パンくずリスト(Breadcrumb)
定義
パンくずリスト(Breadcrumb)とは、Webサイト内でユーザーが現在いる位置と、上位階層への道筋を示すナビゲーションです。
例)トップ > カテゴリ > 記事名 のように階層をテキストリンクで並べ、上位ページへ容易に戻れる導線を提供します。
役割・効果
- 回遊性向上: 迷子防止と「戻る」以外の移動手段を提供。
- 階層の理解促進: コンテンツの位置づけを一目で把握可能。
- SEOの補助: 構造化データにより検索結果へパンくずが表示されることがある。
- 直帰率の低減: 関連上位ページへ誘導し離脱を抑制。
設計のポイント
- 左から上位→右が下位: 一般的な読解順に合わせる。
- 最後の要素は非リンク: 現在地はテキストのみで示すのが基本。
- 区切りは視認性重視:
>
や/
、アイコン等。装飾過多は避ける。 - サイト構造と一致: カテゴリやURL階層と齟齬がないように。
- モバイル最適化: 折り返し・省略(中間省略)・スクロール対応を検討。
- アクセシビリティ:
<nav aria-label="Breadcrumb">
を付与し、リスト構造でマークアップ。
実装例(HTML)
<nav aria-label="Breadcrumb"> <ol> <li><a href="/">ホーム</a></li> <li><a href="/category/">カテゴリ</a></li> <li aria-current="page">記事タイトル</li> </ol> </nav>
リスト(ol/li)と aria-current="page"
を用いるとスクリーンリーダー配慮になります。
構造化データ(BreadcrumbList)
JSON-LDでパンくずを検索エンジンへ明示できます。
<script type="application/ld+json"> { "@context": "https://schema.org", "@type": "BreadcrumbList", "itemListElement": [ {"@type": "ListItem","position": 1,"name": "ホーム","item": "https://www.example.com/"}, {"@type": "ListItem","position": 2,"name": "カテゴリ","item": "https://www.example.com/category/"}, {"@type": "ListItem","position": 3,"name": "記事タイトル","item": "https://www.example.com/category/article/"} ] } </script>
よくある落とし穴
- サイト構造との不一致: パンくずとURL/カテゴリが噛み合わず混乱を招く。
- すべてリンク化: 現在地までリンクにするとUXが低下。
- モバイルでの折り返し崩れ: 長いタイトルでUIが破綻。中間省略(例:ホーム > … > 記事)を検討。
- 構造化データの順番ミス:
position
の不整合は無視される原因に。
FAQ
- Q. パンくずは必須?
- A. 小規模サイトでは必須ではありませんが、階層が深いサイトやEC/メディアでは強く推奨されます。
- Q. パンくずの種類は?
- A. 一般的には「階層型(ロケーション型)」が主流。他に「属性型(フィルタ条件を示す)」「履歴型(たどった経路)」がありますが、実装は階層型が安定です。
- Q. SEO効果はどの程度?
- A. 直接の順位ブーストではなく、回遊性改善や検索結果の表示(リッチ化)による間接的効果が期待できます。
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