価値共創マーケティング実践の手引き
🔽 以下は、実践にあたり企業担当者への説明会に使用したメニューになります。
よろしかったら参考にしてください。
冒頭のご挨拶
これから、価値共創マーケティングの実践準備についてご説明いたします。
私たちが今から取り組もうとしている「共創マーケティング」は、単なる手法ではありません。
それは、顧客や生活者とともに価値を創り出す、企業の姿勢そのものを問う取り組みです。
従来のように「市場に合わせて商品を作る」というマーケットインの考え方でもなく、「良いものを作れば売れる」というプロダクトアウトでもありません。
第三の道、それが“共創”です。
共創では、企業と顧客が同じテーブルにつき、共に考え、共に創ることが求められます。
それには、実は多くの準備と、丁寧な設計が必要です。
だからこそ、今日のテーマは「セッション初日までに整えておくべきこと」としました。
社内での体制づくり、テーマ設定、パートナーの募集、初回セッションの設計。
どれも見過ごしてしまうと、共創はただのイベントになってしまいます。
ですが逆に、しっかりと準備ができていれば、驚くほど深い気づきと、これまでにない価値が生まれるのがこの取り組みの醍醐味です。
本日は、その一歩目となる「準備」にフォーカスし、一緒に考え、理解を深めていければと思っております。
それでは早速、共創マーケティングとは何か、から見てまいりましょう。
第1章:価値共創マーケティングとは
企業と顧客が共に価値を創り出す考え方であり、従来の一方向的なマーケティングとは一線を画します。協働・参加・信頼が鍵です。
- 共創マーケティングの定義と目的
顧客や生活者との協働により、新たな価値を生み出すマーケティング手法を定義し、その目的を明確にします。 - 従来のマーケティングとの違い
売り手主体から顧客参加型へのシフトなど、従来との違いを具体的に比較します。 - なぜ今「共創」なのか
市場の変化や生活者ニーズの多様化など、現代社会で共創が求められる背景を理解します。
第2章:導入前の心構えと経営の意思決定
共創の実践には、対等な関係性を重んじる姿勢と、失敗を恐れずに挑戦できる組織文化が求められます。
- 共創の前提:オープンマインドと対等性
生活者を「選ばれた協働者」として尊重する姿勢が共創の出発点になります。 - 経営層の理解とコミットメント
トップマネジメントの共感と支援がプロジェクト推進力を高めます。 - 企業文化との相性を見極める
共創を受け入れる柔軟性が企業文化にあるかを確認します。
第3章:社内体制の構築
横断的なチーム体制と共創に共感する人材の選出が、実行力と柔軟性を生み出します。
- 共創プロジェクトの推進責任者(リーダー)の任命
旗振り役として、全体を統括する人物の任命が必要です。 - クロスファンクショナルな共創チームの編成方法
部署横断で多様な視点を持つメンバーで構成します。 - 社内巻き込みのポイントと社内説明会
関係部門に共創の意義を伝え、理解と協力を得ることが大切です。 - チーム内の役割分担と期待値の共有
それぞれが担う役割と責任を明確にし、共通認識を持ちます。
第4章:共創のテーマ設定とゴールの明確化
生活者の関心と自社の提供価値を交差させるテーマ設定が、共創の起点になります。
- テーマ設定の重要性と方向性の決め方
共創が成功するか否かはテーマ選びにかかっています。魅力的で意味のある課題を設定します。 - 生活者・顧客と企業の接点からニーズを掘り起こす
実際の接点から生活者の声を分析し、潜在的なニーズを探ります。 - 中長期的ゴールとKPIの設計
成果の可視化に向けて、持続的な指標と評価方法を事前に設定します。
第5章:共創パートナー(生活者・顧客)の募集準備
共創相手を単なるモニターではなく、対等なパートナーとして扱う姿勢が大切です。
- どんな人と共創したいのか:ペルソナ設計
共創の目的に応じて、求める人物像を明確にします。 - 募集方法と告知メッセージの工夫
生活者が参加したくなるような魅力的な呼びかけ方を工夫します。 - 募集チャネルの選定(オンライン/オフライン)
対象層に合った媒体を使い分け、応募のハードルを下げます。 - 応募から選考・決定までの流れと注意点
透明性と納得感を持って選考し、パートナーとしての関係性を築きます。
第6章:初回セッションへの準備
初回は信頼づくりがすべて。安心して話せる環境を整えることが共創の第一歩です。
- 会場・設備・ツールの準備
リアル・オンライン問わず、快適な環境づくりを行います。 - 初回に伝えるべきこと(目的・ルール・姿勢)
参加者が共通理解を持てるよう、基本方針を丁寧に共有します。 - アイスブレイクと関係性づくりの仕掛け
場が和み、心が開かれる工夫が、共創の出発点を支えます。 - ファシリテーターの心構えと進行設計
対話を促進し、参加者の声を引き出す設計と心構えが重要です。
第7章:スタート直前の最終チェックリスト
実施直前の確認は、準備の仕上げ。段取りを再確認して、安心してセッションに臨みましょう。
- 共創チーム内の最終確認事項
誰が何をするか、すべてが明確になっているかを確認します。 - 参加者との事前コンタクトとリマインド
安心して参加してもらえるよう、最終の案内や確認を行います。 - トラブルを未然に防ぐための備え
起こりうる問題を予測し、代替策を用意しておきます。