マーケティングミックス(4P/4C)
定義
マーケティングミックスとは、4P(Product/Price/Place/Promotion) を基礎に、顧客視点の 4C(Customer Value/Cost/Convenience/Communication) を対応させて 提供価値を最適化する考え方です。4Pは「企業がコントロールする打ち手」、4Cは「生活者が感じる価値」。両輪で設計することで、 「作る都合」ではなく「選ばれる理由」に近づきます。
構成要素(4P ⇔ 4C)
- Product(製品) ⇔ Customer Value(顧客価値):機能→ベネフィット→“意味”へ。
- Price(価格) ⇔ Cost(顧客負担):金額だけでなく時間・手間・不安等の総コストを見る。
- Place(流通) ⇔ Convenience(利便性):買いたい時に買える導線。在庫・UI・決済を含め最短路に。
- Promotion(プロモーション) ⇔ Communication(対話):一方通行の告知から、双方向の関係づくりへ。
実務での活用例
- 新商品設計:機能列挙ではなく、顧客の「進歩」を起点にベネフィットを再定義(Product⇔Customer Value)。
- 価格戦略:値引き依存から脱却し、保証・トライアル・分割などで「心理コスト」を下げる(Price⇔Cost)。
- チャネル最適化:在庫可視化・当日発送・店頭受け取りで「今すぐ欲しい」に応える(Place⇔Convenience)。
- コミュニケーション:広告だけでなく、導入ストーリー・事例・UGCで信頼の証拠を蓄積(Promotion⇔Communication)。
具体例
例)コーヒーメーカーの訴求:
機能(4P)「95℃抽出/静音設計」 → 価値(4C)「早朝でも家族を起こさず、出発前の3分で“落ち着く時間”を作れる」。
数字を「体験の変化」に翻訳すると、比較で埋もれにくくなります。
よくあるつまずき
- 4Pだけで決めてしまい、顧客にとっての価値(4C)が弱い。
- 価格を金額だけで調整し、時間・手間・不安などの隠れコストを放置。
- 流通=配送スピードの議論に終始し、在庫可視化や受け取り柔軟性を見落とす。
- 告知量で押し切ろうとして、証拠や対話(レビュー、事例、コミュニティ)を育てない。
チェックリスト(運用前に3分確認)
- 「機能 ⇒ 価値 ⇒ 意味」の3段翻訳ができているか。
- 顧客が払う総コスト(お金・時間・手間・不安)を下げる設計があるか。
- “欲しい瞬間に手に入る”導線(在庫・受け取り・決済)が整っているか。
- 広告だけでなく、証拠(レビュー・事例・UGC)と対話の場を用意したか。
FAQ
- Q. 4Pと4C、どちらを優先すべき?
- A. どちらか一方ではなく往復するのが前提です。まず4C(顧客価値)を言語化し、その価値を実現する4Pを具体化→検証→微調整、の循環で精度が上がります。
- Q. B2Bでも4Cは必要?
- A. 必要です。担当者の評価軸・導入負担・リスク回避など「顧客のコスト」はB2Bでこそ顕在化します。事例・導入支援・稟議テンプレなどの“不安コスト低減”が効きます。
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