こらぼたうんでは、企業担当者と消費者が共に価値を創り出す「共創ミーティング」を数多く実施しています。その際、必ず大切にしていることのひとつが、「他人の意見を否定しない」というルールです。
創造的なアイデアを育てるには、まず批判のない安心できる空間を整えることが何よりも重要です。発言の自由が確保された環境でこそ、参加者は思考の枠を超えた斬新な提案を出せるようになります。
■ 共創ミーティングで守っていただきたいこと
こらぼたうんの共創ミーティングでは、最初に「守っていただきたいルール」として次のようなお願いをしています。
- 発言者のアイデアを頭ごなしに否定しない
- 「現実的に無理」など実行可能性ばかりに目を向けない
- 他人のアイデアに乗っかって拡張・発展させる意識を持つ
これは単なるマナーの話ではなく、創造性を引き出すための土台となる非常に重要な文化的ルールです。
■ 批判からはアイデアは生まれない
創造的なアイデアを引き出すための手法として有名な「ブレイン・ストーミング」には、次の4つの基本ルールがあります。
- 批判厳禁: いかなるアイデアも否定・評価しない
- 自由奔放: 「できる・できない」を考えずに自由に発言
- 質より量: とにかく数を出すことを優先する
- 結合改善: 他人のアイデアに乗ってさらに良くする
特に最初の「批判厳禁」は、創造的な場において最も重要なルールとされています。
「そんなのつまらない」「それは現実的じゃない」──こうした否定的な発言が場に出ると、その瞬間から空気が冷え、発言意欲が一気にしぼんでしまいます。
どんなに未熟に見える意見も、それは未来のアイデアの“種”です。種を育てる前に潰してしまうことのないよう、場を守る配慮が欠かせません。
■ なぜ人は発言を控えるのか?
誰もが一度は経験したことがあるはずです。会議やミーティングで勇気を出して発言したアイデアが即座に否定されたとき、次からは発言することに躊躇してしまうようになります。
特に共創ミーティングのような異なる立場・視点を持つ人が集まる場では、「批判を恐れる心理」が強く働きます。 だからこそ、主催側は積極的に「安心して話せる場」をつくる必要があります。
イノベーションは、“正しさ”の中では生まれません。
予測不可能で、時に奇抜とも思えるアイデアを歓迎する土壌からこそ、未来の価値が芽吹くのです。
■ こらぼたうんの共創現場から
実際に私たちが共創の現場で立ち会ってきた経験からも、次のような傾向が見られます。
- 最初に空気を読んで発言を控える参加者が多い
- 誰かが「否定されずに自由に話せた」瞬間から一気に場が動き出す
- 常識外の発言から、革新的な発想に至るケースが多い
だからこそ、私たちはいつも伝えています。「他人のアイデアに出会ったら、まず受け止めよう」と。
本当に新しい価値を生み出したいのならば、「無理」「変だ」「普通じゃない」といった言葉を手放し、相手の視点に寄り添いながら、共に育てる姿勢が不可欠です。
■ 批判しないという文化が創造性を育てる
革新的な商品、ユニークなサービス、今までになかった解決策。それらは、批判を乗り越えた“天才のひらめき”から生まれたのではなく、多くの場合「自由に語れる文化」から自然と生まれています。
こらぼたうんでは、そんな文化づくりを企業とともに支援しています。生活者と向き合い、傾聴し、自由な発想が交わされる場を丁寧に設計する。
その積み重ねが、やがてブランドの未来を変える力になるのです。
“否定しない”というルールが、未来を動かす第一歩。
それが、こらぼたうんの共創マーケティングにおける信念です。