共創マーケティングは縦割りの弊害を打破します。
商品企画担当者だけでなく、営業担当者や開発担当者などの他部署を交えながら進めることで、組織全体の壁を壊し、生活者との共創を通じてスピーディーな対応が可能になります。
組織横断的に課題を共有し、みんなで「寄ってたかって」解決していく。その結果、社内承認や調整にかかる時間を短縮し、社員一人ひとりが素早く動ける環境が整います。さらに部署を超えたオープンでフラットな対話によって、経験や視点を新たな角度から見直し、ユニークな発想を生み出すことができます。
縦割り組織を変えることで、生活者(顧客)の変化にすばやく対応できるだけでなく、これまでにない新たな価値を見出せるのです。
縦割り組織とは?
縦割り組織とは「セクショナリズム(sectionalism)」とも呼ばれ、組織や部署ごとに利害や権限を守るあまり、他部署の働きかけを排除してしまう状態を指します。
よくあるイメージとしては…
- 「商品の企画開発力がないから営業しても売れない」
- 「営業がちゃんと提案しないから売れない」
- 「売上が悪いのは開発部の責任だ」
大企業に限らず、中小企業でも少なからず存在する「組織の壁」。縦割りによって人材やリソースを活かしきれない企業は少なくありません。
縦割り組織の弊害
では、具体的に縦割りの弊害とは何でしょうか。大きく5つ挙げられます。
① 部署間の連携不足と摩擦
部署間で情報が共有されず、互いに責任を押し付け合い、摩擦が増えます。
例:「売上が上がらないのは営業が悪い」「新商品の企画が悪いからだ」など。
② 同調圧力の増大
自由な意見が言いにくくなり、社員は周囲の顔色をうかがって最低限の仕事しかしなくなります。
③ 生産性の低下
対立が続けばモチベーションが下がり、パフォーマンスも落ち、組織全体の生産性が下がります。
④ 顧客対応の質の低下
「自分の部署には関係ない」という意識が顧客対応にも現れ、信頼を失います。
⑤ 離職者の増加
不満や摩擦が続けば働く環境が悪化し、離職率が高まります。
縦割りの弊害をなくすには?
解決の第一歩はセクショナリズムを認識することです。その上で以下のような取り組みが効果的です。
- 部署間の交流を意識的に増やす:横のつながりを作ることで壁をなくす
- 組織体制の見直し:人の移動によって縄張り意識を減らす
- ジョブローテーション:様々な部署・職種を経験することで視野を広げる
- 会社の方向性を明確化:判断基準を共有し、社員が同じ目的を持てるようにする
組織が大きくなるほど、全員が顔を突き合わせて意思疎通することは困難になります。だからこそ「思い・価値観の共有」が大切です。
共創マーケティングを実践すると?
共創マーケティングは、縦割りを打破する大きな力を持っています。組織横断的なチームを組み、生活者を交えながら新しい価値を共に創り上げる取り組みです。
同じ会社でありながら各部署がギクシャクするより、目的を共有して一緒に考えるほうが早いし強い。
生活者も交えて「寄ってたかって」知恵を出し合えば、商品だけでなく組織自体も変わり、新しい価値をスピーディーに生み出せるのです。