共創マーケティングを実践すると縦割り組織の弊害が打開できる

共創マーケティングを実践すると縦割り組織の弊害が打開できる

2023年3月13日

縦割り組織には明確な役割分担や責任範囲があるため、業務の効率化や専門性の高い業務の実現などのメリットもある一方で、意思決定の遅れ、コミュニケーションの乱れなどの、いわゆる「縦割り組織の弊害」が生じる場合があります。

 

共創マーケティングは、従来のマーケティング手法とは異なり、企業と消費者が共にプロダクトやサービスの開発や改善に取り組むプロセスを指します。

 

この手法を取り入れることで、縦割り組織に起因する問題を解決することができます。

 

縦割り組織は、多くの場合、組織内の部署やチームが閉鎖的で、情報の共有や協調が不十分であることが問題点となっています。

 

例えば、企画チームが商品の開発を担当し、その商品を販売する営業チームとは異なる部署であるため、営業チームが顧客(消費者・生活者)の要望や不満を把握できない、または企画チームが営業現場の声を反映できないということが起こり得ます。

 

これにより、企画した商品が市場に受け入れられず、結果的に売上が低迷するという事態が発生します。

 

共創マーケティングは、このような問題を解決するために、企業と顧客(消費者・生活者)がコラボレーションすることを基本としています。

 

企業は、顧客(消費者・生活者)が直面している課題や問題を理解し、それに対する解決策を一緒に考えることで、製品やサービスの改善を図ります。

 

顧客(消費者・生活者)は、企業の商品やサービスについての意見やアイデアを提供することで、企業がより顧客のニーズに合わせた製品を開発することを支援します。

 

この共創マーケティングの取り組みのプロセスにより、縦割り組織に起因する問題を解決することができます。

 

縦割り組織の弊害とは

縦割り組織の弊害とは

 

■コミュニケーションの乱れ

縦割り組織では、上下関係が明確な為、部下であるメンバーが自分の意見や考えを上司に伝えることが躊躇されコミュニケーションが制限されることがあります。また、部署ごとに立場が異なる場合もあり、コミュニケーションの乱れが生じることがあります。

 

 ■変化への適応性の低下

縦割り組織は、各部署が自己完結しているため、組織全体での変化に対応することが困難になります。また、各部署が自己完結しているため、外部環境の変化に対応することも困難になる場合があります。

  

■新規事業やアイデアの発想の阻害

縦割り組織では、既存の部署や業務の枠組みにとらわれる傾向があります。そのため、新規事業やアイデアの発想が阻害され、競争力の低下につながる場合があります。

 

■情報の非対称性 

縦割り組織では、管理職が部下の社員よりも多くの情報を持ち、情報の非対称性が生じることがあります。これにより、部下の社員は重要な情報を入手できずに、判断を誤る可能性があります。

 

■意思決定の遅れ

縦割り組織では、意思決定が上位の管理職に集中するため、意思決定の遅れが生じることがあります。また、上位の管理職には多くの判断責任があり、意思決定の負担が大きくなることがあります。

  

■シロアリ現象

縦割り組織では、自分の部署内での業務目標の達成や利益追求が優先されることが多く、結果として組織全体の観点から見ると効率が悪いいわゆる「シロアリ現象」に陥る事があります。

  

■組織全体のビジョンの欠如

縦割り組織では、各部署が独自に目標を設定し、それに沿って業務を行うことが多いため、組織全体のビジョンの欠如が生じることがあります。

  

■顧客志向の欠如

縦割り組織では、部署ごとに独自の業務を行うため、顧客の全体像が見えにくくなる傾向があります。そのため、顧客志向の欠如や、顧客のニーズに合わせた製品・サービスの提供が困難になる場合があります。

 

 

 

このように、縦割り組織には、様々な問題が発生することがあります。

こんな事が増えてきてませんか?

具体的な現象としては「批判型」「排他型」「無関心型」「非協力型」及び「傍観型」の人が増えてきます。

 

 

例えば、任意で参加する企業全体のイベントに参加しなかったり、企画部署が営業に対して「商品が売れないのは営業部隊がしっかり提案しないから」と批判したり 

 

全く無関係ではない仕事であっても、他人任せで関与しようとしないことや

 

他部署の行う業務に対して誹謗中傷したり、あえて利益を損なうような行動をする。

 

他部署の電話をとっても回さなかったり、伝言を受けても伝えない。

 

 

この様な事が散見されるようになった時は、縦割り組織の弊害を疑うべき時期かも知れません。

共創マーケティングの実践 

部署間の垣根を越えて行われる共創マーケティング
部署間を超えて行われる共創マーケティング

 

