顧客ロイヤリティ(Customer Loyalty)
定義
顧客ロイヤリティとは、顧客が企業やブランドに対して抱く愛着・信頼・共感・継続利用の意思の総合的な度合いを指します。
「このブランドが好きだ」「これからも選び続けたい」と感じてもらえる状態であり、
価格競争に巻き込まれずに選ばれ続けるための土台となります。
・気持ちの結びつき=心理ロイヤリティ
・実際の購買行動の継続=行動ロイヤリティ
この2つがそろっているほど、事業の安定性と収益性が高まりやすくなります。
なぜ顧客ロイヤリティが重要なのか
- 新規獲得コストよりも安定する: 既存顧客に続けて選んでもらう方が、新規獲得よりもコスト効率が高い。
- 価格競争の回避: 「少し高くてもここがいい」という状態は、値引きに頼らない経営につながる。
- クチコミ・紹介が生まれる: ロイヤル顧客は「推奨者」となり、新たな顧客を連れてきてくれる。
- LTV(生涯価値)の向上: 長期的な売上・利益の安定につながる指標としても重要。
価値共創マーケティングとの関係
価値共創マーケティングでは、顧客を「買ってもらう相手」ではなく、価値を一緒につくるパートナーとして捉えます。
共創の場に参加した顧客は、商品やサービスの背景を理解し、「自分も関わっている」「一緒に育てている」という感覚を持ちやすくなります。
こうした経験は、単なる満足を超えた強い心理ロイヤリティとなり、
結果としてリピート利用や他者への推奨といった行動ロイヤリティへとつながっていきます。
実務での活用例
- 心理ロイヤリティ調査(共感度・好意度・信頼度・推奨意向など)を定期的に実施し、感情面での結びつきを可視化する。
- リピート率・継続利用率・解約率などをモニタリングし、行動ロイヤリティをKPIとして管理する。
- 共創ワークショップやユーザー会など、顧客が参加できる場を設け、ブランドへの関与感を高める。
- NPS(ネットプロモータースコア)を導入し、「他の人にすすめたいか」を継続的に測定する。
具体例
例)カフェチェーンでは、単にコーヒーを提供するのではなく、「自分の時間に戻れる第三の場所」という体験を重視しています。
常連客の声を取り入れた季節メニューや店内環境づくりを行うことで、
「ここに来るとほっとする」「このブランドが好きだ」という心理ロイヤリティを高め、結果として来店頻度や客単価といった行動ロイヤリティの向上につなげています。
FAQ
- Q. ロイヤリティと顧客満足度の違いは?
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A. 顧客満足度は「その時の体験にどれだけ満足したか」という一時点の評価です。
一方で顧客ロイヤリティは、「今後も継続して選びたいか」「誰かにすすめたいか」といった、長期的な関係性を示す概念です。 - Q. 心理ロイヤリティを高めるにはどうすればよいですか?
- A. 商品機能だけでなく、ブランドの想い・ストーリー・社会への姿勢など、 顧客が共感できる価値観を一貫して伝えることが重要です。共創の場で顧客の声を取り入れ、それを見える形で反映することも効果的です。
- Q. 行動ロイヤリティはどのように測定しますか?
- A. 再購入率、継続利用率、解約率、購買頻度、購入金額の推移などを指標として追跡します。 サブスクリプション型ビジネスでは、継続率やチャーン率が代表的な指標です。
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