コーゼーション(Causation)
定義
コーゼーションとは、目標(ゴール)を先に定め、その達成に必要な手段を逆算して選び、計画的に実行する意思決定の考え方です。
市場規模や需要、価格帯、競合などの情報をもとに「勝ち筋」を描き、リソース配分・工程管理・KPI設計を行って成果を取りにいきます。
コーゼーションは“予測して当てにいく”力があるほど強くなる思考です。
既存市場で、変数が読みやすい(=不確実性が低い)ほどフィットします。
価値共創マーケティングとの関係
価値共創マーケティングは、顧客・生活者・現場との対話と試行を通じて、価値提案を更新していくアプローチです。
そのため実務では「コーゼーションだけ」だと、合意待ち/追加調査/完璧主義に偏って止まることがあります。
一方で、共創で得た学びが整理されてきた段階では、コーゼーションの計画・仕組み化(KPI/運用/再現性)が非常に有効です。
・不確実性が高い序盤 → エフェクチュエーション(小さく試して学ぶ)
・学びが固まり、拡張する段階 → コーゼーション(計画で伸ばす)
エフェクチュエーションとの違い
- 出発点: コーゼーション=ゴールから逆算 / エフェクチュエーション=手元資源から開始
- 意思決定: コーゼーション=予測と分析で最適化 / エフェクチュエーション=実験と協力者で更新
- 失敗の扱い: コーゼーション=計画誤差として修正 / エフェクチュエーション=学びの材料として活用
- 向く状況: コーゼーション=既存市場・読みやすい / エフェクチュエーション=新規性・読みづらい
実務での活用例
- 販促計画: 目標売上から逆算し、媒体・予算・スケジュールを設計する。
- 商品企画: ターゲットと価値提案を定め、要件定義→開発→発売の工程を組む。
- 営業設計: 受注目標から逆算し、KPI(商談数、提案数、成約率)を設計して運用する。
- 拡張フェーズ: 共創で見えた勝ち筋を“再現できる型”に落として横展開する。
FAQ
- Q. コーゼーションは古い考え方ですか?
- A. いいえ。状況に合えば強力です。読みやすい市場や、横展開・運用フェーズでは今でも中心になります。
- Q. 不確実性が高いのに、コーゼーションで進めてしまうとどうなりますか?
- A. 「合意待ち」「追加調査」「完璧主義」で止まりやすくなります。序盤は小さく試して学ぶ設計が安全です。
- Q. 実務ではどう組み合わせるのが良いですか?
- A. まずはエフェクチュエーションで学びを得て勝ち筋を固め、その後コーゼーションで計画・KPI化して伸ばすのが鉄板です。
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