マーケティング1.0から4.0までと今求められる「共創型戦略」/マーケティングの進化と共創の流れ

この記事は価値共創マーケティングの全体像(基本・ポイント・導入法)で紹介しているテーマの一部を掘り下げた内容です。実務で使えるコツや事例を中心に解説します。

Marketing 1.0 to 4.0

マーケティング1.0から4.0までと今求められる「共創型戦略」

マーケティングは、製品を効率よく売る時代から、顧客を理解し、共感を生み、生活者とともに価値を育てる時代へと進化してきました。 いま企業に求められているのは、単に情報を届けることではなく、生活者との対話を通じて、商品・売り場・伝え方を見直し続ける「共創型戦略」です。

企業が顧客とどのように関わり、どのように価値を届けるか。 その考え方は、時代とともに大きく変化してきました。 大量生産・大量消費の時代には、良い製品をつくり、効率よく流通させ、広告で知らせることが重要でした。

しかし、モノや情報があふれる現在では、それだけでは選ばれにくくなっています。 生活者は、自分で調べ、比較し、口コミを確認し、納得したうえで選びます。 さらに購入後には、自分の体験を共有し、他の人の意思決定にも影響を与えます。

つまり、企業が一方的に「伝える」だけではなく、生活者と向き合いながら価値を育てる姿勢が欠かせなくなっているのです。

この記事では、マーケティング1.0から4.0までの進化を整理しながら、なぜ今「共創型戦略」が求められているのかを解説します。 単なる理論ではなく、商品企画・売り場づくり・伝え方の見直しにどう活かせるのかまで考えていきます。

マーケティングの進化と共創の流れ

マーケティングの歴史は、大きく4つの段階で捉えることができます。 それぞれの時代で、企業が重視してきたもの、顧客との関係性、価値のつくり方が変化してきました。

マーケティング1.0から4.0までの進化と視点の違いを示した図
図1:マーケティング1.0〜4.0の進化と視点の違い
Marketing 1.0

製品中心のマーケティング

マーケティング1.0は、製品中心の考え方です。 企業の関心は、いかに良い製品をつくり、効率よく販売するかにありました。 代表的な考え方が、製品・価格・流通・販促を整理する「4P」です。

Marketing 2.0

顧客志向のマーケティング

市場が成熟し、似たような商品が増えると、企業は「誰に向けた商品なのか」を考える必要が出てきました。 STPやCRMを活用し、顧客のニーズや属性に合わせて届け方を変える発想が広がりました。

Marketing 3.0

価値・共感を重視するマーケティング

商品そのものだけでなく、企業の姿勢、理念、社会的な意味にも注目が集まるようになりました。 「安いから」「便利だから」だけではなく、「共感できるか」「信頼できるか」が選ばれる理由になります。

Marketing 4.0

参加・共創のマーケティング

SNSやレビュー、検索行動が当たり前になり、生活者は情報の受け手であると同時に、発信者にもなりました。 企業は、顧客を説得する存在ではなく、ともに価値を育てるパートナーとして関わることが求められています。

この変化を見ると、マーケティングは単に「売るための技術」ではなくなっていることがわかります。 現在の企業に求められているのは、生活者の行動や気持ちを理解し、商品やサービスの価値を一緒に磨いていく姿勢です。

AISASモデル:生活者が検索し、比較し、共有する時代へ

かつては、広告を見て商品を知り、興味を持ち、購入に至るという流れが中心でした。 しかし現在は、生活者が自ら検索し、レビューを読み、SNSで評判を確認し、購入後には自分の体験を共有します。

AISASモデルの5つの流れを示した図
図2:AISASモデル ─ 生活者が検索し共有する時代

AISASモデルは、生活者の購買行動を以下の5つの流れで整理した考え方です。

1 Attention
注目
2 Interest
興味
3 Search
検索
4 Action
行動
5 Share
共有
  • Attention:注目される
    生活者が商品やサービスの存在に気づく段階です。広告、SNS投稿、店頭、紹介、検索結果など、接点は多様化しています。
  • Interest:興味を持つ
    「少し気になる」「自分に関係がありそう」と感じる段階です。ここでは、商品の特徴だけでなく、表現のわかりやすさや共感できる文脈も重要になります。
  • Search:自ら調べる
    生活者は企業の説明だけで判断しません。検索、レビュー、SNS、比較サイト、実際に使った人の声などを確認しながら、自分に合うかどうかを判断します。
  • Action:行動する
    情報収集や比較を経て、購入、問い合わせ、資料請求、来店、申込などの行動につながります。ここでは、信頼感や納得感が大きな後押しになります。
  • Share:体験を共有する
    購入後の感想や体験は、SNSや口コミを通じて他の生活者に届きます。良い体験は次の顧客を生み、違和感のある体験は選ばれない理由にもなります。