共創マーケティングを実施する際、商品企画担当者だけでなく営業担当者や開発担当者などの他部署の人を交えることがあります。

 

また、上司や部下の上下関係を無くし参加者全員が同じ目線で対話することを意識的に行います。

 

組織横断的に一緒に課題を見つけ、皆で寄ってたかって解決していく事を目的としていろいろな部門が当初より関わり、並行して生活者との共創を行うことで、社内承認プロセスや調整、伝達する時間が削減され、担当の社員がより早く対応できるようになります。

 

さらに、部署を超え組織横断的にオープンでフラットな関係の中で「寄ってたかって」自由な対話をすることで、各人の経験値を別の角度から見直すことが出来、ユニークな見方で新たな発想のもと課題を創り上げることが出来ます。

 

共創マーケティングを実践すると、顧客(消費者・生活者)の変化に最適にすばやく対応出来るのだけでなく、これまでにない視点で新たな価値を見出すことに繋がるのです。

共創マーケティングが縦割り組織の問題解決になる理由

課題解決

 

このように、企業と消費者が協力して商品やサービスを開発し、マーケティング活動を行う一つの手法である共創マーケティングには、実践しながら縦割り組織の弊害を自然と解決の方向へ導きます。

  

■チームワークの促進

共創マーケティングでは、企業内の異なる部署が協力してプロジェクトを進めることが求められます。例えば、開発チームが商品を開発し、マーケティングチームがそれを宣伝するというように、異なる部署が関わります。

 

そのため、部署間のコミュニケーションや協力が必要不可欠となります。

 

このような取り組みにより、部署間の壁を取り払い、情報共有や協力が促進されます。このような協力により、企業内の部門間の壁が取り払われ、チームワークが促進されます。これにより、縦割り組織の問題解決に役立ちます。

  

■消費者とのコミュニケーションの促進

共創マーケティングは、顧客が直接企業と対話することで、顧客のニーズを正確に把握することができます。企業は、商品やサービスについてのフィードバックを得ることができ、それに基づいて改善を行うことができます。

 

このように、企業と消費者が共にプロダクト開発に取り組むことで、より良い商品やサービスを提供することができます。

 

企業の部門を超えた各担当者は消費者とのコミュニケーションを促進することができ、縦割り組織の部門間の情報共有不足を解消することができます。

  

■社員のモチベーション向上

共創マーケティングは、社員のモチベーション向上にもつながります。社員が直接顧客と関わることで、自分たちが開発した商品やサービスに対する愛着が深まります。

 

また、顧客からのフィードバックを受け取ることで、社員の自己肯定感やモチベーションが高まります。

 

これらの要素が、社員の意欲向上につながり、縦割り組織の弊害の解決につながることが期待されます。 

 

■製品・サービスの品質向上

共創マーケティングにより、消費者が商品やサービスの開発に参加することで、彼らのニーズや要望を反映した製品やサービスを開発することができます。

 

その結果、製品やサービスの品質が向上し、縦割り組織の意思決定の遅延や品質低下といった課題を解決することができます。

  

■顧客ロイヤルティの向上

共創マーケティングに参加した消費者は、製品やサービスに対する愛着やロイヤルティが高まる傾向があります。このような消費者は、企業に対する信頼度が高くなるため、企業にとっては重要なファンになり得ます。

 

その結果、企業は、消費者に対するサポートやサービスを提供することで、ロイヤルティを高めることができます。 

 

 

 

まとめ

共創マーケティングは、縦割り組織に起因する問題を解決するための有力な手段であり、企業の成長を促進するための重要な戦略のひとつです。

 

企業が顧客との関係を強化し、顧客のニーズに応えることで、市場競争力を向上させることができます。

 

また、共創マーケティングは、社会的責任を果たす企業活動にもつながり、企業の持続的な成長と社会の発展を両立させるために重要な役割を果たします。

 

以上のように、共創マーケティングは、縦割り組織の問題解決に役立ちながらも企業と消費者が協力して商品やサービスを開発することで、顧客満足度の向上や製品・サービスの品質向上などのメリットが得られます。

 

共創マーケティングを実践することは、企業と消費者の間の壁を取り払い、相互協力に基づく関係を構築することで、縦割り組織の問題解決につながるだけでなく、新たなビジネスチャンスを生み出すことにも寄与します。


共創マーケティングの実践については下記をご参照ください。

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中間祥二 株式会社こらぼたうん代表取締役
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