで載せているので、まずは気になるテーマを1つ、3分だけ覗いてみてください。

アジェンダの作り方

議論が散らかる/結論が出ない…を防ぐために。時間割進行台本で、会議を“進む場”に変えます。

  • 課題再定義/発散/合意形成の時間割
  • 進行台本とチェック
👉 そのまま使える台本を見る

心理的安全性を高める場づくり

声が出ないのは“人”ではなく“場”の設計かもしれません。6つのルールと難所の対処で、発言が自然に増えます。

  • 6つのルール
  • 声の拾い方・難所対処
👉 場づくりのコツを読む

アイスブレイク20選

最初の5分で空気は決まります。目的別に選べる台本つきで、初対面でも一気に話しやすく。

  • 目的別・台本付き
  • オンライン/大人数
👉 目的から選んで使う

ファシリ失敗あるあると対策

沈黙/脱線/対立…“あるある”は想定しておけば怖くない。リカバリ台本で整理しています。

  • 兆候→原因→対処
  • リカバリ台本
👉 困った時の対処を見る

ふりかえり&記録の型

ワークを“やりっぱなし”にしないために。写真・原文カード・共有テンプレで、学びを次の行動に接続します。

  • 写真・原文カード
  • 共有テンプレ
👉 記録テンプレを使う

顧客インサイトとは?

アンケートでは出ない“本音”をどう掘るか。見つけ方・質問例・原文カードで、インサイト発見を再現可能にします。

  • 見つけ方・質問例
  • 事例と原文カード
👉 インサイトの掘り方を見る

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