企業がどれだけ「良い商品です」と伝えても、生活者が検索し、比較し、納得できなければ選ばれにくい時代です。 だからこそ、企業には一方通行の広告だけでなく、生活者の視点を商品づくりや伝え方に反映する「共創型戦略」が求められています。

今求められる共創型戦略とは何か

マーケティング4.0の流れの中で重要になるのが、企業と生活者がともに価値を育てる「共創型戦略」です。 これは、生活者に商品開発を丸投げするという意味ではありません。

企業の技術や経験、作り手の想いを大切にしながら、生活者の声、違和感、使い方、選び方を取り入れ、より選ばれやすい形へ磨いていく実務的なアプローチです。

価値共創マーケティングの循環構造を示した図
図3:共創型戦略の循環構造 ─ 生活者と企業の共進化

共創型戦略では、企業と生活者の関係性に以下のような変化が起きます。

  • 生活者を「調査対象」ではなく「共創パートナー」として見る
    アンケートで回答を集めるだけでは、生活者の本音や背景までは見えにくいものです。 共創では、生活者を単なる回答者としてではなく、一緒に考える相手として捉えます。 その対話から、数字だけでは見えない違和感や期待、使われ方のヒントが見えてきます。
  • 企業は“売る”前に“聴く”
    従来のマーケティングは、どう伝えるか、どう売るかに意識が向きがちでした。 しかし共創では、まず生活者の言葉に耳を傾けます。 「なぜそれを選ぶのか」「どこで迷うのか」「何が伝わっていないのか」を知ることで、商品や売り方を見直す具体的な手がかりが得られます。
  • ブランドは、共感と信頼の積み重ねで選ばれる
    価格や機能だけで差別化しにくい時代には、企業の姿勢や関わり方も選ばれる理由になります。 生活者と丁寧に向き合い、その声を商品やサービスに反映していくことで、「この会社はわかってくれている」という信頼が生まれます。
  • 単発の売上ではなく、継続的な関係を育てる
    共創の価値は、1回の商品開発だけにとどまりません。 生活者との関係が深まることで、継続的な改善、口コミ、紹介、再購入、応援といった長期的な価値につながります。

ここで大切なのは、共創型戦略を「きれいな理念」として終わらせないことです。 実務で大事なのは、生活者との対話から得られた気づきを、商品企画、売り場、パッケージ、営業資料、Webページ、販促表現などにどう落とし込むかです。

共創型戦略は、実務で何に役立つのか

価値共創マーケティングや共創型戦略という言葉だけを見ると、少し学術的に感じるかもしれません。 しかし、実務の現場で見ると、非常に具体的な課題解決に役立ちます。

商品企画の見直し

社内だけでは見えにくい使用場面や選ばれる理由を整理し、新商品や既存商品の改善に活かします。

伝え方の改善

作り手が伝えたいことと、生活者が知りたいことのズレを見つけ、Webや販促表現を見直します。

売り場・販路の工夫

買い物時の迷いや反応をもとに、売り場での見せ方、説明の順番、提案方法を整理します。

たとえば、生活者との対話や買い物同行を行うと、企業側が「強み」だと思っていたことが実は伝わっていなかったり、 逆に企業があまり意識していなかった部分に生活者が魅力を感じていたりすることがあります。

こうした気づきは、会議室の中だけではなかなか出てきません。 実際の生活の場、買い物の場、使う場面に近づくことで、商品づくりや売り方のヒントが具体的になります。

こらぼたうんが大切にしているのは、価値共創マーケティングを「理論として説明すること」ではなく、 企業が実際に商品・売り場・伝え方を見直すための実践支援として活かすことです。

まとめ:マーケティングは「顧客を動かす」から「顧客と動く」へ

マーケティングは、製品中心の1.0から、顧客志向、価値主導、そして共創へと進化してきました。 その背景には、生活者が情報を受け取るだけでなく、自ら調べ、比較し、共有する存在になったことがあります。

これからの企業に求められるのは、顧客を一方的に動かそうとすることではありません。 生活者の声を受け止め、社内の視点と掛け合わせながら、商品やサービスの価値を一緒に育てていくことです。

「顧客を動かす」から「顧客と動く」へ。
共創型戦略は、学問としての考え方にとどまらず、商品企画、売り場づくり、販促、営業、社内研修に活かせる実務のアプローチです。

生活者との対話から、選ばれる理由を一緒につくりませんか

こらぼたうんでは、価値共創マーケティングの考え方をもとに、生活者との対話や観察を通じて、 商品づくり・売り場づくり・伝え方の見直しを支援しています。

「顧客の声を聞いているのに、商品企画に活かしきれていない」 「価格以外で選ばれる理由をつくりたい」 「社内だけでは発想が広がらない」 と感じている企業様に向けて、実務に落とし込める伴走支援を行っています。

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