共創ワークショップのアジェンダの作り方|目的別(課題再定義/アイデア発散/合意形成)と進行台本

このページは、 共創ワークショップ完全ガイド の詳細解説です。本記事では共創ワークショップのアジェンダの作り方|目的別(課題再定義/アイデア発散/合意形成)と進行台本を深掘りします。

🔍 この記事でわかること

  • 3目的の使い分け(到達ゴール・主要アウトプット・KPI)
  • 60/90/120分の時間配分サンプルと進行台本
  • アクティビティの入れ替え基準(発散⇄収束の強弱)
  • チェックリストとテンプレ(コピペ用)

目的別の使い分け(早見表)

目的 到達ゴール 主要アウトプット KPI例
課題再定義 “本当の問題”の共通理解 問題ステートメント/原文カードTop10 合意度・未合意点の可視化数
アイデア発散 多様で大胆な種の創出 アイデア枚数/カテゴリ別束ね 1人あたりアイデア数・重複率
合意形成 次アクションの明文化と担当決定 選定理由/KPI/期限/保留箱 決定数・未合意論点の残数

課題再定義アジェンダ(60/90/120分)

60分サンプル

  1. 導入&ルール合意(8分):目的共有、心理的安全性のルール6つ合意。
    台本:「今日は“何が本当の問題か”を絞ります。否定より理解で。」
  2. 事実棚卸し(サイレント→共有)(12分):各自3枚原文カード→全体で束ね。
  3. ストーリー追体験(10分):典型事例を1つ、時系列で再現。
  4. 問題ステートメント作成(20分):「誰・どの状況・何が起きている・なぜ」1文に。
  5. 未合意の明記&次アクション(10分):保留箱に残し、調査項目を決定。

90分サンプル

  • 導入&ルール(10)→原文カード(20)→文脈マップ作成(20)→問題文案(25)→合意&保留(15)

120分サンプル

  • 導入(10)→原文カード(25)→観察/随伴の仮説出し(20)→文脈マップ(25)→問題文案(25)→合意(15)

ポイント:要約前に原文カードを残す/「事実と解釈」を分ける/未合意は未合意のまま可視化。

さらに詳しく: 顧客インサイトの見つけ方心理的安全性を高める場づくり

アイデア発散アジェンダ(60/90/120分)

60分サンプル

  1. ブリーフ共有(5分):問題文・制約条件・対象ユーザー。
  2. サイレント発散(10分):各自付箋3枚×2セット(計6)。
  3. 共有&連想拡張(15分):似たもの束ね→「もし◯◯なら?」で拡張。
  4. 視点シャッフル(10分):置換/結合/用途転用などのトリガーで再発散。
  5. 軽いタグ付け(10分):テーマ別束ね(例:UX/コスト/販売)。
  6. ギャラリーウォーク(10分):重複やヒントを見つけて追記。

90分サンプル

  • ブリーフ(10)→個人発散(15)→グループ発散(15)→視点シャッフル(15)→タグ付け(15)→ウォーク(20)

120分サンプル

  • ブリーフ(10)→個人(15)→小グループ(20)→手法切替(逆転発想/オズボーン)(25)→タグ付け(20)→共有(30)

ポイント:評価はしない(発散回)/“未完成歓迎”/数→多様→驚きの順で狙う。

さらに詳しく: アイスブレイク20選心理的安全性を高める場づくり

合意形成アジェンダ(60/90/120分)

60分サンプル

  1. 基準の再確認(10分):KPI・制約・ユーザー価値を確認。
  2. 候補のショートリスト化(10分):事前に3〜5案へ整理。
  3. 評価(20分):2×2(インパクト×実現性)またはNUF(Novel/Useful/Feasible)。
  4. リスクと前提(10分):不確実性を洗い出し、検証方法を添付。
  5. 決定&次アクション(10分):担当・期限・測定方法を明文化。

90分サンプル

  • 基準(10)→ショートリスト(15)→評価(30)→リスク(15)→決定(20)

120分サンプル

  • 基準(10)→ショート(20)→評価(35)→反対意見の具体化(15)→リスク/検証設計(20)→決定(20)

