この用語の実務での使い方は 共創ワークショップ完全ガイド(アイデアWS10選) に掲載しています。
インサイトスケッチ
定義
インサイトスケッチとは、現場観察やインタビューで得た気づきを、
短いスケッチ(図解)+逐語メモ+状況情報で1枚に素早くまとめる記録・共有手法です。
チーム内での共通理解をつくり、洞察(インサイト)と機会仮説へつなげます。
ねらい
- テキストだけでは伝わりにくい文脈・身振り・配置を絵で残す
- 観察と解釈を切り分け、事実→意味→機会の流れで議論する
- 属人的な記憶を排し、再現可能なチーム資産に転換する
描き方(ステップ)
- 観察の即時記録:人物の配置・手元・視線・使っている物・環境を書き留める
- 逐語メモ:象徴的な発話は「」で引用(意訳ではなく原文を短く)
- 状況タグ:誰が/どこで/いつ/何のために(目的)
- 行動の引き金と摩擦:きっかけ・制約・躊躇・代替行動をメモ
- 感情の手がかり:表情・間・語尾・ため息などの兆候
- 意味の仮説:観察から導かれる「なぜ?」を1行で仮説化(※事実欄と分離)
- 機会の種:満たされない進歩/望ましい変化を1行で(JTBD視点)
事実と解釈を枠で分け、日付・観察者・場所を必ず入れましょう。
ミニ例(書き分け)
- 事実:レジ前で財布とスマホを持ち替え3回落とす。「ポイントは…どこだっけ」
- 意味仮説:決済手順が覚えにくく、片手操作への不安が大きい
- 機会:片手で完結する決済UI/ポイント自動適用の明示
テンプレート(使い回し用)
- タイトル:[状況の一言要約]
- スケッチ欄:人物・物・矢印・視線・注釈
- 事実メモ:逐語/行動/環境(箇条書き3〜5)
- 状況タグ:誰/どこ/いつ/目的
- 感情サイン:表情・トーン・沈黙・姿勢
- 意味仮説(Why):……
- 機会仮説(So what):……
- 検証メモ:次に確かめること・指標
※ 作成後は、プロトタイピングやユーザビリティテストで仮説検証へ。
よくある落とし穴
- 主観化:事実欄に解釈や評価語が混入する
- 文字だらけ:絵がない/配置が不明で再現性が落ちる
- 点在化:個人のノートに散らばり共有されない(保管場所と命名規則を統一)
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