「マーケティング」と「共創(コ・クリエーション)」。
最近、企業活動のなかでこの2つの言葉を耳にする機会が増えていませんか?
どちらも企業が価値を生み出すための大切な考え方ですが、実は根本的なアプローチに大きな違いがあります。
この記事では、「マーケティング」と「共創」の違いを、初心者の方でも理解しやすい言葉で丁寧に解説します。
社内提案用の資料づくりのヒントとしてもご活用いただけます。
まずは「マーケティング」の基本を押さえよう
「マーケティング」とは、「お客さまに選ばれるための仕組みづくり」です。
たとえば、ある商品が売れないとき、マーケティングでは次のような問いを立てます:
- 誰に届けたいのか?(ターゲット)
- その人は何に困っているのか?(ニーズ)
- どんな商品ならその課題を解決できるか?
- どこで、どんな価格で、どうやって届けるのが効果的か?
これらを分析して「商品企画→プロモーション→販売」までを設計するのがマーケティング活動です。
企業が主導し、一方的に顧客へ価値を提供するのが特徴です。
一方の「共創」はどう違うのか?
共創(コ・クリエーション)は、「お客さまと一緒に価値をつくる」という姿勢です。
マーケティングが「顧客を知る」ことに主眼を置くのに対し、共創では「顧客と対話しながら、共に考える」ことが重要になります。
生活者や地域住民、取引先、自治体などの声を活かしながら、企画や開発を共に進める。これが共創のアプローチです。
「顧客を理解する」から「顧客とつくる」へ
以下の表で、マーケティングと共創の主な違いを整理してみましょう。
項目 | マーケティング | 共創 |
---|---|---|
対象との関係 | 顧客=観察対象 | 顧客=共創パートナー |
価値の出発点 | 企業側が起点 | 生活者の声が起点 |
情報の流れ | 一方向(企業→顧客) | 双方向・対話型 |
プロセス | 企業内で設計 | 参加者と共に設計 |
企業と顧客が「向き合う」マーケティングに対して、「隣り合う」共創。
この感覚の違いが、実は大きな差を生みます。
なぜ今、共創が求められるのか?
現代は「モノが売れない時代」「成熟市場」と言われます。顧客のニーズが多様化し、一方的な価値提供は通用しづらくなっています。
さらに、SNSやクラウドファンディングなどの発達により、「生活者が発信者」になる時代に突入しました。
これからは、「顧客を理解する」から「顧客と共につくる」へ。その姿勢が企業に求められます。
マーケティングと共創、どちらが大切?
結論としては、「どちらも大切」です。
マーケティングは土台づくり、共創はその上にのる共感づくり。
「論理+感情」「仕組み+関係性」を両輪にした経営が必要です。
社内提案の際のポイント
共創を社内で提案するには、次の点を押さえておくと説得力が高まります。
- ✅ 顧客は「参加」したいと感じている
- ✅ 共創は「ファンづくり」「熱量づくり」になる
- ✅ 社内の対話と横断的な連携が促進される
- ✅ 意見が反映されることで「納得感と自走力」が生まれる
共創の意義は「成果」だけではなく、「意識の変化」や「文化の定着」にもあります。
まとめ:未来は共創によってつくられる
マーケティングは「選ばれる仕組み」
共創は「共に創る関係」です。
これらを組み合わせることで、企業の提供価値はより深く、共感され、持続可能なものになります。
まずは、小さな会話や対話の場づくりから、共創の一歩を踏み出してみませんか?