ポイント:上司は最後に発言/反対は具体化して歓迎/未合意は未合意のまま保留箱に。

さらに詳しく: 心理的安全性を高める場づくり共創WSの設計全体像

アクティビティ入れ替えの基準

  • 沈黙が続く:サイレント→ペア→全体の順に段階化。
  • 時間が足りない:「視点シャッフル」を短縮し、タグ付けで収束を担保。
  • 発言偏り:ラウンドロビンと1分砂時計を導入。

コピペ用:アジェンダ台本テンプレ

# 共創WS アジェンダ(目的:____)
0:00-0:05 目的共有/本日の流れ
0:05-0:10 ルール合意(否定より理解/時間の公平/保留箱)
0:10-0:25 サイレント作業→共有(各自3枚×2セット)
0:25-0:45 主要ワーク(課題再定義/発散/評価のいずれか)
0:45-0:55 まとめ(タグ付け or 2x2評価)
0:55-1:00 次アクション(担当・期限・測定方法)/保留箱
# 声かけ例:「まずは短く一巡します」「事実と解釈を分けましょう」
  

チェックリスト

  • □ 目的を1つに絞ったか(再定義/発散/合意)
  • □ 時間配分(緩衝5〜10%)を入れているか
  • □ 役割:進行/観察/記録/タイムキーパーを割り当てたか
  • □ 「保留箱」と未合意の記載枠があるか
  • □ 退出前に次アクション(担当・期限・測定)を明文化したか

さらに詳しく:顧客インサイトの見つけ方アイスブレイク20選

FAQ

Q. 60/90/120分のどれを選べばいい?
A. 初回は90分が扱いやすいです。参加者が多い・初対面が多い場合は120分で余白を確保。
Q. 発散と収束は同日に両方やるべき?
A. 可能ですが、初回は分けて実施を推奨。発散日に量と多様性、別日に合意形成で質を上げます。
Q. 評価はどの基準が良い?
A. 2×2(インパクト×実現性)かNUF(Novel/Useful/Feasible)。目的に応じて選び、理由も記録します。
共創事例|こらぼたうん

コメント

この記事へのコメントはありません。

おすすめの記事
最近の記事
  1. 比較で戦う「差別化」から、選ばれる「独自化」へ

  2. グループインタビュー vs 共創セッション──“意見収集”から“発想・改善”へ進める方法”

  3. 中小企業と価値共創──大企業との対比で浮かび上がる“速さ”と“近さ”の競争力

  4. プロシューマー体験が変える未来──「買う」から「一緒に作る」へ

  5. 会議で沈黙、カフェで熱弁──人はどこで本音を語るのか

  6. 大手に勝てない理由は「真似」しているから─中小企業が描く独自の成長曲線

  7. 分断の時代を乗り越える鍵─共創型マーケティングとは何か

  8. 子供と親、両方の声を聞く─価値共創の現場から見えること

  1. 共創ワークショップのアイスブレイク20選|目的別・場の温め方・進行台本

  2. 共創ワークショップの心理的安全性を高める場づくり|ルール・声の拾い方・ファシリテーションTips

  3. 共創ワークショップのふりかえり&記録の型|写真・原文カード・共有法(テンプレ付き)

  4. 共創ワークショップのアジェンダの作り方|目的別(課題再定義/アイデア発散/合意形成)と進行台本

  5. 共創ワークショップのファシリテーション失敗あるあると対策|時間超過・独演・沈黙・脱線・上司バイアス

  6. 比較で戦う「差別化」から、選ばれる「独自化」へ

  7. グループインタビュー vs 共創セッション──“意見収集”から“発想・改善”へ進める方法”

  8. 商品開発が失敗する本当の理由と、成功へ導く9つのヒント

よく読まれている記事
  1. 1

    共創アイデア出しワクショップ10選──社員・顧客と価値を生み出す実践手法

  2. 2

    共創ワークショップ 設計テンプレート

  3. 3

    文脈価値と価値共創-商品が売れない時代の打開策

  4. 4

    「ゴリラの鼻くそ」はなぜ売れたのか?―価格競争を超えて“意味”で選ばれる商品のつくり方

  5. 5

    グループインタビュー vs 共創セッション──“意見収集”から“発想・改善”へ進める方法”

あなたへのおすすめ記事