オンライン全盛の時代にこそ問いたい/“顔を合わせる共創”の価値

まずは 価値共創マーケティングのフレームワーク を確認してから読み進めると理解が深まります。

更新日:2026年1月22日

テクノロジーの進化により、共創のあり方は大きく変わりました。SNS、オンラインフォーラム、クラウド上のコラボレーションツール―― いまや世界中の人々が、場所や時間の制約を越えてアイデアを交わし、プロジェクトを進められます。

その一方で、便利さと引き換えに見落としがちなものがあります。――それが、 「リアルな場に身を置いて、顔を合わせて話す」ことの力です。

“空気感”から生まれる信頼と共感

対面の共創には、オンラインでは得がたい「空気感」があります。呼吸を合わせる相づち、目線の交わり、沈黙の間合い、そして場に流れる雰囲気―― これらはすべて、言葉以上のメッセージを発しています。

価値共創では、意見を「情報」として受け取るだけでは足りません。 参加者それぞれの背景・文脈・気持ちに耳を澄ませることで、初めて「本当に届けるべき価値」が輪郭を持ちます。 そのとき必要になるのが、リアルな場でしか得にくい“身体感覚”です。

オンラインでは見落とされがちな、表情の揺れ・言い淀み・ちいさな沈黙
リアルではそれが拾えるからこそ、「この言葉の奥に、もっと大事な気づきがある」と感じ取れます。

雑談や余白が“共創の芽”を育てる

共創の場づくりで意外と大切なのが「余白のある時間」です。 会議室に集まり、あいさつを交わし、お茶を飲みながら話す―― 一見非効率に見える時間の中に、相手の人間性や価値観を感じ取り、関係性を耕すチャンスがあります。

実際、共創セッションでは「休憩中のふとした一言」や「雑談から派生したアイデア」が、後の革新につながることが少なくありません。 偶発性が混ざることで、共創は“予定調和”から抜け出します。

一体感が行動を生む

共創を一過性のイベントにしないためには、「熱量」と「共感の連鎖」が必要です。 リアルの場でともに悩み、笑い、うなずきあった経験は、参加者の心に強く残ります。 そして「自分ごと」として、その後の行動につながります。

リアル共創が“広がり”に変わる瞬間

ある企業が新商品開発の共創ワークショップを、あえて対面で実施しました。 普段SNSでつながっていた顧客層が、リアルに会って互いの熱意を交わす中で 「こんなに真剣に考えてくれていたんだ」という気づきが何度も生まれたのです。
結果としてプロジェクトは商品化にとどまらず、ファンが広報やイベントにも自発的に関わる形へと広がりました。 「あの場にいたから」という経験が、行動を自然に引き出したのです。

特に“顔の見える共創”は、地域密着の店舗づくりや商店街の再活性化、まちづくりなどで大きな効果を発揮します。 住民や顧客と実際に会い、声を聞き、想いを共有することで、単なるニーズ把握を超えた 「共に育てる関係性」が築かれ、その場そのものが愛されるブランドへと育っていきます。

参考事例

地域住民と企業がリアルな場で対話しながら店舗づくりを共創しているイメージ

リアルに集まり、想いを交わしながら前に進む。地域の共創は「関係性」そのものが価値になります。

✅ 事例を読んでみる

リアルとオンライン、それぞれの役割を見極める

もちろん、オンライン共創にはオンラインならではの強みがあります。遠方の人々とすぐに接続できる、記録が残る、反復しやすい―― これらは、アイデアの収集や全体管理にとって非常に有効です。

こらぼたうんでも、オンラインのワークショップやヒアリング、情報共有の場を積極的に取り入れています。 参加者が時間や場所の制約を受けずに関われることで、多様な視点が集まりやすくなるという利点があります。

大事なのは「どちらが正しいか」ではなく、どの場面で、何を得たいのか
信頼構築・深い対話はリアル、整理・継続はオンライン――補完関係として設計すると共創は強くなります。

オンライン共創とリアル共創の違い

オンライン共創 リアル共創
時間・場所に縛られず、遠隔でも参加しやすい その場の空気感・感情のやりとりを共有しやすい
録画やログで記録が残りやすい 表情や沈黙など、非言語情報が受け取りやすい
参加のハードルが低く、多様な人を巻き込みやすい 関係性が深まり、信頼と共感が生まれやすい
短時間で目的を絞った議論に適している 雑談や余白が偶発的なアイデアを生みやすい
多拠点・多人数の情報共有に強い 「その場にいる」体験が一体感や当事者意識を育む

だからこそ、“会う”という選択を大切にしたい

すべてがオンラインで完結する時代だからこそ、あえて「会いに行く」「顔を合わせる」ことの価値は、むしろ高まっているように思います。 それは非効率かもしれません。コストも時間もかかるでしょう。 でも、一度リアルに築いた関係性は、何より強く、深く、持続的です。

共創とは、単にアイデアを出し合うことではなく、「ともに考え、ともに育て、ともに前に進む」関係性そのもの。 その土壌を耕すのは、やはり人と人が直接向き合う時間に他なりません。

デジタルが進化するほど、リアルで会う価値は“消える”どころか“濃くなる”。
だから私は、顔を合わせる共創に、これからもこだわり続けたいと思うのです。

この記事のポイント

  • リアルの空気感が、信頼・共感・洞察を生む
  • 雑談や余白が、予定調和を超えるアイデアを育てる
  • 一体感が当事者意識になり、行動が続く
  • オンラインは整理・継続・多様性に強い
  • 結論は「対立」ではなく補完として設計すること

まずは 価値共創マーケティングのフレームワーク を確認してから読み進めると理解が深まります。

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