共創の成果は、アイデアの良し悪しだけで決まりません。「どう言えば伝わるか」と「社内をどう動かすか」で、実装率が変わります。 ここでは現場で使える“翻訳の言葉”をまとめます。
生活者に刺さる言葉(D)と、社内が動く言葉(E)をつなぐと、成果が出やすくなります。
D. 価値の言い方(伝わる・刺さるに直結)
コツは「機能→体験→感情→未来」の順で言葉を育てることです。
ベネフィット:得られる良いこと(“だから私に必要”が伝わる言葉)
言い方の型:「○○できる」→「だから△△が楽になる」→「結果、□□できる」
体験:使っている最中に起きる“感じ”(ストレス/快適さ/テンポ)
問い:「使っている時、どんな気持ち?」「どこが引っかからない?」
使い勝手:手間・迷い・片付けまで含めた“扱いやすさ”
言い方:「手順が少ない」「迷わない」「後始末がラク」
納得感:比較されても「これでいい」ではなく「これがいい」になる感覚
言い方:“理由”を3点セットで:①困りごと ②解決の仕組み ③使う場面
安心:失敗しない、恥をかかない、損をしない…“不安の解消”
問い:「何が不安で買えない?」「何が分かれば安心?」
信頼:品質だけでなく「約束を守る」「対応が誠実」の積み上げ
言い方:“根拠”を添える(実績/保証/プロセス/姿勢)
愛着:便利を超えて“好き”になる(自分らしさ・思い出・誇り)
問い:「これ、誰に見せたい?」「使っていて嬉しい瞬間は?」
推奨:体験が“語れる形”になった時に起きる
言い方:「一言で言うと?」を作る(例:○○な人のための△△)
ストーリー:なぜ作ったか/何を大事にしたか(共感のショートカット)
型:「現場の困りごと」→「気づき」→「工夫」→「約束」
約束:“毎回これだけは守る”の宣言(期待を裏切らない)
問い:「このブランドは、何を絶対にやらない?」
最短テンプレ(D):一文で刺さる言い方
(誰の) (どんな場面で) (何に困っていて) → (これがあると) (どう楽/安心/嬉しい)
※この一文が作れると、チーム内の説明も販促もブレにくくなります。
E. ビジネスに落とす言葉(社内が動く)
社内は「いい話」より、範囲・優先・指標が揃うと動きます。
ターゲット:属性より“困りごと×場面”で定義するとズレにくい
書き方:「○○な人」ではなく「△△な場面で□□に困る人」
セグメント:「困りごとが似ている集団」に分ける
問い:「困りごとの種類は何パターンある?」
提供価値:“何ができるか”ではなく“何を助けるか”
一文:「私たちは、○○な場面の□□を△△で助ける」
差別化:機能差より“文脈差”(この場面では強い)が効く
問い:「どの場面で、誰より強い?」
競合:他社商品だけでなく「やらない」「別手段」も競合
問い:「今は何で済ませている?」(代替行動を必ず入れる)
価格:“高い/安い”は感情。根拠は「手間・不安・時間」の削減
言い方:「いくら」より「何が減る/増える」を言う
施策:“やること”を束ねて、優先順位をつける
型:①まず効く(小)→②広げる(中)→③仕組みにする(大)
KPI:最終成果の前に起きる“途中の変化”を測る
例:購入前:理解率/試用率 購入後:継続率/推奨意向 など
成果:売上だけでなく「継続」「推奨」「クレーム減」も成果
問い:「最終的に何が変わったら成功?」(①の成功条件と整合)
継続:属人化を減らし、回せる仕組みにする
ポイント:“記録→テンプレ→定例化”で継続しやすくなります
改善:一発で当てるより、学びを回して“当てにいく”
問い:「次は何を1つだけ直す?」
F. 共創マーケティング特有の“要注意ワード”(誤解が起きやすい)
禁止ではなく、誤解しやすいポイントと言い換えをセットで持つのがコツです。
誤解:要望を集めて足せば正解が出る
言い換え:「使用場面での困りごと」「なぜそう言うのか(背景)」
確認:“言葉”ではなく“行動と文脈”も取れている?
誤解:アンケートで答えを取れば意思決定できる
言い換え:「仮説の当たりをつける」「深掘りの入口にする」
確認:“なぜ”が分からないまま集計で終わってない?
誤解:思いつき勝負、面白い案が勝つ
言い換え:「仮説」「検証できる提案」「プロトのたたき台」
確認:“誰のどんな場面”の困りごとに刺さる?
誤解:正解は最初から存在する
言い換え:「現時点の最適解」「検証して近づく」
確認:小さく試して学ぶ設計になってる?
誤解:呼んで話を聞けば共創
言い換え:「意思決定に反映される関与」「一緒に試す」
確認:参加者の発言が、実際に何に反映される?
✅ 30秒チェック:提案がブレない
- 「誰の・どんな場面で・何を助けるか」が一文で言える
- 機能ではなく、体験・感情・未来(D)まで言えている
- 差別化が“文脈(場面)”で説明できる
- 競合に「代替行動(やらない/別手段)」も入っている
- 価格の根拠が「手間/不安/時間の削減」で語れている
- KPIが「途中の変化」になっている(最終成果だけにしない)
- 次の施策が「まず効く(小)」から組まれている
- 要注意ワードの誤解を回避する言い換えが用意できている
- “正解探し”ではなく“検証して近づく”運用になっている
- 記録→改善→継続のループが回る設計になっている
※チェックが半分以下なら、①(基礎)で言葉をそろえ、②(手順)でプロセスを整えると立て直せます。