企業と生活者が“共に創る”時代へ。マーケティング定義刷新が示す未来

🕒 更新日:2026/01/21
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「マーケティング=売るための技術」という理解は、もう古くなりつつあります。
2024年、日本マーケティング協会(JMA)が定義を刷新し、中心に置いたのは“顧客や社会と共に価値を創造する”という考え方。
これは、企業が一方的に価値を“提供する”時代から、生活者と“共に創る”時代へ移ったことを、はっきり言語化した出来事です。

🧩 3行で結論(忙しい方向け)

  1. 新しい定義の核は、「顧客・社会と共に価値を創造する」という宣言
  2. 共創は“仲良し活動”ではなく、独自化・ブランド・収益を支える設計になる
  3. 中小企業こそ、小さく試し、対話で磨くことで強みをつくりやすい

1. 34年ぶりに刷新されたマーケティングの定義

2024年1月、公益社団法人日本マーケティング協会(JMA)が、マーケティングの定義を刷新しました。 注目点は、文章の中心に「顧客や社会と共に価値を創造する」が置かれたことです。

📘 マーケティングの定義(2024年制定)

(マーケティングとは)顧客や社会と共に価値を創造し、その価値を広く浸透させることによって、 ステークホルダーとの関係性を醸成し、より豊かで持続可能な社会を実現するための構想でありプロセスである。

※出典:日本マーケティング協会(JMA)発表(2024年)

読みどころ: ここで語られているのは「売る」より前の話です。
価値を“共に創り”、それを“広く浸透させ”、関係性を“醸成する”──マーケティングの主戦場が、確実に移ってきています。

2. なぜ今「共に創る」が中心になるのか

生活者の価値観が多様化し、情報も選択肢も増えすぎた今、 企業が“良い商品を作ったから売れる”だけでは勝てません。 生活者が求めているのは、単なるスペックではなく「自分の暮らしに合う理由」です。

📉 従来型の限界

  • 机上の仮説が外れやすい(生活者の現実とズレる)
  • 差別化が「機能」「価格」だけになりやすい
  • 広告を増やすほど、獲得コストが上がる

📈 共創が強い理由

  • 生活者の文脈から“選ばれる理由”が見つかる
  • 改善が続き、ブランドが育つ
  • 関係性が資産化し、リピート・紹介が起きる

3. 定義刷新が示す“実務の変化”5つ

定義が変わると、現場の「当たり前」も変わります。新定義を実務目線で言い換えると、次の5つがポイントです。

変化点 これまで これから(共創型)
価値の作り方 企業が設計し、生活者に提供 生活者の現実から一緒に設計し、磨く
リサーチ 企業が問う→生活者が答える 問いそのものを共に見つけ、育てる
差別化 機能・価格・スペック中心 “助かる理由”=文脈価値を中心に
浸透 広告で一気に認知を取る 体験・共感・語りを通じて広がる
関係性 買って終わり 関係性が資産になり、次の価値を生む

4. こらぼたうんが実践してきた「価値共創」

「価値共創」とは、企業の都合で価値を決めるのではなく、 生活者の文脈(使う場面・迷い・不安・願い)に沿って価値を一緒に磨くことです。

🧠 共創で増えるのは「確信」

  • 生活者の“言葉”で、訴求の芯が定まる
  • 買う/使う前後の「つまずき」が先に見える
  • 企画・営業・現場が同じ現実を見て、判断が速くなる

✨ 共創で育つのは「関係性」

  • 生活者が“参加者”になり、応援が生まれる
  • 改善が続き、ブランドの物語が積み重なる
  • 結果として、値引き依存から抜け出しやすい
補足: 共創は「特別な企業だけの手法」ではありません。
中小企業こそ、小さく試して改善することで、大企業が真似しにくい“独自化”を作れます。

5. リサーチは「共創型」へ:問いを一緒に育てる

かつてのリサーチは「企業が問う → 生活者が答える」が中心でした。 しかし今は、そもそも“何を問うべきか”が難しい時代です。 そこで必要になるのが、問いと答えを共に探る共創型のアプローチです。

1観察で「現実」をつかむ

購入・使用・保管・家族とのやり取り…現場には、アンケートでは拾えないヒントがあります。

2対話で「理由」を掘る

行動の裏にある“迷い”“不安”“小さな願い”を言葉にします。ここが差別化の種になります。

3試作で「確かめる」

大きく作る前に、小さく形にして反応を見ます。共創は「早く外す」ための仕組みでもあります。

4言葉で「浸透」させる

生活者の言葉で“助かる理由”を表現できると、広告より強く、自然に伝わり始めます。

6. すぐ始められる:共創を仕組みにする6ステップ

「やってみたいけど、何から?」に答えるために、最初の一歩を6ステップにしました。 重要なのは、完璧を目指さず、小さく回すことです。

1“誰のどの場面”を決める

ターゲットではなく「場面」を固定します。場面が決まると、価値の芯が作りやすくなります。

2つまずきを集める

迷い・不安・失敗・面倒…“摩擦”が多い場所に、選ばれる理由が眠っています。

3助かる理由を1行にする

例)「迷わず選べて失敗しない」「準備が一気に片づく」など。ここが差別化の核です。

4仮説を3案つくる

中身・言葉・体験の流れを3案。最初から“正解”を狙わず、比較できる状態にします。

5小さく試す

売り場の一角/ECの1枠/限定ロットなど、低リスクで検証できる設計にします。

6学びを残し、反復する

学びは「一枚」で残す。これを繰り返すと、共創が“文化”になります。

7. よくある誤解(FAQ)

共創って、時間もコストもかかりませんか?
かけ方を間違えると増えます。だからこそ、小さく始めて短い周期で回すのが基本です。
“大きく作って外す”より、小さく作って早く学ぶほうが結果的に安くなります。
生活者の言う通りに作ればいい?
いいえ。共創は「要望回収」ではなく、文脈(なぜそう感じるか)を掘って価値を設計することです。
生活者の“言葉”はヒント。最終的な設計は、企業の意思で磨き込みます。
中小企業でも本当にできる?
できます。むしろ中小企業は意思決定が速く、小さく試すのに向いています。
“生活者との距離の近さ”を活かせると、独自化が加速します。
何から始めるのが一番おすすめ?
まずは「場面を1つ決める」ことです。
「誰の、どんな場面で、何が助かる?」が定まると、商品・訴求・売り場・コミュニケーションが一気に揃います。

8. まとめ:共創は“未来の強み”を先に育てる営み

マーケティングの定義刷新は、トレンドの話ではありません。
企業が、生活者・社会と共に価値を創造し、その価値を広く浸透させ、 関係性を醸成していく──その実務が、これからの競争力になります。

共創は「良いこと」だからやるのではなく、独自化を生み、選ばれ続ける理由を育てるためにやる。
そう捉えると、共創は“未来の売上”を作る、最も堅実な道になります。

「共に創る」を“社内の仕組み”に落とし込みたい方へ

小さく始めて、対話で磨き、定着まで伴走します。

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