ROMI(マーケティング投資利益率)

定義

ROMI(Return On Marketing Investment)とは、 マーケティング施策に投じた費用に対してどれだけの増分利益を得られたかを示す指標です。
売上を基準にするROASと異なり、利益(粗利や限界利益)を基準に評価するため、 実際の収益性を把握するのに適しています。

ポイント: ROMIは「儲けに直結する指標」。短期的な広告効果だけでなく、中長期的なマーケ投資の採算性を測れます。

計算式

ROMI = (増分売上 × 粗利率 − マーケ費) ÷ マーケ費

簡易式:ROMI = 増分利益 ÷ マーケ費 − 1

※ 「増分売上」は、施策を行わなかった場合との差分(インクリメンタリティ)を指します。

活用方法

  • 施策の投資回収性を評価: 広告、CRM、イベント施策などの費用対効果を利益基準で把握。
  • 予算配分の意思決定: 高ROMIの施策に投資を集中し、低ROMI施策を改善または縮小。
  • ROASの補完: ROASでは黒字に見えても、実際は赤字というケースを防ぐ。

ROASとの違い

  • ROAS: 売上 ÷ 広告費 → 広告チャネルの即効性を評価。
  • ROMI: 利益 ÷ マーケ費 → 投資全体の回収性を評価。

広告運用の現場ではROAS、経営判断や施策比較にはROMI、と使い分けるのが基本です。

具体例

マーケ費200万円で、増分売上1,000万円・粗利率30%の場合:

  • 増分利益 = 1,000万円 × 30% = 300万円
  • ROMI = (300万円 − 200万円) ÷ 200万円 = 0.5(= +50%)

FAQ

Q. ROMIはどれくらいあれば良い?
A. 一般的にはプラスであれば投資回収できています。サブスク型やLTVの高い事業では短期赤字でも中長期ROMIを重視します。
Q. ROASと併用すべき?
A. はい。ROASは広告効率、ROMIは収益性。両輪で見ることで施策の真の価値が見えます。
Q. 中小企業でも必要?
A. 必要です。限られた予算を効率よく使うために「利益ベースでの判断」が重要になります。

👉 他の用語も調べたい方はこちら

マーケティング用語集トップページへ戻る

おすすめの記事
最近の記事
  1. 営業を「値引き担当」で終わらせない──共創マーケティングで一緒に価値をつくるチームへ

  2. 値下げしても楽にならない…中小企業が「脱・価格競争」に踏み出す3つの共創戦略

  3. 比較で戦う「差別化」から、選ばれる「独自化」へ

  4. グループインタビュー vs 共創セッション──“意見収集”から“発想・改善”へ進める方法”

  5. 会議で沈黙、カフェで熱弁──人はどこで本音を語るのか

  6. 大手に勝てない理由は「真似」しているから─中小企業が描く独自の成長曲線

  7. 分断の時代を乗り越える鍵─共創型マーケティングとは何か

  8. イチゴ2粒500円──日常を“非日常”に変える、消費者視点と生産者の知恵

  1. 営業を「値引き担当」で終わらせない──共創マーケティングで一緒に価値をつくるチームへ

  2. 値下げしても楽にならない…中小企業が「脱・価格競争」に踏み出す3つの共創戦略

  3. 上司の“好み”で決まる企画会議から抜け出すには ── 評価バイアスを超えて、納得を得る企画へ

  4. 「差別化しろ」と言われても…企画迷子になる理由

  5. 企画がヒットしないのは“想定顧客”が間違っているから|共感リサーチで「伝わる企画」へ

  6. お客様の声を“そのまま”使っていませんか?ヒット商品に変える3ステップ

  7. 共創アイデア創出力チェック|発想の柔軟性を10問でセルフ診断

  8. 共創価値発信力チェック|共感を広げる伝える力を10問でセルフ診断