hreflang(ハレフラング)

定義

hreflang(ハレフラング)とは、多言語・多地域向けに用意した同一コンテンツのバリエーション同士を相互に関連付け、検索エンジンに「どの国・言語のユーザーへどのURLを見せるべきか」を伝えるための指定です。
HTMLの <link rel="alternate" hreflang="…" href="…" /> またはXMLサイトマップで実装します。

ポイント: 正しく実装すると、誤った言語ページが表示されるリスクを減らし、直帰率や重複評価の課題を軽減できます。

効果・メリット

  • 適切な言語表示: ユーザーの言語・地域に合うページが検索結果に出やすくなる。
  • 重複回避: 言語違いの同内容ページ間でSEO評価が分散しにくい。
  • UX向上: 不一致表示による離脱を抑制し、CVR改善につながる。

実装の基本(HTMLヘッダ例)

<!-- 日本語(日本) -->
<link rel="alternate" hreflang="ja-JP" href="https://example.com/ja/" />
<!-- 英語(米国) -->
<link rel="alternate" hreflang="en-US" href="https://example.com/en-us/" />
<!-- 英語(英国) -->
<link rel="alternate" hreflang="en-GB" href="https://example.com/en-gb/" />
<!-- グローバル既定(x-default) -->
<link rel="alternate" hreflang="x-default" href="https://example.com/" />

実装は相互参照が必須です。各バージョンのページが、他の全バージョン(+自分自身)へのhreflangを出力してください。

実装パターン

  • HTML内リンク: 各ページの<head>link rel="alternate"を列挙。
  • XMLサイトマップ: サイトマップ内でxhtml:linkを使い、全言語版の相互参照を定義。
  • HTTPヘッダ: PDFなどHTML以外のファイルで使用。

設計・記法のポイント

  • 言語コード: ISO 639-1(例:jaen)。
  • 地域コード: 必要に応じてISO 3166-1(例:JPUS)。ja-JPのようにハイフンで結合。
  • x-default: グローバル既定(言語自動判定ページや地域選択ページなど)に設定。
  • 自己参照: それぞれのページが自分自身のhreflangも含める。
  • 正規URLとの整合: rel="canonical"は各言語版の自ページを指す(他言語をcanonicalにしない)。
  • URLの一貫性: プロトコル/ホスト/末尾スラッシュの表記を統一。

よくある誤りと対策

  • 相互リンクの欠落: 片方向のみだと無効化されやすい → 全バリエーションから相互参照。
  • コードの誤記: en-UKなど誤った地域コード → 正しくはen-GB
  • 別言語へcanonical: 他言語を正規指定すると評価が統合されて表示が不安定に → 各言語は自己canonical。
  • URLの混在: http/https・www有無が混在 → 統一した絶対URLで出力。
  • 一部ページだけ実装: ある言語版にだけ存在しないURL → 存在しないURLは指定しない、または対応ページを用意。

FAQ

Q. hreflangはランキングを直接上げる?
A. 直接的な順位上昇要因ではありませんが、適切な言語ページが表示されることでUX・CVRが改善し、結果的にSEOに良い影響を与えます。
Q. サイトマップ実装とHTML実装はどちらが良い?
A. どちらでも問題ありません。大規模サイトはサイトマップ実装が管理しやすい傾向があります。
Q. 自動リダイレクト(IPやブラウザ言語)と併用しても良い?
A. 可能ですが、ユーザーが他言語に切り替えられるUIを用意し、検索エンジンのクロールを妨げないよう配慮してください。

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